第6章 はぐれサンタクロースと愉快な死の商人
こがねむしーはー かねもちだー かねぐらたーてた くらたてたー♪
それは自分の為にある歌だと、彼女は今も信じて疑わない。
間宮倫音という女は、金を心の底から愛する、根っからの大阪商人だ。
本来の両親は、東北の小さな鉄工所を経営していたが、資金繰りの問題から自殺した。
その後、十歳までを孤児院で育ち、大阪で小さな玩具問屋を経営していた養父、間宮勝治に引き取られた。
しかし、高齢だった勝治はすぐに現役を退いてしまう。
倫音は急遽その後を継ぎ、中学校を卒業してすぐに社長に就任した。
それからわずか五年で世界に名だたる総合商社、マミヤ商会を育て上げた敏腕社長として、業界でその名を知らない者は無い。
派手な演出を好む事から、テレビの露出も積極的であり、今や美人女社長として、タレント業でも成功を収めている。
そして、様々な業界に進出してまだ間もない彼女は、買収したアメリカの玩具会社を通じ、サンタクロースの存在と、その取引方法について知ったのが、つい最近の事だった。
思い立ったら即実行。
野武士上がりの商売コンピューターを脳に搭載した倫音は、ロシア軍に賄賂を渡し、軍用ヘリにてこの地まで運んでもらう契約を取り付ける事に成功。
晴れてサンタが住んでいる、シベリアの奥地へとやって来たのだ。
「いやあ、サンタさんってえっらい男前やねえ!
ヘリを降りて早々、こんな歓迎してもらえるとは思わんかったわ!
ホンマに、まいどおおきに!」
「遠いところをようこそ。外は寒いでしょう?
中にお入り下さい。
温かいお茶とお菓子もありますよ」
「あはははっ!
うち、ロシア語も勉強しましたのに、なんや、日本語でOKですやん!」
「サンタクロースですからね!
さあ、どうぞどうぞ!」
突然の来客、それも初対面に対して、やけに愛想が良い。
これは何かあるなと、倫音は勘で察知する。
突然の来訪で度肝を抜いて、いきなり手を出して握手でもしたら、そこから交渉が始まると思っていたが、さすがに思惑通りにはいかないらしい。
しかし、何事も平坦ではつまらない。
取引先がマフィアを連れて来た事もあれば、軍事政府の施設に監禁された事もある。
たかが二十歳の女丈夫、学歴も職歴も無い、気合いと根性だけのナマモノ。
自分は所詮女だ。
そしてただの若者だ。
メディアにどれほど露出しようが、どれほど稼ごうが、一歩外に出れば極東の島国で生まれたメス猿という扱いを受ける。
むしろ、下手に大金を持っているが故に、このメス猿からどうやってむしり取ってやろうか?
