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勇者とチートとスライム使い  作者: 家人
序章 異世界へ旅立とう
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第一話 プロローグの中のプロローグ

よっしゃー小説を書こう!今日中に書いてしまおう!

そう思ってから早一か月・・・。


頑張って連載するんでよろしく!

「はぁっはぁっ・・・だれか、誰か助けて」



暗い夜道の中、少女が助けを求めているような声が聞こえる。まぎれもない自分の声だ。だが、周りには人っこ一人おらず、助けは来そうにない。

今、僕は追われている。

後ろから追ってくるのは5人の男達。

何とかまだ捕まっていないものの、僕の息は上がっていて今にも倒れそうだ。なのに後ろの男達からは大きな息の乱れは感じられず、それどころか逃げる僕を嘲るような笑い声さえ聞こえてくる。



男達は町の中でも有名な不良グループだ。

この町は比較的治安のいい方なのだけど、それでもこういった悪い要素は必ずどこかにあるもので、彼らの存在は唯一この町の治安を悪くしている要因であるといっても過言じゃない。

今逃げているこの道は、彼らがいつもたむろしている場所として有名なのだ。だからいつもはここを通らない様に心がけているのだけど、今日は事情があり通らざるを得なかった。



(何とかして逃げ切らないと・・・。本当はこんな道通りたくなかったのに・・・。やばい、もうほとんど距離が・・・これ以上速くはもうっ・・・あっ)



ついに不良たちに追いつかれ、手を掴まれてしまった。

身をよじってその手から逃れようとするが、不良の手はでかくがっちりと掴まえられていて抜け出せそうにもない。

助けがないかと周りを見渡すが、夜も遅くいつも人通りの少ないこの道に人がいるはずもなかった。



「離して・・・」



恐怖で泣きそうになりながらも小声で訴えたが、不良はそれには応じずむしろ調子に乗ったように言葉を返す。



「なあ、嬢ちゃん。そんなに邪険に扱わなくてもいいじゃねぇか。ちょっと俺たちにかまってくれよ。」



すると周りの不良たちも次々と声をかけてくる。



「怖がらなくったていいんだぜ。」

「どうせ助けなんかこねぇよ。ここらは人通りもすくねぇからなぁー」

「そうだぜ。おとなしくするんだったら、痛い思いもしなくてすむぞ?」



そんな言葉を聞いて、なんとか助けを求めるため大声で叫ぼうと息を吸ったところで今まで傍観していた男に口を押えられ、お腹を殴り付けられる。

今まで感じたこともないような痛みがお腹を襲う。



(ああぁぁああ、いたいよ・・・・助けて、早く助けて)



「おとなしくしていろ。」

「お前、平知さんの手をわずらわせるんじゃねぇ」

「またさっきみたいに喚こうとしたらもっと痛い目にあわせるぞっ!!」

「よけいなことをされる前にもうささっと犯してしまいましょうよ、平知さん。」



そう言って不良の一人が服を脱がそうと手をかけてくる。恐怖のあまり目をつむって、もうダメだと諦めかけたその時、急に僕と不良との間に気配が感じられた。

不思議に思ってゆっくりと目を開けると、良との間に割り込むように一つの人影が見える。

170cm後半くらいの身長の少年である。



「おい、お前達!何をしているんだ?その娘が嫌がっているじゃないか。離してやれ!」



僕は待ち望んでいた助けが来たことを理解し、同時に安堵を覚えた。

少年に助けを求めるため声をあげようとしたが、先ほどまでの恐怖のせいか声が出ない。



「ああん?お前、何様のつもりだぁ?」

「部外者はすっこんでろよ。痛い目にあわないうちにな。」

「うるせぇ野郎だな!!死ねよ」

 

  

不良達は口々に脅し文句を少年に向かって吐きかける。と、そのうちの一人が少年に向かって殴りかかっていった。

不良のパンチが少年の顔にあたると思った瞬間、少年はその腕を受け流しつつ掴み、そのまま引っ張って不良の体勢を崩す。不良もなんとか踏ん張ろうとするが、その瞬間不良の顔に少年の右手が飛んだ。


バキィッ!!


少年の手が顔にぶつかったと同時に何かが折れたような音が聞こえてくる。

気が付くと不良はうしろに吹き飛んでおり、倒れたままピクリとも動かない。



「なっ、何をしやがった!!」

「きさま~」



一瞬で型がつくと思っていたの不良達は、逆に一瞬で仲間がやられてしまったことに怒りと警戒心を露わにしている。そんな不良達に向かって少年は言う。



「今すぐにその娘を置いて立ち去れ!!そうすれば見逃してやる。さもなければお前たちもそいつと同じように寝てもらう!」



少年の言葉は勧告のために発したものなのだろうが、明らかに不良達にとっては挑発にしか聞こえないだろう。



「うるせー野郎だ!倒れるのはてめぇだよ!」

「こっちはまだ4人いるんだ。いくらお前が強くても一斉にかかれば怖くねーぜ」



平知と呼ばれた僕を掴んでいる男を除いた残りの三人が少年に向かって挑みかかる。

同時に少年は一番近くに居た不良の方へ向かって走り出した。不良もそれに対して殴りかかろうとするが、少年があまりに速いのだろう、僕の目から見てもワンテンポ遅れている。そこへ少年のアッパーが顎に決まり不良は倒れた。

