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23話 おかわりだぁ!


「みのたんっていいよなー」


僕が村に住んでから3週間目。

今話しかけて来たのは、

村で仲良くなった友人の

「ハーハゲ」という名の少年だ。

歳はルヴィネと同い歳の

スキンヘッドでイカした少年だ。

村で仲良くなった友人は

他にもいるが、ハーハゲは

わざわざ牧場に来てまで

僕に会いに来てくれる。


「何が?」


僕は牧場の仕事をしながら、言った。

レムタスさんは、馬車で町に

家畜を売り込みに行って留守だ。

さすがに町までついて行く事は

騒ぎになるから出来ない。

ただ、馬が老馬なので

帰りは、僕が馬車を引くから

約束の時間に迎えに行く予定だ。


「お前ルヴィネの彼氏だろ?

いいよな〜…俺なんか何度告白しても

振られまくってよ〜

やっぱりあれか?髪の毛か?

毛がある方がいいのか?」


ハーハゲは、自分の頭をキュッキュッと

撫でながら言った。

まるで磨きたての水晶玉の様な輝きだ。


「なんか、変な噂が流れてるけど、

僕はルヴィネの

恋人なんかじゃないよ?」


村中の人が毎日の様に、

聞いて来るから、もう慣れてしまった。


「お前ルヴィネの事、

好きじゃないのか?」


「大好きです…」


本当は、今すぐレムタスさんに

ついて行って町でルヴィネを

探しに行きたくて仕方がない。


「お前どうやって告って、

ルヴィネちゃんのハートを、

掴み取ったんだ?」


「告白なんかしてないよ。

最初に出会った時に、言葉が

喋れなかったから、本を見せたけど…

まだ、文字が一部しか読めないから、

どんな内容かまだわからないけど」


「これか?」


ハーハゲは頭を光らせながら、

あの時の本を出してきた。

僕の馬小屋に置いていたんだけど、

勝手に入らないでほしいな……。

ルヴィネに作った服とかが、

20着くらいあるから…。


「で、どの部分見せたんだよ?」


「えーと、この辺かな?」


僕は1番最初に、ルヴィネに見せた、

ページをめくり指を指した。


「……………ブッ!」


ハーハゲが笑いをこらえきれずに、

吹き出した。


「ちょっと!どういう意味なの!

教えてよ!ハーハゲ!」


「いや、知らない方がおも…

知らない方がいい…。

お前には、勝てねぇわw」


今、面白いっていいかけたような?


「いっけねぇ!もうこんな時間だ!

じゃあな!みのたん!」


「ちょ!ちょっと!」


ハーハゲは、笑いをこらえながら、

牧場を出て行った。

あの意味が気になって仕方がない…。


僕は仕事が終わってから

アミネラさんのところに行った。


「あら〜♡

みのたん君いらっしゃい♡ 」


アミネラさんがエクルム君を

抱っこしながら出てきた。


「アミネラさんにセーターを

作ってみたんですが

よかったら受け取ってください。

毎日いろいろ

教えてもらっているのに

何もお礼出来てないので…

つまらないものですが。」


そう言って僕は、アミネラさんに

手作りのセーターを渡した。


「あら〜♡みのたん君♡

編み物上手になったわね♡

早速着てみたいから、

少〜しだけ♡

エクルム君を頼めるかしら?♡」


そう言ってアミネラさんは、

エクルム君を僕の手の中に預けて

その場で元々着ていた服の上から

セーターを着るつもりみたいだ。


エクルム君は、僕を見てきゃっきゃと

喜んでいる。

アミネラさんは、

たまにエクルム君を僕に預ける。

最近慣れて来たから

ある程度、子守も出来るようになった。


「お待たせ〜♡

暖かいわ〜♡ありがとうねぇ〜♡」


アミネラさんが僕の作った、

セーターを着てくれた。


ルヴィネ…?

一瞬アミネラさんがルヴィネに見えた。

アミネラさんは、綺麗な長い金髪で

結構ルヴィネに似ている…

いや、ルヴィネが似てるんだろうけど

ルヴィネとアミネラさんが、

2人で並んだら姉妹にしか

見えないだろう…。


ルヴィネが僕の作った

セーターを着てくれたら今、目の前にいる

アミネラさんのような

可愛いらしい女性に見えるだろうな

と妄想する。

アミネラさんに似合うなら

ルヴィネにも似合うに決まってる

2人共姉妹のように、似てるんだから。


しばらくアミネラさんに

見惚れてしまった…。


っと危ない危ない…アミネラさんに

もう1つ用があるんだった。


「アミネラさん僕、文字がまだ

読めないんですが、

これなんて意味ですか?」


僕は、ルヴィネと最初に会った時の

本の文字をアミネラさんに見せた。


「あらあらあらー♡

とーても♡ロマンチックな

言葉よ♡」


ロマンチックな言葉?

一体なんなんだろうか…?



「貴様ぁー!ワシの娘だけでなく!

妻にまで手を出す気かぁー!

許さん!」


マロニムさんが顔を赤くしながら

家の中から出て来た。

理由は、わからないが

また怒っているようだ。


だか、やっと3週間ぶりに

会えたんだ、今がチャンス!


「アミネラさん、マロニムさんを

少しお借りして、

よろしいでしょうか?」


「ええ♡いいわよ♡

好きなだけ持って行きなさい♡」


好きなだけってマロニムさんは、

1人しか居ないんだが……。


「すいませんマロニムさん!