狼達は常に牙を隠して笑い掛け、時には脅しを掛ける。
しかし、それはスタート地点に過ぎない。
狼だろうが悪魔だろうが、巨万の富はその懐に眠っている。
手を組むか、懐柔するか、従属するか、逆に脅し返すか、時と場合によって為すべき事は変わる。
サンタクロースが子供の味方と言っても、実態は多額のリベートを受け取って、世界各地の玩具会社と取引を行っている、一商売人に過ぎない。
彼もまた狼であり、企業戦士なのだ。
「分かってると思いますけど、うちはサンタさんにインタビューに来たテレビ局や新聞社とはちゃいますねん。
言うまでもないと思いますけどね」
「当然でしょう! あなたもまさか、こんなシベリアの奥地に僕に会いに来たわけではないはずだ!」
湯気の立つお茶をナナから受け取ると、倫音は軽く口を付ける。
商談の席は喉が乾く。
一時たりとも気を抜けない。
信頼できるのは、自分自身と、この茶のみ。
「契約を交わした場合、毎年最低でも一万ドルを契約料として払うこと。
でしたねえ」
「はい、その通りです」
にこにことして、愛想の良い笑みを浮かべるニコラ。
さて、何を言ってくるやら。
倫音は胸が高ぶるのを感じる。
彼は一番嫌なタイプだ。
自分にとって、一番嫌な条件を出してくるタイプ。
言いにくい事を、その場の勢いだけで強引にねじ込もうとする、オス狐野郎の匂いがする。
部屋の中はまるで日本のお茶の間。
ご丁寧に畳まで敷いていて、こたつの上にはみかんが鎮座。
壁に飾られているのは、一昔前に流行った自然を描く画家のリトグラフ。
そしてふすまの押入。
部屋の中はまるで純日本風。
聞いていた通りの造りだ。
特別な事は何もないし、経済的に困窮している様子も雰囲気もない。
既に名刺は渡した。従者として、幼い人型のグレムリンが一匹。
これも情報通り。
彼女は何だか緊張した面持ちをしている。
見た目通り、純情で純粋な子なのだろう。
こちらはノーマークでも構わない。基本的に商売には関わらない、ただの事務要員だ。
「ところで間宮さん、大変申し上げにくいお願いがあるんですよ」
満面の笑みで切り出すニコラ。
さあ来た、何を言ってくる?
「おやおや、うちとサンタさんはもはや心の友と書いてしんゆうと読む!
困った事があれば、不肖このマミヤがお役に立ちまっせ!」
倫音はドンと胸を叩く。カネならある。何ら心配など無い。アタッシュケースには常に百万ドルを持ち歩いているのだ。
「それは心強い!」
「はっはっは! 大阪商人はケチやなんて嘘ですわ! さあ、何でもおっしゃって下さい!」
「実はですねえ、今の人間界以外に、この世界には天界、魔界というのがあるんですよ」
「なるほど、ファンタジーやねえ。
でも、サンタクロースがおられるくらいですから、神も悪魔も当然おられるんでしょうな」
「ええ、それでですね、天界と魔界というのは、百年に一度だけ、森羅万象国際会議というのを開催していまして、この前、ちょうどそれが行われたのですよ」
「ほうほう、それで?」
「そこでですねえ、サンタクロース予算削減などという、まことに! まことにバカな提案がされたんですよ!」
「なるほど! それはあきません!
子供の夢を奪うような愚かしい行為ですわ!」
カネか。
OK、了解だ。
倫音はポケットの中にある、アタッシュケースの鍵を握りしめる。
「しかもですね、これにより、サンタクロースは廃止して、この僕に携帯ストラップの神になれなどと、こんな事まで言い出す始末です!」
「え、廃止……?」
焦るな。落ち着け私。
サンタ廃止などというのはハッタリだ。
そうであれば、自分を部屋に通すはずがない。
いや、詐欺に巻き込もうとしている?
アタッシュの鍵を握った手に、じっとりと汗が滲む。
相手の意図が分からなくなってきた。
「ね、愚かしい話でしょう?
こんな事が許されるはずもありません!」
「いやはや、全くその通り!
それで、うちにお願いゆうのは何ですやろ?」
「これから天界と魔界を相手に戦争するので、一緒に戦って下さい!」
満面の笑み。
素晴らしい笑み。百万ドルの夜景よりもなお眩しい。
倫音の顔は凍り付く。
これはジョークか?
試しているのか?
わざと嘘を吐いて、忠誠心を試そうというのか?
天界と魔界を相手に戦争。つまるところがハルマゲドン。
最終戦争であり、天使が角笛を吹き鳴らすアレでナニだ。
「はっはっはっ、サンタさんも冗談がお上手やね!
うちと一緒に大阪に移住しませんか?
