7度目の目覚め①
練習作です
「あれ・・・?」
目覚めれば、暗闇
自分がどこにいるのかも把握できないほどの黒
ただ、自分が寝ているというのは感覚でわかった
視線を動かすが何も見えないので、何度か瞬きを繰り返してみる
暗闇に慣れてきたのか視界が少しハッキリしてきた
「ボクの部屋、だな。多分」
妙に高めの声に違和感を覚えたが、見知った部屋にいることで安心する
しかし、自分はどうして寝ているのだろう
寝る前は何をしていたのか、まったく思い出せない
本当に何をしてたんだっけ?
深く考えると頭の中でチクリとした痛みが走る
原因は何なのかも分からないので、一旦考えるのをやめる
さて、起きてみないとならないなと身体に力をいれるが反応しない
「なんだ?手も足も動かない、まるで地面に押さえつけられてるみたいだ」
気ばかり焦るが一向に反応してくれない、本当に困る
身を捩ろうとしても動けない、唯一動くのは首だけのようだ
なので状況確認のため左右に回してみる、下には向けないようで諦める
左側に視線を向けたとき、暗闇の中でもはっきり見えるものがあった
「やあ、いたのかい」
「ええ、控えておりましたよ」
よびかければ、はっきりとした声で答える者が一人立っていた
◆
「それで、ボクは何で寝てるんだっけ?」
凛とした姿勢で立っている女性に尋ねる、ついでにじっと観察する
メイドのお姉さんだ、どこからどうみても隙無しのメイドさんがいる
「転生、したのでございますよ」
ちょっと冷たく言われてしまった、少しゾクゾクした
「え?転生だって!?ということは失敗したのかい?」
「はい、都合6回目の失敗です」
それを聴いて、思わずうめき声をあげてしまった
「でさ、今の状況は?ボクはなんで動けない?ついでにあれから何年たってる?」
「一つづつお答えします、まず前回より約一千年すぎております。
更に、6度目の再世の為に世界の融和はほぼ完璧に済んでおります。
それから・・・・・・」
「それから?」
「あなたの姿は、こうなってます」
そう言って彼女はどこからか大きな姿見を出す
視線を合わせた先には、ひ弱そうで可憐な少女の姿が
「なんだぁ、コレ!!」
大きな声を出せば甲高い、どうやら冗談ではないようだ
叫んだ拍子に上半身も勢いづいて跳ね上がった
ゴンと、いい音がする。跳ね上がるついでに鏡へ頭突きまでしてしまった
「いったぁ、夢じゃあないんだな?」
「はい。現実ですよ」
ニコニコしながらメイドさんが言う、何でそんな嬉しそうなんだよ
「もっと詳しく説明してくれないか?フラウナイト」
「ええ、ユキノ様」
よく、理解は出来てないがどうもボクは七回目の生を受けたようだ
話を作るのは難しいものです