強引ですが、ついて来てください!」


「何だ!何をする!?」


僕は無理やりマロニムさんを

お姫様抱っこして牧場まで連行した。


「貴様ぁ!許さんぞ!

ワシをお姫様抱っこするなんて!

何て事しやがる!

村で変な噂が流れたら、

どうするつもりだ!」


ちょっと言ってる意味が

一部わからないが…。


僕は、マロニムさんの前に

さっき作っておいた料理を並べた。


「何のつもりだ!

ワシを毒殺しようって魂胆か!?」


「マロニムさん、僕はずっとあなたに

謝りたかった…僕の人間の知識が

足りないせいで、誤解を生んで

しまいました。

僕は、ルヴィネの恋人なんか

大それた者じゃ、ありません…。

本当に申し訳ありませんでした!」


「許さん。」


許してもらえなかったが、

そのまま続ける。


「ただ…僕は…ルヴィネや

アミネラさんにレムタスさん……

この村の人々から、いろいろな事を

教わりました……。」


「ワシをお姫様抱っこする事もか!?」


「いや、それは教わってません。」


さらに空気がぶち壊れたが

そのまま続ける。


「牧場の家畜の世話だって……

料理だって…編み物に子守……。

いろいろな事が

出来るようになりました。

人間のように…

体は、どう頑張っても魔物ですが…

もう、心は人間です!

いや、ただ人間の

マネをしているだけかも

しれませんが…僕はただの魔物に

戻るつもりは、ありません!

だからせめて…ルヴィネの…

ルヴィネの友達で、居続ける事を

お許しください!」


「……………。」


マロニムさんは、黙って僕を見て

ゆっくりと僕が用意した料理を食べた。


「美味い……」


「ほ、本当ですか!」


マロニムさんが僕の料理を…

美味いと言ってくれた!


「だが!許さんんん!」


え?何で!?


「貴様ぁ!こんな美味い料理を

作ったら!娘がワシの事より

貴様の事を好きになってしまうでは

ないかぁ!

ワシより娘の好感度が、

高くなる可能性がある奴は、許さんんん!

それに万が一、娘が貴様に惚れて

結婚するとか言い出したらどうする!

許さん!許さんぞぉ!

あと、おかわりだぁぁぁ!」


「そ、そんな…ルヴィネが

僕なんかの事を好きになるわけ、

ないじゃないですかー。」


僕はマロニムさんに、

おかわりを渡しながら言った。


「アッハッハッハ!

それもそうだな!

貴様に我が愛しの娘が、

惚れるわけないよなぁー

アハハハハハ!」


「そうですよ!あははは!」


「ガッハッハッハ!」


「ははは…は…」



「それで我が愛しの妻!アミネラに、

ターゲットを変更したのか!

このゲスめがぁぁぁぁぁ!

許さんぞぉ!おかわりだぁぁ!」


「そっそんな事無いですよー!?」


僕はまた、マロニムさんに

おかわりを注ぎながら言った。


「汚い奴めがぁ!

この美味い料理で俺の気を許して

妻と娘をかっさらう気だなぁ!

そうはさせんぞ!

料理は食うがなぁ!」


うぁぁぁぁ!なんかこの人ヤバい!?

何とかして、誤解を解く方法は

無いだろうか!?

周りを見渡してみる…。

視界の端に時計が入った………あ、

時計は、昼の3時を指している。


「うぁぁぁぁ!レムタスさんとの

約束の時間に遅れるー!!

マロニムさんごめんなさい!

誤解は、また今度話しますんで!」


僕は全力ダッシュで、

レムタスさんとの待ち合わせ場所に、

走った。


「待てぇい!話はまだ終わっとらん!

それにもう一杯おかわりだぁぁ!」


マロニムさんが、追いかけて来たが

無視した。

ごめんなさい!マロニムさん!



約束の場所に着いた…。

山道ですぐ横に、高さ7mくらいの

崖があるから心配だ…

落ちてなかったらいいのだが…

下を覗いてみる……。


……!!!??


レムタスさんの馬車が下に落ちている!

馬は即死みたいだ…。


そして壊れた馬車から数m離れた場所に

レムタスさんと

山賊の集団が30人くらいいる!

ちょうど、レムタスさんが

1人の山賊に斬りかかられていた!



ドガッ!



僕は猛スピードで崖から飛び降り

そのままその山賊を死なないくらいに

蹴り飛ばした。


仲間の山賊がびっくりしながら

僕を見た。


「何だこいつ!?

ミ、ミノタウロス!?」


「慌てるな!全員でかかれば

なんとかなる!」


山賊達は、武器を構えた。

どうやら僕を見ても逃げる気は無いようだ。


「サ、サンキュー…みのたん…。

助かったぜ…。」


レムタスさんは、左肩を浅く切られて

いるが、致命傷は負ってないようだ。


「レムタスさん!

ここで待っといてください!

すぐ片付けます!」


「何だ!このミノタウロス!

喋ったぞ!」


山賊達が驚いた。



スタッ!


僕の背中から何かが地面に足をつけた。


「マロニムさん!どうしてここに!?」


「なめるなよ!ワシは

レニウム冒険者だ!」


多分、僕の背中に

くっついて来たんだろう。


「ルヴィネとアミネラの事は、

あとにしてやる!

あの山賊達の右から2番目の奴は、

ワシがやる……。

あとの雑魚は、任せたぞ!」


「はい!」


僕は、勢いよく返事をしたものの…

右から2番目の奴が、

1番弱そうな気がするのは、

気のせいだろうか………?


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