31話 遠足気分で盗賊狩りをしよう!
ルヴィネと一緒に寝た
翌朝…。
「あれ?ルヴィネさん?」
結構早く目が覚めたが、ルヴィネが居ない。
スパパパパパッ!!
ものすごく鋭い音が外から聞こえた。
窓から下を覗くと
広場でルヴィネが、朝稽古をしていた。
てか、速すぎて剣を振ってる腕が
ほとんど見えない……。
「あ、キャメミールさん!
おはよう!」
ルヴィネが私に気づき
下からジャンプして窓から普通に入る。
ここ4階なんですけど……。
「ルヴィネさん
おはようございます…。」
「さっきギルドで盗賊討伐の依頼
受けてきたから、準備出来たら
行こうぜ!」
なんか遠足行くテンションで
言ってるよこの子……。
「ほら、朝飯取ってきた。」
また、ウサギとカメの魔物を出してきた。
「………………。」
「あーもう!
キャメミールさん昨日の夕方から
何も食ってないじゃないか!遠慮しすぎ!
それに私ら同い年…いや
キャメミールさんの方が1コ上だっけ?
私もキャメミールって呼ぶから
今から遠慮と敬語は無しな!」
「いや、遠慮してるわけじゃなくて
焼いてから食べたいな…」
……!!?
ルヴィネが目を見開いた。
ヤバい!地雷踏んじゃった!?
「そうだよな!最近
稽古の時間が惜しくて
生のまま食ってて忘れてたけど
焼いた方がいいよな!
さすが、キャメミールさん!」
この子いろいろぶっ飛びすぎ…。
「じゃあ、外で焼こうか!」
ルヴィネに無理やり町の近くの森に
連れて行かれた。
「森で食う飯は美味いぜ!」
ルヴィネは近くの木の枝を
2本持って擦り合わせた。
しゅぅ〜
あっという間に火がついて、
そのまま焚き火をして
皮を剥いだウサギに枝を刺し
豪快に10羽くらい丸焼きにしていく。
漢の料理に見える……。
「ほら、食べなよ。」
「あ、ありがとうございます…」
「こら、敬語は無しだぜ!」
「ご、ごめん…ルヴィネ。」
これでいいのかな?
アゴ食べられたりしないよね?
「よし!どんどん食えよ!
キャメミールは私の大事なクッショ…
間違えた私の大事なパートナーに
なるんだからな!」
あれ?今クッションって
言いかけたような?
ルヴィネはそのあと
私が食べ終わるまで
魔法の実験をいろいろしていた。
地味に私の魔力が消費されてるけど
特に問題ない。
「ごちそうさま。」
「お!食べ終わった?
じゃあ、盗賊狩り行こうぜ!
こっちこっち」
ルヴィネに案内された方向に
30 m程歩いたら
巨大な岩の下に直径50m程の
空洞があって、そこに盗賊のアジトの
ようなものがあった……
てか、今現在…盗賊いっぱいいる…。
「お、いるいる」
「ちょい待ったぁ!
私は盗賊のアジトのすぐ近くで
のんきにウサギ食ってたんかい!」
衝撃的すぎて言葉がなまってしまった。
「え?食後に長距離歩いたら、
胃に悪いかなと思って」
「胃どころか心臓に悪いわ!」
もう、この子とパートナーになったら
すぐに死にそうな気がしてきた…。
「なんだ!お前らぁ!!」
ヤバっ!盗賊に気づかれた!
「なんじゃテメェーら!冒険者か?
ワイらの事狩りに来たんか?ああん?」
ヤバい!ヤバい!
盗賊がアジトから
100人くらい出てきた!
あれ?終わりじゃない?
「私達、盗賊狩りに来たんだ。」
何言ってるの!?この子!?死にたいの?
「あんたら面白いのぉ…
今からその場で全裸になって
土下座したら命だけは
助けてやるぜぇ……
でっかいねぇちゃんも顔はいいしなぁ!」
顔は!??
なんて失礼な!せめてこいつだけでも
やってくだせぇよ!ルヴィネさ〜ん!
…………………。
ヤバい…混乱しすぎて
私まで変なノリになってる…。
「おっさん!乙女2人に
いきなりセクハラ発言かよ!
なら、私もあんたらに
セクハラ発言するぜ!
3分後には、おっさん同士で
ぶちゅぶちゅキスをしてもらう!」
ルヴィネちゃんの頭が完全に
イカれてしまった……元からだけど……。
「クソガキが、頭沸いてるみたいだな…
俺が教育してやるぜ…。」
身長190くらいの
ゴリゴリマッチョな盗賊が
ルヴィネに近づいてきた。
こんなマッチョより
身長が高い私は一体……。
「その可愛らしい顔をグチャグチャに
してやるよ!」
マッチョな盗賊がルヴィネに
殴りかかった。
スパッ……………
次の瞬間、ルヴィネは剣を抜き。
マッチョな盗賊の後ろにいる……
速くて見えなかった……。
「1人目。」
ルヴィネがつぶやく。
次の瞬間…マッチョな盗賊が倒れる
と見せかけて倒れない……無傷だ。
普通ならここで血を吹き出して
倒れるのがセオリーなんだけど…。
「な、なんだ今の?
