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15話 語尾もちん


「うん私も頑張るよ、みのたん…

みのたん…大好きだよ…」


なぜ昨日私はあんな事、恥ずかしげもなく

言ってしまったのだろう…

その場のノリと言うものは恐ろしい…

あー!今思い出したらめちゃくちゃ

恥ずかしい!うあぁぁぁぁー!

私はダッシュで町へと向かう。


あのあとみのたんが寝てしまったので

家に帰り1年ぶりに

自分のベッドで寝た。

もし、おじさんにみのたんと

寝てるところを見られたら

変な勘違いをされてしまう。


朝早くに起きて

そのまま町に出発する。

道中で獣か魔物を

狩って飯をすませながら、

ダッシュで町へと向かう。

村から町まで約10キロ。

みのたんとの修行の成果で

スタミナとスピードが上がったので

そんなに速く走ったつもりは

なかったが20分ほどで町に着いた。


1年ぶりの町…14歳の時に

胸躍らせながら足を踏み入れた事を

思い出す。あの時の私の目標は

今、町に足を再び踏み入れている

私の目標とは違う。

あの時の私にはなかった。

大事な人が、今の私には居るから…

上位冒険者になって

お金をいっぱい稼いで

幸せな家庭を作る。


ついでに父の様になりたいとは

もう思わなくなった。

今思い出しても腹が立つので

あのクソ親父を超えてやる!

娘に抜かされて悔しがるがいい!

くくく…。


とりあえず、今日の目標は

ランキング更新で

チタン《10000位以上》にはなりたい。

1年間も修行したんだ。

そのくらいは行かなくては、

幸せな家庭を作る事も

クソ親父を超える事も夢のまた夢。

町の中心部にある冒険者ギルドに

入り受付に行く。


「おはようございます!

冒険石をご提示ください」


受付の綺麗なお姉さんが言った。

冒険者石とは、冒険者登録する時に

作ってもらえる魔法石で

持ち主の個人情報、

今まで達成した依頼や

順位が記録されている。

称号を貰えば、

それぞれの称号の色になり

順位は常に石に表示されている。


私は鎧の鎖帷子部分を支える。

首輪にある。

冒険石をはめるように設計された

くぼみから冒険石を取り出し、

お姉さんに渡す。

よく見たら、

私の冒険石は25638位から下り

25841位になっていた。

ちなみにランキングを上げる時は、

受付で更新しないと上がらないが、

下がる時は、自動的に更新される。

順位が下がった分だけ、

新しい冒険者が増えたって事か。


お姉さんは石を魔法道具の上に

はめ込み、私の冒険者データを見る。

まっさらだけど。

なんだか綺麗なお姉さんに

自分のデータを覗き込まれてると

思うと、一瞬やらしい事を

考えてしまった。


ダメよ〜私が心に決めた人は

みのたんだけなんだからー!

昨日の夜のテンションが頭から

抜けきってないようだ。


「お名前はルヴィネ様で

よろしいですね?

…去年の今頃あたりに

冒険者登録をされて

それから更新に来てないようですが

1年間何をされていましたか?」


「あ、えーとですね…

1年間、駆け出しの森で

特訓してました…」


その瞬間お姉さんが、プッと笑って

すぐに笑いをこらえた。

周りの冒険者達もニヤニヤこっちを見て

笑っている。

お姉さんは可愛いから許す。


「では、今回はどういったご用件で

お越しいただけましたか?」


さすがプロ、お姉さんは

接客の笑顔で言った。


「戦闘力テストを

申し込みたいんですが…」


「はい、わかりました

では今から30分後のご予約に

なりますので、また30分後に

お越しください。」


私は受付を離れ

ギルド内のランキング表や

依頼の募集を見て回った。

周りの冒険者達の目線が気になる。

ニヤニヤしながら、ほとんどの

冒険者が私を見ている。


「おい、あの子娘、駆け出しの森に

1年もいたらしいぜ…」


「どうせ、1年何もしなかったのに

更新に来て、何もしてなかったって

言いにくいから森にいたって

嘘ついたんだろ」


「俺結構好みだぜ…」


「俺も!いいよな!ウチのパーティーに

誘おうぜ!」


「止めとけ、顔がいいだけの置物だぞ」


他の冒険者達のひそひそ声が腹立つ

てか普通に聞こえてるから

ひそひそ声になってない…。


「ルヴィネちゃんだっけ?