日本語も堪能なようやし、サンタが漫才となれば人気も出まっせ!」
「冗談だったら良かったんですけどねえ。現実ってのは厳しいんですよ」
ニヤニヤとした嫌な笑いを浮かべるニコラ。
倫音はいかんとも返事をできない。
果たしてどう言ったものだろうか。
これは嘘だ。
絶対に自分は試されている。
相手は自分を値踏みしているのだ。
よくある事。
常套手段。
若い女だと思って、相手も舐めているのだろう。
「あのね……マミヤさん……すごく言いにくい事なんですけど……」
「あ、えーっとグレムリンの、確かナナさんでしたっけ」
「はい、ナナです」
ぺこりとナナはお辞儀をする。
彼女はなぜか、とても申し訳なさそうな顔をしている。
「っと、話の腰を折ってしまいましたね。
すみません。で、何でしょう?」
「ニコラが言っている事は本当です。私は――」
そこで言葉を切って、ナナは倫音をきっと見据える。
「私は、ニコラと一緒に戦います。
ですが、あなたはただの初対面の人間。
無理にニコラや私と一緒に戦う必要はありません。
その気が無いなら、今すぐお帰り下さい」
話が見えない。
自分は商売にやってきたのであって、戦争に来たのではない。
ましてや天界と魔界相手、人外の者や雲の上と戦争をする。
天地開闢して以降、生物が二足歩行を始め、猿が人間に進化し、文明を造り、科学の洗礼を受けて今がある。
人は争い、殺し合ってきた。
その歴史は戦争の歴史。
血にまみれた汚れた歴史。
肌の色が違う。
喋る言葉が違う。
信じる神が違う。
だが、戦争は戦争屋の仕事。
自分は関係無い、そのはずだ。
「あー、んー、具体的な話が見えませんわ。うちにどうしろと?」
「戦争の支援をして下さい」
「勝算はあるんですかね」
「ゼロです」
「負け戦にカネを注ぎ込めと?」
「そうです」
くそまじめな顔で、さらりと言ってのける。
なるほど、嘘や冗談の類ではないらしい。
商談は終わりだ。流れた。
もうここに居る時間は一分一秒さえも惜しい。帰ろう。
「あ、急にたこ焼きが食べたくなったわ! 帰ります! さいなら!」
「待てよ。商談はまだ終わってない」
ニコラはその肩を掴み、倫音を引き留める。
だが、彼女はその手を払うと、無言のままドアのノブに手を掛ける。
「逃げるのか?
あんたはその程度の根性で、こんな地の果てまで来たのか」
「悪いけど、商売にならんことに興味は無いんや。
うちはカネが好きや。
カネ以外何も信じてへんし、カネがあれば幸せも買えると思とる。
安っぽいヒューマンドラマがしたいなら、そこのグレムリンの嬢ちゃんとか、宗教家や道徳家どもとでも語らって欲しいねん」
「お前もずいぶん変わったなあ、リンネ」
やれやれと言った仕草をしながら、ニコラはプレゼント袋に手を入れる。
「いきなり下の名前で呼んで、何やねんな。馴れ馴れしいで」
「十年前、児童養護施設のふじむら園にお前は居た」
「何で知っとるんよ」
「その時のみんなの呼び名はリンネ。大好きなのはアニメ『クマプー伯爵の大冒険』とチョコドーナツ。
嫌いなものは、園長先生の作るちょっと辛すぎる麻婆豆腐」
「…………」
何を言っている?
この男は何だ?
何者だ?
サンタは神か?
