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忠義
北天に輝く星、北辰(北極星)。その不動の主を、片時も離れず守る星がある。 北斗七星・・北の守護神、毘沙門天を象徴するこの星こそ、生涯を通じて決して揺るがぬ主従の道を貫き通した、ひとりの武将の星でもある。その武将がいる、その名は、 赤松 直操
時をさかのぼり、1412年、播磨平野の中でも、珍しい谷あいの里小谷 (こだに) 小六(直操の幼名)は、小谷城で赤松義則の二男として、生まれた。
「わたしは、よを安泰させるために、天下をとりとうございます。こんなとこには、きたくはなっかた」
と陽松寺で親方【赤松則村】に立ち向かう、小六が言った。
寺の中は一触即発の空気が流れていた。