影の刃を闇に
Switch2の公式の抽選に全て落選し、近所のあらゆる店舗の抽選にも落選し、汎ゆる媒体の抽選に落選したのでSwitch2は出回るまで諦める事にし、今更ながらPS5を買いました。
今日発売のゲームと同時に買い、来月以降もようやく個人的に欲しいゲームがあるので、PS6の噂がちらほら出回る中の、今更のPS5です。
今日の投稿が遅れたのは、単純に予約投稿を忘れてただけです。
今後も宜しくお願いします。
帝国歴1500年3月27日。ナタアワタ共和国の首都高層都市は、深夜のネオンに冷たく照らされていた。宇宙港の暗がりに停泊する特殊作戦艦アルヴィオン・ノクターンは、漆黒の外装で監視網を欺き、ノクティア・オルドの司令部として静かに息を潜めていた。ブリーフィングルームのホログラフスクリーンには、崩壊したエルネスタ・タワーの瓦礫と、3万人の民間人犠牲者の無言の映像が映し出されていた。総理直轄特命部隊ノクティア・オルドの12名は、誰もが拳を握り、怒りと悲しみを噛み締めていた。ヴァレリア・セラフィム上級指揮官は、長机の中央に立ち、隊員たちを見渡した。彼女の瞳には、ヴァイスとルゥナの死、民間人の血、そしてガフラヤサタ連邦の暗殺部隊シュヴァルツ・シュトラークへの復讐心が燃えていた。
だが、声は鋼のように硬い。「皆。エルネスタ・タワーの爆破は、シュヴァルツ・シュトラークの仕業よ。奴らは我々の正義を試し、誇りを穢した。だが、ここで終わるわけにはいかない。ヴァイスとルゥナの無念、民間人の命を、この手で贖うわ。」
第2班班長イリナ軍曹が、立ち上がる。「上級指揮官……どう動く?」ヴァレリアは戦術端末を操作し、都市の3Dマップを展開した。「敵を誘き出し、叩く。シュヴァルツの拠点を炙り出し、ナタアワタ共和国とガフラヤサタ連邦の裏取引の証拠を確保する。これが我々の正義よ。」
第3班班長セリス軍曹が頷く。「あの『綺麗すぎる』情報統制……奴らの拠点は、地下軍施設か、中央データセンターのどちらか。」ヴァレリアは目を細めた。
「解析班が、地下送電施設の中継信号を追跡した。そこにシュヴァルツの反応がある。第1班は私と直行。第2班はイリナ、データセンターで証拠を掘り出す。第3班はセリス、民間人の安全確保と後方支援よ。」隊員たちの目が光る。「了解!」アルヴィオン・ノクターンの光学迷彩が艦を隠し、ノクティア・オルドは地上へ潜入した。影と影の死闘が、ナタアワタの闇の中で幕を開けた。
都市の地下送電施設。無数のケーブルと冷却パイプが絡み合う暗闇の中、ノクティア・オルド第1班の4名が光学迷彩を纏い、音もなく進む。ヴァレリアは先頭で輝刃型三式光子剣「カガヤキ」を握り、戦術端末の微弱信号を追う。端末には、地下施設の異常な中継信号が点滅していた。「敵の気配……近い。」ヴァレリアの囁きに、隊員が9式オーロラ突撃銃を構える。暗闇の奥から赤い光点が瞬く。監視ドローンだ。だが、その動きは通常の警備とは異なり、まるで『誘う』ように点滅する。「撒き餌か……シュヴァルツめ。」ヴァレリアは指示を飛ばす。「光学迷彩を維持!ドローンを追う、距離を取れ!」隊員たちが無音で展開し、ドローンを追跡。通路の先、巨大な送電制御室にたどり着く。制御パネルの前に、黒いコートに身を包んだ女が立っていた。銀髪を束ね、仮面越しに冷笑を浮かべる。
