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prologue
太古の昔、人々は恐怖と死を味わった。
死よりも恐ろしい脅威。
恐怖すら生温い忌避感。
まるで人の負の部分を凝縮した様な人外の魔。
人々はそれを『災禍』と呼び、恐れの象徴とした。
災禍は人々に恐怖を与え、死を与え、怒りを与え、悲しみを与え、絶望を与えた。
『災禍』には敵わない。
そう諦めかけていた人々を奮い立たせた者達がいた。
彼等は人々を先導し、災禍を見事討ち果たした。
こうして災禍の危機は去ったのである。
しかし、それはまだ序章でしかなかった。