ぐるぐると心の中で渦を巻く。
心臓の鼓動が速くなる。
思考が停止する。
いや、停止してはいけない。
相手のペースに飲まれては駄目だ。
必死になって冷静を装う倫音の手に、プレゼント袋から取り出したぬいぐるみをそっと渡す。
「十年遅れだが、メリークリスマス。リンネ」
「クマプー伯爵のぬいぐるみ……」
「サンタクロースは、良い子の味方だ。大人になったとしても、ね」
目頭が熱い。
涙がこぼれていた。
忘れていた思い出が蘇る。
ショーウインドウに張り付いて、欲しい欲しいと泣きじゃくって、園長先生を困らせた。
あの日あの時、あのぬいぐるみ。
分かっていたのだ。児童擁護施設の経営はとても苦しくて、あんな高額のプレゼントなど、とても買えるような状態に無いことを。
それでも、自分はどうしても欲しかった。
そして、買ってくれなきゃ死ぬと言って、倫音は道路に走り出す。
迫り来るトラック。
信号は赤。
横断歩道でさえ無い道。
けれど、ギリギリで約束を引き出したら、逃げるつもりだった。
なのに、足がすくんで動けない。
このままでは死ぬ。
そう思い、目を閉じた。
次の瞬間、向かいの歩道に自分は転がっていた。
雪と泥でぐしょぐしょになった、バカな男の子に抱えられながら。
『リンネ、良い子にしてればいつの日か、サンタクロースがプレゼントしてくれるよ』
彼はそう言って、笑ったのだ。
あいつはサンタクロースバカ。年がら年中頭の中がクリスマス。
クリスマスの翌日には、あと三六四日寝るとー くりすますー♪ と歌い出す。
そんな大馬鹿野郎。
そう、あいつの名前は――
「花巻……ニコラ……?」
「イエス、アイアム!」
くしゃくしゃと倫音の頭を撫でる。
その顔は、良い子を前にしたサンタクロースのものだ。
「あのサンタフェチのニコラ?」
「待て、サンタフェチって何だ」
「鹿とトナカイの見分けが着かへんくて、靴下売場に行くと頬を染めるニコラ?」
「まあ……間違ってはいないが……」
「ニコラ! ニコラやん!
うわ、うんこニコラ!」
「またか! またうんこかよ!」
「あははっ……何や、生きてたんや……みんなあの日……あんたの帰りを待ってたのに……」
「それは本当に、悪かったと思ってる」
「あんな、今さらやけどな、あんたに言わなアカンことあんねん」
「何かな」
「おかえりなさい、ニコラ」
「ただいま」
十年ぶりに交わす挨拶。
何気ない、いつも通りの言葉。
なのにそれは、ひどく懐かしい。
彼女はニコラの胸に顔を埋め、涙で顔をくしゃくしゃにする。
眼鏡を外して、何度も何度もまぶたを拭う。
まさに電撃的な再会。
そのタイミングは、史上最低で最悪だ。
ハルマゲドンを起こそうとするサンタクロースと、彼に商談を持ちかけにきた強欲な商人。
しかし、二人はかつて同じ場所で、同じ時間を過ごしていたのだ。
ドラマチックにも程がある。
運命は神にも仏にも分からず、ただ自然がそれを知るのみ。
だが、なるほど。
運命という言葉はまさにこのためにあるのかも知れない。
『ああ、泣かせるじゃないですか』
プレゼント袋がプラカードを出すと、ナナももらい泣きをしながら、うんうんと頷く。
こんな時、サンタの助手をしていて良かったと心から思える。
いくつになっても、どれほど時が過ぎても、欲しいものがある。
それは決して高いものじゃない。
すぐに手に入るはずなのに、忘れていたり、わざと目を逸らしたりして、結局手に入れられないまま。
でも、サンタクロースは忘れない。
世界中の良い子達、みんなの事を覚えている。
「リンネの活躍はテレビやネットのニュースで見てたよ」
「見てたんやったら、なんでうちに声をかけてくれへんねんな! 水くさいわ!」
「いきなり家出して、サンタになっちまうような放蕩息子の僕が、園長先生やお前に合わせる顔があるはず無いだろう」
「それを言うんやったら、たかが五年の間に、色んな人様の血を吸ってきたうちはどないしたらええねんな……」
にわかに倫音の表情が曇る。
だが、ニコラは全く気にする様子も無い。
もう一度座り直すように促すと、倫音はこたつに足を入れる。
「会社、結構黒い噂が多いみたいだな」
「半分は嘘。けれども、半分は本当や。
一介の中小企業が短期間でのし上がるのに、正攻法で清く正しくなんて、そんなことできへん」
「ああ、リンネは頑張ってる」
「そうや、うちは頑張ってるねん。
ふじむら園の子らが、大学や専門学校に通えるように、奨学金を作ったんやで?
