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車中動乱


―――1月5日 午前11時


夜も眠れず朝早くから女性陣たち。

当然、男子と旅行なんて初めてなので色々かかったのである。

女の子には色々あるらしいよ。

「おはようございます」

「「「「おはよう(ございます)、圭(くん、先輩)」」」」

午前11時丁度、圭が駅へとやってきた。

最初に真理を見つけて近づこうとして行った時、他の全員もいて少し圭は驚いていたらしい。

「で、何時の電車に乗るんですか、真理先輩?」

圭は真理に電車の時刻について尋ねた。

すると真理は手を顎のあたりにもっていき、考える体勢を取った。あまり意味はないと思われる。

「えぇと、今は11時ですから……11時10分の列車に乗りましょう」

「じゃあ、ホームに行きましょうか」

霙の一言にみんなが応じて、歩き出す。

流石は生徒会長のカリスマ。

「忘れものとかはないですよね?」

「特にないんじゃない?」

真理の質問にそう答えて、霙がみんなで目線を配らせ、確認をとる。

全員忘れ物はなかったようである。

楽しみにしてたんだから、そりゃそうだろう。って思うけど、意外と忘れたりするもんなんです。

忘れ物確認をしてからほぼすぐに軽井沢行きの列車が到着した。

ちなみに鎌倉家の計らいにより1両貸し切りですよ。

「じゃあこの辺に座りましょうか」

出口がそれなりに近いところに座り、荷物を置く。

「凄くいい景色ね」

「そうですね」

旅行の醍醐味は行きの電車にあるとかどうとか言うように、みんな景色を楽しんでいる。

でもそうでない人もいるようで……。

「どうしたんですか、心ちゃん?」

「い、いえ……。決して圭くんの隣に座りたかったなぁとか思ったわけじゃなくて!」

「心ちゃんは分かりやすいですねー」

座る席はくじで決めたのだが、圭の隣には真理、霙の隣に蜜柑、そして心は1人。

ちなみに圭の隣に真理も座りたかったので、くじに細工をしたとかそんなことはない。

ないったらない。

「せっかくだから、みんなでトランプでもしません?」

真理のトランプをしようという提案に反対意見を述べるものはおらず、

トランプをすることになった。種目は罰ゲーム付きのポーカー。

「フォーカードですね」

「残念、ブタね」

「ワンペアです」

「ツーペアです」

「私もブタです」

上から真理、霙、圭、心、蜜柑。

まずは最初のゲームを真理がフォーカードで制した。

普通は中々出るものでは無いのだが、そこは真理の強運のなせる技というものだ。

「ワンペアです」

「フラッシュね」

「スリーカードです」

「フルハウスでした」

「ストレートです」

今度は心の勝利。ダイヤの10とスペードの6のフルハウス。


――数分後


「というわけで途中から導入したポイント制でポイントの一番低かった心ちゃんによる罰ゲームです」

「じゃあ心、お願いするわね」

「わ、分かりました……」

罰ゲームというのは、当たり前だが大概やりたくないもので構成されている。

心が今からやる罰ゲームは、某けい○ん!に出てくる秋○澪の有名なセリフの物真似だ。

「萌え萌え~キュン(はぁと)」

「「「「……」」」」

その時、全員の心(文字通りハートの方)に電流が走ったのは言うまではない。

なぜ電流が走ったかと言うと、心が可愛かったからである。

「すごいじゃないか、心」

「そ、そうかな?圭くんがそう言ってくれるなら頑張った甲斐があったかも」

「でも、確かに可愛かったわよ、心」

「霙先輩まで。ありがとうございます」

「心ちゃん、声優になれるんじゃないですか?」

「そんなに大したことないですよー。それに声優になったら圭くんの隣にいられないじゃないですか」

「俺の隣?」

自然な会話の流れでつい本音を言ってしまった心。

言ってしまったものは仕方ないので、心は観念したように圭に告げた。

「圭くんの隣が良かったな、って思って」

「そうか?じゃあすみませんけど真理さん、心と場所変わってくれませんか?」

「……良いですけど」

明らかに不機嫌そうな顔で心と席を替わった真理。

そして心は緊張した面持ちで圭の隣へと座った。

「こうして隣に座るのって久しぶりだね?」

「そうだな、確かに教室とかでは隣には余りならないな」