シュヴァルツ・シュトラークの隊長、ネーベル・ファウスト。「ようこそ、ノクティア・オルド。よくここまで辿り着いたわ。」ネーベルの声は氷のように冷たく、妖艶だった。彼女の手には、ガフラヤサタ連邦製のプラズマナイフが握られている。ヴァレリアはカガヤキを構え、一歩進む。「ヴァイスとルゥナを殺したのはお前だ。そして、エルネスタ・タワーの3万人……その罪、償わせる!」ネーベルは仮面の下で笑う。「償い?正義?笑わせるわ。貴女たちの『正義』は、民間人を盾に取られた時点で崩れたはずよ。」ヴァレリアの瞳が揺れる。だが、彼女は気を取り直し、カガヤキのエネルギーフィールドを起動。青白い光が制御室を照らす。「仲間を信じる力、それが私の正義だ。貴様の非道を、ここで止める!」ネーベルが動く。プラズマナイフが赤い軌跡を描き、ヴァレリアに迫る。ヴァレリアはカガヤキで受け止め、火花が散る。光子力とプラズマが軋み合い、金属壁に火花が飛び散る。
第1班の隊員はオーロラ-9で援護射撃を試みるが、ネーベルの背後から現れたシュヴァルツ隊員が暗黒物質シールドを展開、ビームを弾く。「分散!敵を引きつけろ!」ヴァレリアの指示に、隊員たちが遮蔽物を活用し、シュヴァルツと交戦。オーロラ-9の3点バーストが暗闇を切り裂き、シュヴァルツのドローンが7式レグルスの連射で爆散。だが、シュヴァルツの動きは無駄がなく、ノクティア・オルドの戦術を予測しているようだ。ヴァレリアとネーベルの刃が再び交錯。カガヤキがプラズマナイフを押し返し、ネーベルの仮面に亀裂が走る。だが、ネーベルは動じず、低く笑う。「いい動きよ、ヴァレリア。でも、貴女の『正義』は、ここで終わる!」ネーベルの背後で、シュヴァルツ隊員が小型EMP爆弾を投擲。制御室のシステムが一瞬ダウンし、ノクティア・オルドの戦術端末がノイズに包まれる。ヴァレリアは遮蔽物に飛び込むが、ネーベルのプラズマナイフが彼女の肩を浅く切り裂く。「くっ……!」血が滴る中、ヴァレリアは歯を食いしばり、カガヤキを振り上げる。ネーベルの仮面が砕け、銀髪の下に冷酷な美貌が露わになる。その目は、獲物を弄ぶ獣のようだった。
中央データセンター。イリナ軍曹は偽装IDで研究官として潜入し、サーバールームにたどり着いていた。戦術端末は、ブライス補佐官の暗号通信ログを追跡。ガフラヤサタ連邦の資金ルートとナタアワタの裏取引の証拠が眠っている。「イリナ、セキュリティが厳重だ。量子暗号……時間かかる。」ハッキング担当の班員が汗を拭う。イリナは冷静に指示。「急げ。ヴァレリア班が敵を引きつけてる今がチャンスだ。」端末が解析を進め、暗号が解読される。画面に映るのは、ガフラヤサタ連邦の国営企業とナタアワタの戦略資源局の取引記録。鉱物資源、軍需物資、暗号通貨のマネーロンダリング――詳細が並ぶ。「これだ!これで奴らの仮面を剥がせる!」イリナがデータチップに転送する瞬間、サーバールームの扉が爆破される。黒衣のシュヴァルツ隊員が突入、プラズマナイフを振り上げる。
イリナはオーロラ-9を連射し、班員を庇って応戦。暗黒物質シールドがビームを弾き、戦いは一進一退。「イリナ、データは!?」 「転送完了!持って逃げろ!」イリナは班員にデータチップを託し、レグルス-7でシュヴァルツを足止め。班員が非常口へ走るが、シュヴァルツのドローンが追撃。イリナの連射がドローンを撃破するが、背後からシュヴァルツが迫り、腕を切り裂く。「ちっ……!」血を流しながら、イリナは班員の脱出を確認し、安堵の笑みを浮かべる。
