刃の会議、闇を貫く準備
同時刻。ナタアワタ共和国首都、宇宙港に停泊する特殊作戦艦アルヴィオン・ノクターン。漆黒の艦は光学迷彩で隠れ、司令部として息を潜める。その中でアリス総理とエイン外務大臣の強硬手段決断を受け、ヴァレリア上級指揮官は作戦会議を開き、ブライス確保とナタアワタ共和国の秘密ラボ強襲を準備するのであった。
ブリーフィングルームで、ヴァレリア・セラフィム上級指揮官は12名のノクティア・オルドを見渡す。ホログラフスクリーンには、ブライス補佐官のクローン証拠、ナタアワタ共和国の大統領府とラボの配置図、リナ・ヴェールの内部告発データが映る。
ヴァレリア上級指揮官がスクリーンに目を据え、言う。「皆聞いて、任務は明確よ。アリス総理の命で、ブライス補佐官を確保、ナタアワタ共和国の秘密ラボを強襲する。ガフラヤサタ連邦のクローン技術データを奪うわ。失敗は許されない。」
第2班班長イリナ軍曹が、頷く。「了解。ブライスのクローン証拠、内部告発で掴みました。ナタアワタ共和国の量子AI監視システム、これが厄介です。どう突破します?」
第3班班長セリス軍曹が言う。「シュヴァルツ・シュトラックの暗殺ドローンも脅威です。秘密ラボのセキュリティも、ガフラヤサタ連邦の技術で強化されてる可能性は限りなく高いです。それに、エクレールの不自然な微笑み、ブライスと繋がってる気がするのです。」
ヴァレリアがスクリーンを操作し、ラボの配置図を拡大した。「イリナ、セリス、鋭いわね。ナタアワタ共和国の通信封鎖、量子AI、暗殺ドローン、全部想定済みよ。作戦はこう。光子力テレポートで大統領府に潜入し、まずはブライスを拘束。同時進行で、ラボに別働隊を送り、データを確保するわ。」
イリナが目を細める。「大胆な作戦ですね、ヴァレリア。ブライスの動きは完璧すぎる為、クローンとはいえ、抵抗されたら厄介では?」
ヴァレリアが微笑む。「だからこそ、スピードが命よ。光子力テレポートで一気に確保、抵抗させない。それで、戦術AIエクリプスを使って、ブライスの通信信号をジャミングするわ。セリス、ドローンの対処、頼んだわよ。」
セリスが頷く。「了解、ヴァレリア。暗殺ドローン、EMPパルスで無力化する。それに、ラボのセキュリティは、私の班でハッキングします。」
ヴァレリアが言う。「リナ・ヴェールの証拠から、ラボにエクレールのデータもあるはず。全部奪うわ。」
イリナが言う。「30万人の犠牲、シュヴァルツ・シュトラックの100万人警告…この作戦が、失敗したら平和が終わるわ。でも、ヴァレリアならできるよね?」
ヴァレリアが目を輝かせる。「イリナ、信じてくれてありがとう。アリス総理とエイン外務大臣が戦ってる。私たちも負けないわよ。神聖旭日連邦帝国の正義、ぜんぶ見せるわ。」
セリスが微笑む。「ヴァレリア、最高の指揮官よ。それで、作戦のタイミングはどうする?」
ヴァレリアがスクリーンを指す。「同時攻撃よ。私の班がブライスを確保、イリナの班がラボのデータ奪取、セリスの班がドローンと監視システムを無力化。エクリプスに量子AIの解析をフル稼働させる。ゼンメホ帝国のカウンタークーデター並みの精度でいくわ。」
イリナが言う。「了解。リナ・ヴェールのデータでラボの位置はバッチリ。それに、ブライスのクローン信号、追跡済みだわ。成功させるよ。」
セリスが続ける。「シュヴァルツ・シュトラックのドローン、過去の戦いでパターン掴んでる。監視システムのハッキング、私に任せてよ。」
ヴァレリアが頷く。「セリス、イリナ、ありがとう。30万人の無念、ヴァイスとルゥナの覚悟、ぜんぶ背負ってる。この作戦で、ナタアワタ共和国の闇、終わらせるわよ。」
隊員たちが一斉に敬礼。「了解!」
ナタアワタ共和国の闇は深い。エクレールの洗脳、ブライスのクローン、シュヴァルツ・シュトラックの刃が、正義を試す。神聖旭日連邦帝国はガフラヤサタ連邦の資金ルートを追うが、真の計画に気づかず、銀河の世論に追い詰められていた。だが、ヴァレリアの覚悟、アリスとエインの絆、アナスタシアとエルシアの支持は、試練に立ち向かう光となる。
天の川銀河は、戦乱の渦へ突き進む。その中心で、神聖旭日連邦帝国は真実を掴む一歩を踏み出す。