表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
新世紀宇宙戦争  作者: 007
第4章 暴露
89/158

孤立の嵐、剣の覚悟

帝国歴1500年4月7日。ナタアワタ共和国のエネルギー施設爆破による30万人の犠牲と、調査団のブレクティア同盟2名の死亡、偽装データチップの爆発による担当官の死亡から一夜明け、天の川銀河の世論は神聖旭日連邦帝国への非難に沸いていた。

ナタアワタ共和国のエクレール大統領とガフラヤサタ連邦のゲルマヴァルド統合政府議長の会見が火に油を注ぎ、銀河連邦元老院は調査団再派遣とガフラヤサタ制裁の決議を撤回した。神聖旭日連邦帝国国内では反アリス派が連邦議会で勢いを増し、神聖旭日連邦帝国は孤立の淵に立たされていた。


ナタアワタ共和国首都、大統領府。エクレール大統領は、黒のドレスに身を包み、妖艶な微笑みを浮かべるが、碧眼に不自然な曇りが宿る。彼女は再び記者会見を開き、ホログラフスクリーンに帝国のデータチップ爆発の映像を映す。「神聖旭日連邦帝国の陰謀が、ナタアワタの30万人の命を奪ったわ。この情報テロ、許されないわ。」だが、彼女の声はどこか単調であった。隣のブライス補佐官は人間そっくりに頷くが、目の動きに微妙な空白がある。「私達は銀河連邦に訴えます。神聖旭日連邦帝国の調査は危険です。」その直後、エクレールはナタアワタ共和国の通信網を全面封鎖した。これにより銀河連邦調査団――神聖旭日連邦帝国3名、ゼンメホ帝国2名、エリュシオン連合1名、宇宙軍遠征隊30名護衛――は都市のインフラ管理センターで孤立する事になった。

エクレールの銀河連邦元老院への通信は即座に行われた。「神聖旭日連邦帝国の情報テロが、ナタアワタ共和国の通信網を攻撃したわ。銀河連邦調査団は安全だが、神聖旭日連邦帝国の干渉をこれ以上許さないわ。」天の川銀河の世論がさらに神聖旭日連邦帝国を非難する。ブレクティア同盟の大使が銀河連邦元老院で叫ぶ。

「我々の代表2名が死に、ナタアワタ共和国の住民30万人が犠牲よ!神聖旭日連邦帝国の責任は明らかだわ!」ゼンメホ帝国とケタサカ王国が擁護するが、他の銀河連邦加盟国は神聖旭日連邦帝国を孤立させる。


神聖旭日連邦帝国首都地球、連邦議会。反アリス派の議員が議場で声を上げる。「アリス総理の失態が、神聖旭日連邦帝国の名誉を汚したわ!辞任すべきよ!」国内世論もアリス総理非難に傾くが、ゼンメホ帝国の女帝アナスタシアが声明を出す。「神聖旭日連邦帝国への信頼は揺らがないわ。真実は必ず明らかよ。」ケタサカ王国の女王エルシアも演説。「神聖旭日連邦帝国と共に立つわ。誇りを信じる!」二人の支持が、神聖旭日連邦帝国に一筋の光を灯す。

首相官邸執務室。アリス総理は窓の外の夜景を見つめ、エイン外務大臣がそっと近づく。「アリス、世論は厳しいけど、私が銀河連邦元老院で戦うわ。貴女は悪くない。」アリス総理が微笑む。「エイン、貴女がいるから、私、頑張れるわ。アナスタシアとエルシアも支えてくれる。けど…この闇、深すぎるわね。」エイン外務大臣が手を握る。「どんな試練も、共に乗り越えるわ。アリス、貴女は私の…大切な人よ。」アリス総理が頷く。「ヴァレリアがナタアワタ共和国で動いてる。彼女の証拠が、希望よ。」