地下送電施設の制御室。ヴァレリアとネーベルの戦いは、火花と血の匂いの中で続く。ノクティア・オルドの隊員はシュヴァルツを牽制し、制御室のバックアップシステムをハッキング。ナタアワタとガフラヤサタの通信ログを発見する。「上級指揮官!証拠データ、確保!」隊員の報告に、ヴァレリアは目を輝かせる。だが、ネーベルが動く。プラズマナイフが制御パネルに突き刺さり、システムがスパークを上げてダウン。データチップが焼け焦げる。「貴女の『正義』は、ここまでよ。」ネーベルの冷笑が響く。ヴァレリアは激昂し、カガヤキを振り上げるが、ネーベルは暗黒物質シールドで防ぎ、煙幕弾を投擲。制御室が白煙に包まれ、シュヴァルツ全員が撤退する。「待て……!」ヴァレリアが煙を切り裂くが、ネーベルの姿は消えていた。制御室には、焼け焦げたデータチップと血の痕だけが残されていた。
アルヴィオン・ノクターンに負傷したノクティア・オルドが帰還する。イリナ班のデータチップは確保されたが、ヴァレリア班の証拠はネーベルに破壊された。ブリーフィングルームで、ヴァレリアは隊員たちに頭を下げる。「私のミスで証拠を失った。だが、イリナ班のデータが残っている。私たちの戦いは終わらない。」イリナが血を拭いながら笑う。「仲間を救ってくれた。それだけで十分よ。」セリスが続ける。「爆破の真実は、奴らの本性を暴いた。私たちの正義は揺らがない。」ヴァレリアは頷き、戦術端末に目を落とす。イリナ班のデータには、ガフラヤサタの資金ルートが一部記録されている。完全な証拠ではないが、ナタアワタの裏取引を暴く糸口だ。「アリス総理に報告する。次の作戦は、ナタアワタの仮面を剥がし、シュヴァルツを叩き潰す。民間人の無念、ヴァイスとルゥナの命、全てを賭けて。」隊員たちが敬礼する。「了解!」
神聖旭日連邦帝国首都地球首相官邸執務室。深夜、アリス総理とエイン外務大臣は、ヴァレリアからの報告を受けていた。ホログラフスクリーンに映る、ナタアワタの瓦礫とイリナ班のデータチップの記録。「証拠を一つ失ったけど……ヴァレリアたちは、よくやったわ。」アリスが静かに言う。エインは拳を握る。「シュヴァルツの非道は、銀河連邦の世論を動かす。私が元老院で、ナタアワタの裏取引を糾弾するわ。」アリスはエインの手を握る。「貴女ならできる。けど、無理はしないで。貴女は私の……大切な人だから。」エインの頬が紅潮し、微笑む。「アリス……ありがとう。私も、貴女のために戦うわ。」二人の視線が交錯する瞬間、通信端末が鳴る。秘書官からの報告だ。「総理、銀河連邦から緊急連絡です。エルネスタ・タワー爆破を受け、元老院の臨時会議が招集されました。」アリスは頷き、エインと目を合わせる。「次は、私たちの番ね。銀河に、正義を証明する時が来た。」
ナタアワタの闇は、未だ閉ざされている。だが、ノクティア・オルドの刃は、仮面に傷を刻んだ。シュヴァルツ・シュトラークの冷笑、ゲルマヴァルドの野望、エクレールの策略は、正義を試す試練だ。しかし、ヴァレリアの決意、アリスとエインの絆、ケタサカの誇り、ゼンメホの再生は、銀河の希望として輝く。エルネスタ・タワーの無念は、ノクティア・オルドの心に火を灯し、次の戦いへの覚悟を固めた。天の川銀河は、戦乱の渦へと突き進む。その中心で、神聖旭日連邦帝国の剣は、闇を裂く光となるだろう。