どの辺斬ったんだ?
これ動いて大丈夫なのか?
動いたら俺倒れるパターンだよな?」
マッチョな盗賊も、お決まりのパターンを
わかっているらしい。
しかし、体に異常はない?
頭にはあるみたいだけど…。
「次、どんどん行くぜ!」
ルヴィネは他の盗賊に向かって、
走り出した。
スパッ!スパッ!スパッ!スパッ!
ルヴィネの剣は空を斬るばかりで
盗賊達にはノーダメージ。
「ちょっと!これどこ斬ったの!?
斬った場所だけ教えて!
心の準備が!ちょっと!
ごめんって!さっきは教育とか
言ってごめんって!」
さっきのマッチョな盗賊が
どこを斬られたのか心配して動かない…
ヘタレすぎでしょ…
その方が助かるけど……。
スパッ!スパッ!スパッ!
「なんだこいつ、化け物みたいに速いが
さっきから空振りばっかりだぜ?」
盗賊達は全員無傷のようだ
マッチョの精神以外。
「104人目っと、よっしゃ!私の勝ちね」
ルヴィネが立ち止まり
ドヤ顔で盗賊達を見る。
「何言ってんだこのクソガキぃ!」
盗賊達がルヴィネに襲いかかる。
次の瞬間ルヴィネは
私の魔法装備の籠手を天にかざした。
「変身!」
ルヴィネの鎧が
魔法スタイルに変わる。
そんな変身って叫ばなくても……。
「予想が外れちゃったぜ…
3分って言ったのによ……。」
ルヴィネが籠手をつけた左手を
盗賊達に向け魔法を発動する。
「30秒で終わっちまったぜ!」
次の瞬間……。
盗賊達が全員お互いに1番近い仲間と
キスをしている……
気持ちが悪い……
まさか私の魔法を
こんな使い方するなんて……。
私の魔法は、対象物と対象物を
強力な磁石のように引っ付ける。
対象物は自分が変形させた物、
つまり、傷をつけたり凹ましたり
した物同士を引っ付ける魔法。
ルヴィネは多分
この30秒程の時間で104人の盗賊達の
唇か何かを斬ったんだ。
しかも全員血が出てない。
ほんの薄皮唇を斬るか
もしくは、前歯とかを薄く斬ったんだろう。
とんでもない化け物だわ……。
ちなみにさっきのマッチョが
割とガチなキスをおっさん同士でしている。
こいつもとんでもない化け物だわ……。
「お、お頭ぁ〜俺、実はお頭の事…
ぶちゅぶちゅ。」
「やめんか貴様ぁ!ワイにそっちの
趣味はない!ぶちゅぶちゅ。」
気持ち悪いおっさんの絡みだわ…。
「えーと、マッチョ君と
濃密なキスをしている
おっさんがリーダーだよな?
他の盗賊達の居場所知ってたら教えて
どうせどっかで繋がってんでしょ。」
「冒険者などに教えられるか!
ぶちゅぶちゅ。」
「じゃあ、吐くまで拷問させてもらうぜ!」
スパパパパパッ!!
ルヴィネは剣を抜き
お頭に斬撃ラッシュを浴びせる。
お頭自身は無傷だが
服のところどころに切り目がついた。
「魔法発動!」
「ぐあっ引き寄せられる!」
ぶちゅぶちゅぶちゅぶちゅぶちゅぶちゅぶちゅぶちゅぶちゅぶちゅぶちゅ!!
数十人の盗賊がお頭に向かって
引き寄せられ
お頭に強制キスをさせられる。
「や、やめんか貴様らぁ!!
気持ち悪い!!
あっ♡そこだけは!」
「他の盗賊の場所教えてくれる?」
「わかった!教える!!
だからこいつらを
なんとかしてくれ!あ♡あ〜♡」
「OK」
ルヴィネは魔法を解き、盗賊達を解放する。
マッチョがまだお頭にくっついてるけど…。
「ここから東に5km先に1つ
西に8km先に2つ
南に20km先に4つある…
それ以外には知らん。」
「おお!結構あるんだな!
ありがとうおっさん!
じゃあ、後で迎えに来るから
ここで待っといてくれ。」
ルヴィネがまた魔法を発動する。
ペタッペタッペタッペタッペタッペタッペタッペタッペタッペタッペタッペタッ
盗賊達が一斉に岩の壁に背中から貼りつく。
背中の薄皮も斬っていたのか…
さらに岩の壁にも傷をつけてたなんて…
本当になんて子なの……。
「ほら、キャメミールの魔法
私の言った通り強いだろ?」
ルヴィネが私にニコニコしながら言った。
「これルヴィネにしか出来なくない?」
私は正確なツッコミを入れた。
次回から、
お頭とマッチョの恋物語になります。
(嘘)




