プロローグ
十七歳の冬、俺の人生は終わり……そして、始まった。
あまりに突然すぎる始まりに、少し驚いたかもしれないが、これは事実だ。
この冬にたくさんの人と関わり、俺の人生は一変した。
俺の人生を変えたのは、発明家、大工、漁師、農家、ヤクザ、ホスト。
みんなそれぞれの物語を胸に秘めたホームレスたちだった。
ホームレスとは、時々ニュースや新聞に取り上げられる職を失って路上で生活している浮浪者を指す言葉。
彼らに家はない。
帰る家もなければ、出ていく家もないし、迎えてくれる家族もいない。
文字通り、ホーム・レス なのだ。
彼らのほとんどは何らかの理由で職を失い、ホームを失った。
それでも彼らは、生きる道を選び、一歩一歩、力強く歩んでいた。
時には支えあいながら、時には馬鹿馬鹿しいほどに笑いあいながら。
そんな彼らに触れ、優しさを知った。俺もこの人たちのように優しくなれるんじゃないかと思った。
普通に感謝され、普通に感謝することを覚えた。いろんなことに感謝して、初めて生きる意味が分かった。初めて生きるとは何かを知った。
その中でも、彼女との出会いは印象的だった、
彼女は、呆れるほどわがままで口が悪い。でも、誰よりも強がりで弱虫な普通の女の子だった。
これはそんな十七歳の冬に出会った人たちの中の、一人の女の子の話。
まずは、その全ての物語の三ヶ月から話そうか。
実質、初めての作品です。
読んで感想やアドバイスをいただければ嬉しいです。
よろしくお願いします。