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伊達と富澤の化学教室コント ~同素体は、兄弟だけど性格バラバラ!?~


(舞台には黒板。伊達はなぜか硫黄のっぽいものを持っている。富澤は頭を抱えている。)


伊澤: どうもー!サンドウィッチマンでーす!今日は化学の授業だ!


富澤: (頭を抱えながら)どうもー。化学は元素記号で頭がパンクしそうっす…


伊澤: いやいや!大丈夫だ!今日はな、面白い概念を教えてやるぞ!まず復習だ!「単体たんたい」って、何だったか覚えてるか?頭の中で答えてみろ!


富澤: えーと…純物質の中で、1種類の元素だけからできているもの、ですよね?窒素(N2)とか!


伊澤: その通り!完璧だ!「N2」は窒素っていう1種類の元素記号でできてるから、単体だよな!で、この単体の中に、特別な関係のやつらがいるんだ!


富澤: 特別な関係?


伊澤: そう!「同じ元素からなる単体」のことを、お互いに「同素体どうそたい」って呼んでやるんだ!


富澤: 同素体!名前からして、なんか似てるようで違う感じっすね。


伊澤: そう!これな、同じ元素からできてるんだけど、性質は全く違うってのがポイントなんだ!家族なのに性格バラバラ、みたいなもんだ!


富澤: めちゃくちゃ分かりやすいっす!


伊澤: じゃあ、一体どんな元素に同素体が存在するのか?これが「同素体スコップ」って覚え方で完璧だ!


富澤: スコップ?


伊澤: そう!


S…「硫黄いおう」!


C…「炭素たんそ」!


O…「酸素さんそ」!


P…「リン」!


伊澤: この四つの元素に関しては、同素体が存在するんだ!じゃあ、それぞれどんな同素体がいるのか、見ていこう!


硫黄の同素体:安定な黄色い塊からゴムまで

伊澤: まずは「硫黄(S)」だ!代表的な同素体は三つあるぞ!「斜方硫黄しゃほういおう」「単斜硫黄たんしゃいおう」「ゴム状硫黄ゴムじょういおう」だ!


富澤: ゴム状!?硫黄なのにゴムなんすか!?


伊澤: そう!まず、「斜方硫黄」ってのが、常温で一番安定な同素体だ!だから、ただ「硫黄の単体」って書いてあったら、こいつのことだと思っていい!黄色い結晶だな!そしてこいつは、S8(エスエイト) っていう、王冠みたいな形の分子なんだ!硫黄原子が8個、王冠みたいにくっついてるイメージな!


富澤: 王冠!なんかおしゃれっすね!


伊澤: で、この斜方硫黄を加熱すると、もう一つの同素体「単斜硫黄たんしゃいおう」に変わるんだ!王冠型のS8分子はそのままなんだが、加熱されて元気になって、王冠と王冠の間がちょっと開いて、結晶の形が変わるイメージだな!これも黄色い結晶だ!


富澤: じゃあ、常温は斜方硫黄、熱い時は単斜硫黄、って感じっすね!


伊澤: その通り!そして、三つ目の「ゴム状硫黄」だ!これはな、Sの後にXって書いて「SX」って表すんだ!これは硫黄原子がジグザグに、鎖みたいにたくさん繋がった形をしてるんだ!


富澤: ゴムみたいに伸び縮みしそうっすね!


伊澤: そう!でな、こいつは最初から存在してるわけじゃなくて、斜方硫黄をガンガン加熱してると、王冠のS8分子がバラバラに切れちゃうんだ!その状態で急激に冷やすと、元の王冠に戻る時間がなくて、そのままブワーッと繋がっちゃって、ゴム状硫黄になるんだよ!これはな、黒っぽい色をしてるんだ!


富澤: へー!同じ硫黄なのに、黄色と黒で全然違うんすね!まさに性格バラバラの兄弟!


炭素の同素体:固い宝石から鉛筆の芯まで

伊澤: じゃあ次、「炭素(C)」の同素体だ!これは二つがめちゃくちゃ大事だ!「ダイヤモンド」と「黒鉛こくえん」だ!


富澤: ダイヤモンドと鉛筆の芯っすか!あれって同じ炭素なんすか!?


伊澤: そうなんだよ!ダイヤモンドは宝石で有名だろ?無色透明で、極めて硬い!これは炭素原子が、それぞれ4本の手でガッチリ繋がって、立体的な網目状の構造を作ってるからなんだ!


富澤: へー、あんなに硬いんすね!