俺らのパーティーに入んない?」


20代前半の男2人組みの冒険者が

話しかけて来た。

片方はそこそこイケメンの

平均的な体型。

もう片方はぽっちゃり系男子

体脂肪率は80%くらいか?

私はその2人を睨んだ。


「いや、ごめんごめん

さっき受付で名前聞いたからさ。

俺たちも半年前から冒険者始めて

ランキングは2人とも10300位代でさ

これから戦闘力テストを受けて

チタンくらいまでには上げる

つもりなんだけどさ、

俺たちと組んだら君の順位関係なく

チタンクラスの依頼が受けられるぜ

俺たちも人手が欲しくてよ。

悪い話じゃないだろ?」


そこそこイケメンの方が

ベラベラ喋ってきた。


依頼を受ける条件のほとんどは

その難易度に合った称号を持つ者、

もしくは、難易度に合った称号を

持つ者2人以上とパーティーを組む事。

報酬は順位に関係なく同じだけ貰える。


順位が下の戦力外の冒険者が

順位が上の冒険者と組む時、

だいたいは順位が下の冒険者が

荷物運びや飛び道具で援護やら

魔物を誘き寄せる囮などなどして

利害の一致をしている。

悪くない話ではある。

ただ、この2人が今からちゃんと

チタンに上がれる保証はないが…


もし、チタンの依頼を

一緒に受けれるなら、

私の目標の1つには

近道といえば近道だ。

ソロの何倍も効率よく

稼げるだろう。


しかし、あのクソ親父を超えるという

目標には遠ざかる。

戦闘をほとんどしない冒険なんか

していて実力が上がるはずがない。


………………


「OKあんたらのパーティーに入るぜ」



まずは、稼ぐ事。

実力は後からでも磨ける。

一旦変なプライドは、捨てておこう。

もし、こいつらがチタンにならなくても

ソロより効率がいいのに変わりはない。

周りの様子を見る限り、

私と組んでくれそうな冒険者も

この2人以外いないだろう。


「本当か!俺の名前はフォマム!

よろしくな!」


そこそこイケメンは、フォマム…

記憶しなくては…


「僕ちんの名前はデブーチ

よろちくりん…」


デブーチ君は、記憶しなくても

頭の中にオートセーブされるな…


「よ、よろしく…」


私はチラチラとデブーチ君の

お腹に目をやりながら挨拶した。


「フォマム様ー

戦闘力テストの準備が出来ましたー

第1テストルームまで

お越しください」


フォマムの冒険石から声が聞こえた。

そんな機能があったとは、

声は受付のお姉さん。

お姉さん忙しそうだなー。


「俺の番が来たぜ!

行ってくる!」


フォマムはギルド内の受付の右にある

テストルームの入り口に入って行った。


…………………


え?私デブーチ君としばらく

2人っきり?気まずい…。


「デブーチ様ー

戦闘力テストの準備が出来ましたー

第2テストルームまで

お越しください」


「あぁ〜僕ちんの番だちん」


え?語尾も「ちん」なの⁉︎

でも助かった…。

デブーチ君は左右にお腹を揺らしながら

受付の左にある

テストルームの入り口に入って行った。


それからしばらくして…


「ルヴィネ様ー

戦闘力テストの準備が出来ましたー

第3テストルームまで

お越しください」


よっしゃ!やっと私の番だ!

私は第1テストルームのさらに右にある

第3テストルームに入って行った。

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