今、子供達はクリスマスにプレゼントを園長先生からもらうこともできるし、パソコン環境も整えた。
他の児童養護施設にも、同じように奨学金を創設したんや。全部うちのカネ、うちのゼニ、うちはちゃんと社会に還元してる。
カネに綺麗も汚いも無い。大切なのは、使い方や!」
「そうだね」
「おとんが叶えられんかったこと、おかんが夢見たこと、園長先生ができんかったこと、うちが全部やっとんねん!」
「素晴らしいよ」
「でもな、世間はうちのことカネの亡者言うねん!
カネの為に人を殺す言うねん!
うちかてな、色々考えてんねんで?
頑張ってんねんで?
みんなの為になることもしてるやんか!
巨大企業になったマミヤ商会はもう、うち個人の持ち物やないねん」
「だろうね」
倫音は溜息を吐き、ほおづえを突いてニコラを見る。
軽い自嘲を含んだ笑みを浮かべ、彼女は続けた。
「なあニコラ。うちはこのクマプー伯爵のぬいぐるみ、受け取れんよ」
「良い子じゃないからか」
「そうや」
「これからなればいいだろう?」
「これからって、もうなれんよ」
「いいや、なれる」
そう言って、ニコラはクマプー伯爵を持つと、倫音に渡す。
「お前はこれから、サンタクロース存続を求めて戦うんだ」
「負け戦なんやろ」
「勝たせてくれ。お前の力で」
「神と悪魔相手にケンカせえって?」
「ああ」
真剣な眼差し。
サンタクロースを信じて疑わなかった少年は、十年経ってもあの頃のまま。
一方の自分は十年経って、カネの亡者になり果てた。
止めどなく、ただ稼ぐ事を正義と思い、世界中を飛び回ってきた。
取り戻せるだろうか。
壊れた時計の止まっていた秒針は、動かせるだろうか。
「なあ、ナナちゃん」
「何ですか?」
「こいつ、アホやろ」
「アホですね。真性の、屈指の、宇宙一の、空前絶後の、選りすぐりのサラブレッドアホです」
「あはははっ、そやなあ」
「アホでバカで救いようがないけど、世界で一番のサンタクロースです」
そう言って、ナナは笑う。
彼女をこんな素敵な笑顔にできる、ニコラはそういう男だ。
彼はきっと世界中の子供達に、年に一度、こんな笑顔をプレゼントしている。
ああ、嫌だ嫌だ。
最低だ。
最悪だ。
妄想にも程がある。
夢見る少女の時代は終わった。
そのはずなのに。
こんな事に心が揺れる。揺れている。
「このクマプー伯爵、もろてもええのん?」
「君のものだよ、リンネ」
「報酬をもらった以上、働かなアカンよなあ」
「そうだね」
「例えば、神と悪魔を相手に戦争をするアホの手助けとか、どうやろ」
「それは良いアイディアだ」
「ええやろ? うちもそう思うわ」
笑いが込み上げてくる。
背筋がぞくぞくとする。
どこで儲ける?
どうすれば儲かる?
どうすれば勝てる?
どうすればいい?
不可能尽くし、無い無い尽くし、無理無茶無駄のオンパレードだ。
間宮倫音は負けない。
刺されても撃たれてもくたばらない。
不滅のヴィーナス、金の亡者。
そんな私に相応しい大勝利を。
大団円を迎えねばならない。
神よ悪魔よ、見ているがいい。
私はお前達を信じない。
信じた事も無い。
だが、そんなお前達に弓を引く。
私の名前は間宮倫音。
通りすがりの商売人だ。