第25話:冒険者ギルド
はい。若干遅れましたが、予定通り今日中に投稿できました
「じゃあ、ミトの装備の事よろしくね」
先程まで静かにお茶をしていたユイだったが、俺の依頼が終わったタイミングで食べ終わったのか、立ち上がりざまにそう言った。
「ミト、この後時間ある?」
「ああ、特に用事は無いよ」
「じゃあ、一緒に冒険者ギルドに行こうか。登録もまだだったしね」
「そう言えばそんなのもあったな。何か数時間前に聞いたばかりなのに、かなり前に聞いたような気がしてくるよ」
「まあ、それだけ楽しめているってことだよ。冒険者ギルドまで少し時間かかるし、ギルドの説明しながら行こうか」
三人に挨拶を終え店を出た俺達は冒険者ギルドへ向かって歩き出した。
ユイはぽつぽつと冒険者ギルドについて語りだした。
冒険者にはFランクからSSSランクまでがあること。
Bランク以上へは一定以上の成績と、ギルドの指定したクエストをクリアする必要があること。
Bランク以上のクエストはそのランク帯に入らないと基本的に受けられない事など、冒険者について基本的な情報をいろいろと教えてくれた。
「さあ、ここが冒険者ギルドだよ」
そう言ってユイが示したのは、盾と剣が描かれた一つの看板のかかる建物だった。
三階建ての建物で、横幅も周りの建物に比べるとかなり広い。
扉は簡単に開くようになっていて、外から中は丸見えだ。
「じゃあ、入ろうか」
そうユイが言った次の瞬間、人が扉の真上をこえ飛んできた。
人の飛んできたタイミングでユイの袖を引っ張ったのでユイには当たらなかったが、少し吹っ飛んできた男が気になったので目線だけそちらに向ける。
男の頭の上にはNPCであることを示す赤色のマークがついていた。
「こいつも衛兵につきだした方がよさそうだな」
「待ってくださぁぁぁぁぁぁぁぁい!!!!!」
俺がぽつりとその言葉をこぼすと、今度は扉の奥から制服を着た猫耳をつけた少女が飛び出してきた。————大声で叫びながら。
「こんな危険なことをしたんだ。衛兵につきだすのは当然の事だろう?勿論、吹っ飛ばしたにも関わらず、そこで素知らぬ振りをしている男も一緒にな」
そう言うと中でこちらのことを気にしてもいない振りをしていた男は大きく肩をびくつかせ、こちらへ振りかえる。
「なんだ、バレてたのかよ」
「バレバレだ。少しは隠す努力をしてみろ」
「はぁ、まあいいか。そいつはちょっとした事件の重要参考人だからな。勝手に衛兵に連れてかれると困るんだよ。だから、連れてかないで貰えると助かる」
「あい分かった。なら、お前だけを衛兵へ突き出すとしよう。今吹っ飛んできたんだ。こいつも被害者で、お前だけが加害者でも通るだろう」
「うわぁ。おそろしいまでに落ち着いてるな。俺を連れていけると思ってるのか?」
そう言った男を改めて上から下へと見下ろしていく。
だらしない髪形に無精ひげ、着崩したのかただまともに着れていないだけなのか良く分からない衣服。所々破れたズボンに薄汚れた靴。
正直強そうには見えないが、後ろに背負っている剣は業物のように見えなくもない。まあ、小汚い鞘に包まれているので、その見た目から判断するのは難しいのだが、正直技術で負けていなくとも、レベル差の影響で勝つことは不可能に近いだろう。
「まあ、連れていけなくても、お前をここにとどめておくくらいなら出来るかな」
剣を抜きながらそう言うと、男も立ち上がり剣へと手を伸ばし始める。
「だから待ってくださぁぁぁぁぁい!」
丁度その時、忘れかけていた少女の叫び声が脇から聞こえてきた。
正直、近くで叫ばれたせいで耳がキーンとする。
「うるさっ」
「そう言われるのはちょっと傷つくのですが!?」
「だったらもう少し音量下げろよ」
「そ、それは‥‥って、話をそらさないでください!待ってくださいといっているではないですか。何で戦い始めようとしているのですか!ギルドメンバーどうしの私闘は禁止されているんですから、やめてください!」
「俺ギルドメンバーじゃないからな。一般人だしその一般人をオタクのギルドメンバーが攻撃したとは‥‥どうなるんだろうな?」
にっこりと笑いながらその少女に問いかけると、彼女は顔を真っ青に染めていった。
「第25話:冒険者ギルド」をご覧いただき有難うございました
次話の投稿は未定ですが明日の朝6時に投稿する予定です
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