解説 宇宙軍兵備紹介6
『戦略拠点防衛用巨大宇宙要塞エストラーデ級
直径120キロ(中枢核部70キロ、防衛輪環構造込み)
全高220キロ
要塞構造
多層リング型防衛要塞、中核コア型制御構造、空間層格納域
武装
超巨大光子力破壊光線発射機1基(要塞中心軸部)
55センチ光子力砲3連装180基540門
30センチ光子力砲3連装240基720門
150ミリ光子力砲連装400基800門
100ミリ光子力砲単装800基800門
VLS5800セル
短距離防御ミサイル8連装発射機1400基
近距離防御ミサイル21連装発射機3100基
40ミリ光子力パルスガトリングガン4800基
20ミリ光子力パルスガトリングガン7500基
魚雷発射管1600門
搭載機1200機(航宙機800機・汎用人形機動兵器400体)
神聖旭日連邦帝国宇宙軍が広大な領域各地に建造した、戦略拠点用巨大宇宙要塞である。巨大な構造物内に最大200万人の将兵を、収容可能な恒常都市型居住区域を設けている。平時には要塞は基本的に自律防衛・監視モードを行い、航宙機部隊とバトルフレーム部隊で宙域防衛を担う。その為に全機は要塞所属であり、再整備可能な完全自立運用体制を整えている。
有事には防衛体勢に突入し、重武装と重装甲による圧倒的な抗戦能力を見せる。そしてその間に宇宙軍連合艦隊がゲートウェイをくぐり抜けて到着する事になる。戦略拠点防衛用巨大宇宙要塞エストラーデ級は[艦隊を必要とせず防衛線を維持できる]という、極めて特殊な軍事理論に基づいて建造されている。これが神聖旭日連邦帝国防衛戦略の中枢にして、全宙域防衛の要石となるのである。
しかしどれほど堅牢でも、要塞は[動かぬ存在]なのである。つまり戦略上必ずしも万能ではなかった。要塞は敵の侵攻を[止める]為のものであり、[押し返す]のは、宇宙軍連合艦隊の役目だった。だからこそ神聖旭日連邦帝国は、要塞に宇宙軍連合艦隊を常駐させず、機動戦力を別に維持する構造を採っている。要塞は[時間]を稼ぎ、宇宙軍連合艦隊は[決断]を下す、それが神聖旭日連邦帝国宇宙軍の戦略体系であった。
配備は合理的かつ戦略的に行われ、各要塞は周囲宙域の監視・制圧を担い、平時はその[威容]が外交にすら影響を与えるのである。』
広瀬クレア著
『神聖旭日連邦帝国宇宙軍史』より一部抜粋