でも、すぐ左右から二人が迫っている。



「オラァ!!」

「死ね!」



左右からの同時攻撃が少年を襲う。右からは蹴りが、左からは拳が飛んできており、避けられる隙はなさそうに見える。唯一の隙である前方にも先ほど倒した不良が転がっていて逃げられないだろう。

少年のピンチに思わず息をのんでしまう。


次の瞬間、少年は左右の攻撃を片手づつで受け止めていた。かと思うとそのまま二人を蹴り倒してしまった。

少年のあまりの強さに感嘆していると、急に横から引き寄せられる。と同時に首に何か光るものが押し合てられる。どう見てもナイフのようにしか見えない。助けが来て安堵しきっていた体が再び恐怖で硬直する。

僕はなんとか暴れて逃げようとしたけれど、体がうまく動かない。




「おい、てめえ。調子に乗んのもそこまでだ。一歩でも動いてみろ、こいつがどうなってもしらねぇぞ」


「卑怯だぞ!!そんなことしていいと思ってるのかっ!」


「卑怯も糞もねぇんだよ。おめえだけはぶっ殺す」



不良は僕の髪を引っ張りながら少年の方に向かう。僕も何とか抵抗しようとするが、筋肉量の差かまったく相手にならない。

あっという間に少年のところまでたどり着いてしまった。そのまま不良が少年を蹴ろうとしたその時、



「何してんだ?平知」



後ろの方から急に声が聞こえてきた。

それに対して不良が反応する。



「あ゛?誰だぁ・・・って、小岩井さん!ちょうど良かった、今この勇者気取りの勘違い野郎をぶっ殺そうと思ってたんです。この娘を預かっといてくれないですか?」



後ろを振り返って見てみると、そこには2mに迫ろうかというほどの大男が立っている。



「ああ。いいぞ。ただし、ぶっ殺されるのはお前だけどな。」


「は?なん…グァッ!!」


「なんでだろうなぁ、平知?それはな、お前が最近ちょっと調子に乗ってて、余りにやりたい放題し過ぎたってことだ。」



ドカッ



そう言うと小岩井と呼ばれた大男は平知の頭を蹴りあげ、一発で意識を刈り取った。



と、ここで大男(小岩井)が僕と少年の方を向く。その大きく引き締まった身体と怒りの収まらない顔つきが威圧感をあたえてくる。

大男(小岩井)は急に口許をにやつかせ、こちらに話し掛けてきた。



「ミッションコンプリートだ、お前ら。無事、馬鹿な奴らは伸したし、強姦未遂の記録映像もバッチリだ。」



それに少年が答える。



「ちゃんと途中で録画切ってるかい?僕の暴力シーンが映ってたら台無しだよ?映ってたら消すのは面倒だし、下手をすると警察に復元とかされるかもしれないからね。」


「大丈夫なはずだ。後で確認はするがな。」



そう、この一連の流れは町から不良にいなくなってもらうための作戦なのだ。彼らが犯罪を犯した証拠を確保し、警察に渡す。ついでに不良勢力からも追い出して帰る場所をなくすらしい。もちろん、これで完全に彼らが町から排除されるわけではないが、他の諸々の証拠と合わせて警察に提出すれば、そう簡単には戻ってこれないらしい。



そして、これを実行した僕たち3人は友達同士だ。

まず、少年の名前は、伊勢修哉君。

僕の通う相績高校の生徒会長にして、剣道部のキャプテン、しかもイケメンで成績優秀。どこの主人公だってかんじだよっ!!!


次に、大男、小岩井千歳君。

身長2m弱、体重130kgの大男だ。はっきり言って怖い。

彼はこの町の不良グループの番長的な存在だ。彼が主人公になれるのは範馬〇牙シリーズくらいなもんだろう。


そして僕こと津村水華。

上の二人と違ってそんな大層な特徴の無い一般人だ。

しいて言うとするなら…



「伊勢君、小岩井君、助けに来るのが遅いよ!全然来ないから怖かったじゃないか

あと伊勢君、娘ってなんだよ、娘って。僕は男だー!!」


「はっはっは。そんなカッコで言われてもな。なあ、千歳?」


「まあ、なんだ、似合ってんぞ」


「こ、小岩井君までっ!このかっこは二人が無理やり着せたからでしょっ!?」


「ククッ。いや、作戦には女性が必要だったんだからしょうがないだろう?まさか本物を襲わせるわけにもいかないし。」


「そ、それはそうだけど」



…そう、ぼくは人より少し、ほんの少しだけ、じょs…中性的な顔つきと体をしているのだ。そして、現在女性服を着ている位だ……。






そんなこんなで軽口を叩きあいながら家に帰ろうかと思った矢先、急に足元から眩い光が放たれ始める。

光はゲームで見るような複雑な幾何学模様だ。

僕の脳の中で最大限の警鐘が鳴り響く。でも、あまりに急な出来事に体が言うことを聞かない。



「「水華、逃げろー!」」



そういいながら、二人が僕のことを光の外まで突き飛ばす。と、同時に二人が目の前から消えた。



「小岩井君、伊勢君!!」



二人が消えて、僕だけ助かった。

と、そこで気付く。


まだ目が眩しいことに。


下を見るとさっきは無かったはずの模様が…

咄嗟に駈け出そうとしたところで、僕は気を失った。




2話目は一週間後くらいには投稿できたら・・・

まあ、出来上がり次第投稿します。

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