幼馴染だから教室でもどうせ席も隣なんだろって思った人もいるだろうが、圭と心は数回ほどしか隣になったことはない。

圭と心のクラスの担任、日暮里美羽先生にっぽりみう(30歳独身女性)のせいかもしれない。

「というわけで、久々に隣だけどよろしくね」

「よろしくってただ座るだけなのにか?まぁいいけど」

心の放ったよろしくには隣に座ることに対しての勇気も含まれている。

「圭くん、お菓子食べる?ト○ポあるよ」

「ありがとう」

「私、クッキー作ってきたんですけど食べます?」

「真理さんが?」

「そうです、手作りなのですよ」

「真理さん、お菓子作り上手いですもんね」

そう、真理はパティシエレベルでお菓子を作ることが可能なのである。

鎌倉家専属パティシエ、鳥取芽衣子さん(25歳)の指導の賜物で、その実力は折り紙つき。

しかしクッキーを作る力とパティシエの指導が関係あるかどうかは不明だ。

ちなみにここには出てこない小倉さんも鎌倉家の料理長に就職することが決まっている。

「そんなに褒めないで下さいよ~。照れちゃいますよ」

「いやいや、実際においしいですから。って、痛い痛い!心、痛いって!」

「圭くん、私のト○ポ、食べない……?」

「ちょっと待って心!いや心さん!目が怖い、怖いから!」

「そんなこと、ナイヨ?私はいつも通りダヨ?」

「マジ怖い!真理さん助けてー!」

圭はここで真理に助けを求めた。しかし残念ながらその助けは逆効果なようで……?

「どうしてそこで真理先輩に助けを求めるのかな?かなぁ?」

心はどこかのゲームのヒロインのような語尾と勢いで圭に迫る。

さながら鬼神のようだった、と後に圭は語っている。

真理は普段温厚な心がここまで恐ろしいとは思わなかったので絶句していた。

「圭くん。さぁ、お前の罪を数えろ!」

「真理さんに助けを求めたことです……。本当にすみませんでした」

実際は圭に罪はない。

ただ単に圭が朴念仁だっただけである。

「圭くんのせいじゃないし、許してあげるよ」

「ありがとうございます心さん!」

圭は理不尽だと思ったが、口に出すと次こそ命が危ないと思ったので渋々黙っておいた。

いつの時代も男は下手に回らなければ損をすると決まっている。

「ま、まぁまぁ。ここはクッキーでも食べて落ち着きましょう」

「そうですね。真理先輩、クッキー貰えますか?」

「ひゃ、ひゃい!」

少し動揺した様子で仲裁に入る蜜柑。

圭を許して満足したのか、クッキーを貰おうとする心。

真理が恐れ多いとばかりの表情でおずおずと心にクッキーを差し出した。

先ほどのやり取りが精神的に来ているようだ。

「どうしたんですか?」

「いえ、何でもないですよ」

「なら良いんですけど……」

?マークが見えそうなくらい首を傾げた心は疑問を口には出さなかった。

彼女なりの優しさなのだろう。

先ほどから霙と蜜柑が会話に参加していないのは、面倒事に関わらない方がいいと判断したからだ。

「このクッキー美味しい!真理先輩、今度作り方教えてください!」

「良いですけど……心ちゃんこれくらい作れますよね?」

「それでも教えてほしいんです!」

「分かりました。今度時間を作って教えましょう」

「やったー!」

今まさに飛び跳ねようかというような勢いで喜ぶ心。

その幸せそうな表情を見て心以外の全員はほんわか心温まる気持ちになったとか。

「軽井沢、あとどれくらいで到着します?」

「あと30分くらいじゃないでしょうか」

「意外と時間かからないんですね」

「新幹線ですからね」

軽井沢までは新幹線で1本である。

「圭、お茶でも飲む?」

「ありがとうございます、霙さん」

「これくらいお安い御用だわ」

霙からお茶を受け取り一口飲んでみる圭。

「このお茶、美味しい紅茶ですね」

「大したことないわよ、家でダージリンの葉で入れてきただけだから」

「淹れ方が上手いんですよ、霙さんは」

「もう、褒めすぎじゃない?」

霙はそう言いながらも少し嬉しそうだった。

そして紅茶に関しては真理を凌ぐ上手さを誇るので、茶道部などにも引っ張りだこだ。


新幹線で軽井沢へ向かうこととなった一同は、車中でひと波乱起こすことに。これからの展開が多少心配になってきますね。

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