伊澤: 対して「黒鉛」は、鉛筆の芯だろ?黒くて、柔らかくて、層状の構造をしてるんだ!層と層の間は剥がれやすいから、鉛筆で書くと芯が削れるだろ?


富澤: はいはい!電気も通しますよね?


伊澤: その通り!お前、よく知ってるな!電気分解とかで電極に使われたりするんだ!なんでかというと、炭素は4本の結合の手を持ってるんだが、黒鉛は3本だけ使って繋がって、ハチの巣みたいな平らな層を作るんだ!すると1本の手が余るだろ?


富澤: 余った手?


伊澤: そう!その余った手が「電子」なんだが、そいつが自由に動き回れるから、電気を通すことができるんだ!ダイヤモンドは4本全部手を使ってガッチリ結合してるから、自由な電子がいなくて電気を通さない!


富澤: なるほど!結合の仕方が違うだけで、こんなに性質が変わるんすね!


伊澤: そして他にも「フラーレン」っていう、サッカーボールみたいな球状の分子や、「カーボンナノチューブ」っていう、黒鉛の層を筒状にしたような形のもあるぞ!これは日本人が発見したんだ!


富澤: へー!炭素も奥が深いっすねぇ!


酸素の同素体:無色の空気から臭い青いガスまで

伊澤: じゃあ次、「酸素(O)」の同素体だ!これは二つ!普段吸ってる「酸素(O2)」と、「オゾン(O3)」だ!


富澤: オゾン!なんか聞いたことあります!


伊澤: そう!まず、俺たちが吸ってる「酸素(O2)」は、酸素原子が二つくっついたものだ!空気中の約2割を占めてて、無色無臭の気体だろ?


富澤: はい!


伊澤: でな、この酸素に紫外線当てたり、放電したりすると、もう一つの同素体「オゾン(O3)」に変わるんだ!これは酸素原子が三つくっついたものだ!


富澤: オゾンはどんなんすか?


伊澤: オゾンはな、薄い青色の気体で、独特の「生臭いような匂い」がするんだ!「海の匂い」とか「雷の匂い」って言われることもあるな!そして、酸化力が強いって性質がある!


富澤: 酸化力?金属が錆びるとか?


伊澤: そう!金属を錆びさせたりする力が、酸素よりも強いんだ!だから、酸素とオゾンも、色も匂いも性質も全く違うだろ?


リンの同素体:猛毒からマッチの火薬まで

伊澤: さあ、最後の「リン(P)」の同素体だ!これは「黄リン(おうりん)」と「赤リン(せきりん)」の二つだ!


富澤: 黄色と赤!見た目からして違いますね!


伊澤: そう!まず「黄リン」は、名前の通り淡黄色(黄色っぽい色) をしてるんだ!P4(ピーフォー)っていう、正四面体みたいな形の分子なんだな!リン原子が4つくっついてるイメージだ!


富澤: 四面体!


伊澤: そしてな、こいつは猛毒だ!しかも、空気中に放置すると、低い温度でも勝手に火がついて燃え始めちゃうんだ!「発火点」が低いんだな!だから、危ないから必ず水の中で保存する必要があるんだ!


富澤: うわ、危なっかしいやつですね!


伊澤: あと、湿った暗い場所で光ったりもする!「リンりんこう」って言うんだけどな!とにかく、黄リンは特徴が多い!


富澤: じゃあ、「赤リン」は?


伊澤: 赤リンは、その名の通り赤褐色だ!そして、何に使われてるか知ってるか?


富澤: マッチの火薬!


伊澤: その通り!マッチ箱の横の、ガリガリやると火がつく部分に使われてるのが赤リンだ!こいつはPXって書いて「リン原子がたくさん繋がってる」って表すんだ!黄リンがバーッと繋がったような形だな!


富澤: 黄リンは水の中に、赤リンはマッチに!


伊澤: そう!実際に写真で見ても、黄リンは水中に保存されてて、赤リンは赤い塊だろ?もう色からして違うのが一目瞭然だ!


まとめ

伊澤: さあ、今日のまとめだ!


同素体とは、「同じ元素からできている単体」のことだ!


同素体同士は、性質が全く異なる!兄弟なのに性格バラバラ、だぞ!


同素体が存在する元素は、「スコップ」で覚えるんだ!


S(硫黄)


C(炭素)


O(酸素)


Pリン


伊澤: な!化学って、ただの暗記だけじゃなくて、なんでそうなるのか、その理由を知ると面白いだろ?


富澤: 面白かったっす!これで同素体は完璧っす!


伊澤: よし!じゃあ、今日の授業はここまで!


富澤: ありがとうございましたー!


伊澤: どうもー!

(二礼三拍手)

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