ナタアワタ共和国首都、宇宙港に停泊する特殊作戦艦アルヴィオン・ノクターン。漆黒の艦は光学迷彩で隠れ、司令部として息を潜める。ブリーフィングルームで、ヴァレリア・セラフィム上級指揮官は12名のノクティア・オルドを見渡す。ホログラフスクリーンには、ナタアワタ共和国の通信封鎖と、神聖旭日連邦帝国非難の速報が映る。ヴァレリアの瞳には、ヴァイスとルゥナの無念、30万人の血が刻まれる。「通信封鎖…エクレール、やりやがったわ。神聖旭日連邦帝国が濡れ衣で追い詰められてる。奴らの裏取引、絶対に暴くわよ!」第2班班長イリナ軍曹が言う。「ヴァレリア、通信網の封鎖、強力だわ。ブライスの信号、解析できたけど…人間っぽいのに、なんか変よ。」第3班班長セリス軍曹が続ける。「民衆の暴動、収まらないわ。エクレールの会見で、神聖旭日連邦帝国への憎しみが燃え上がってる。次の取引、急がないと…」ヴァレリアが目を細める。「ブライスの違和感、エクレールの微笑み…何か裏があるわ。資金ルートの証拠、封鎖を突破して掴むよ。」隊員たちが敬礼。「了解!」ヴァレリアは光学迷彩の戦術装甲服を着込み、光子力テレポート装置を調整。イリナ班は通信網のハッキング、セリス班は暴動エリアの監視を準備する。

アルヴィオン・ノクターンの戦術AI「エクリプス」が、量子暗号の解析を支援。夜、ナタアワタの地下通信基地。ヴァレリアは光子力テレポートで潜入、輝刃型三式光子剣「カガヤキ」を握る。基地の端末にアクセスを試みるが、ナタアワタの量子AI監視システムが即座に反応。無数の暗殺ドローンが赤い光点を瞬かせ、ヴァレリアをロックオン。「ちっ…シュヴァルツの罠か!」ヴァレリアがカガヤキでドローンを切り裂く。イリナが通信網をハッキングしようとするが、量子AIの暗号壁が突破できない。セリスが暴動エリアからドローンを無力化するが、監視システムのレーザーがイリナの肩を焼き、彼女が倒れる。「くそっ…!」ヴァレリアが光子力テレポートでイリナを救うが、EMP爆弾が炸裂、端末が完全にダウン。データは一切入手できず、撤退を余儀なくされる。艦に帰還し、ブリーフィングルームでヴァレリアが拳を握る。「何も…掴めなかったわ。ガフラヤサタの闇、想像以上よ。ブライスの信号、人間じゃないみたい…」イリナが肩を押さえ、言う。「封鎖、強すぎるわ。ブライスの信号、完璧すぎて…なんか、怖いよ…」セリスが続ける。「民衆の暴動、帝国への怒りが止まらないわ。次のチャンス、絶対にものにしないと…」

ヴァレリアがアリス総理とエイン外務大臣に報告する。「総理、外務大臣閣下、証拠を掴めなかったわ。神聖旭日連邦帝国、ヤバい状況よ。ガフラヤサタの闇、深いわ。ブライス…人間じゃない気がする。」アリスが答える。「ヴァレリア、命を優先してくれて、ありがとう。証拠はなくても、貴女たちの覚悟が希望よ。エイン、貴女が世論をひっくり返すわ。」エイン外務大臣が頷く。「ナタアワタの濡れ衣、必ず晴らすわ。ヴァレリア、命を大切にしてね。」ヴァレリアが敬礼。「帝国のために、真実を暴くわ!」ナタアワタの闇は深い。エクレールの洗脳、ブライスのクローン、シュヴァルツの刃が、正義を試す。

神聖旭日連邦帝国は資金ルートを追うが、ガフラヤサタ連邦の真の計画に気づかず、銀河の世論に追い詰められる。だが、アリス、エイン、ヴァレリアの絆、アナスタシアとエルシアの支持は、試練に立ち向かう光となる。天の川銀河は、戦乱の渦へ突き進む。その中心で、神聖旭日連邦帝国は真実を掴む一歩を踏み出す。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