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飽き症の天才は飽くなき無限の世界へと旅立つ  作者: 聖花 シヅク
第2部:天才はかくして面倒ごとに巻き込まれる
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第16話:仲間

昨日は何の連絡もなしにおやすみしてしまいすみませんでした

単純に寝落ちが原因です

休みが少なく、疲れが溜まっていたみたいです


後日昨日の分の補充はさせて頂きます

 ボス戦を終え、北の第2の町である【ヴェント】へと転移した。

 ちなみに、【ヴェント】は『風』という意味だ。


 そして、【ヴェント】に到着した時点で、終わりの挨拶をして配信は終了した。


「じゃあ、そろそろログアウトしようか?」

「そうだな。もうログインして5時間くらいは経つしな。一度ログアウトするか」

「うんうん。ゲームのやりすぎで体調崩したら元も子もないからね。あ、ログアウトするのに宿屋に行かないとだね」


 このゲームではログアウト時にこの世界で使っているアバターは消えない。なので、ログアウトするときには宿屋などの他の人の入ってこれない室内や、特定のアイテムを利用しないと簡単にPKされてしまう事もあるそうだ。

 まあ、特定のアイテム自体が存在する明かされていないし、家などの購入もほぼ不可能なため、今のところは宿屋が現実的な所だろう。


 ユイはそう言うとどこかへ向かって歩き出した。


「アバターが残るんだったか?」

「そうなんだよね。珍しいとは思うけど、その分こっちの世界がもう一つの現実、って感じがしていいと思わない?」

「そうだな‥‥こっちでの目標も見つかったし、どれくらいかかるか分からないけど、頑張るとするよ」

「‥‥ミトが目標?珍しいこともあるものね。どんな目標なの?」


 一瞬驚いたような表情をし、目標を訊いてくるユイ。

 確かに、俺が目標という言葉を使ったことは少ないかもしれないな。


「そうだな‥‥まあ、言ってもいいか。オリンポス12神に勝つことだよ」

「神に勝つ?」

「ああ。一瞬感じただけだけど、どれほどか分からないほど大きな実力差が一瞬で理解できる威圧感だった。だからこそ、勝ってみたいと思ってね」

「ふーん‥‥じゃあ、その時は私も一緒よ」


 その言葉に一瞬驚き、返答が遅れてしまう。


「‥‥どうしてだ?」

「だって、仲間じゃない」


 はっとさせられた。

 ユイとは一緒にゲームをやることになるんだろうな、と漠然と考えていたのでパーティを組むのに何の抵抗もなかったし、何も考えずに了承した。

 でも、それは仲間だと考えていたかと言われればそれは違う気がする。

 今までどんなスポーツをやっても周りからは異常なほどの賞賛か恨みを買うことばかりだった。だから、何をやってもどこか周りから一歩下がったところに自分の意識を置き、ある程度でやめてしまうことが増えてしまったのだ。


 欲しかったのは異常なほどの賞賛でも恨みでもなく、一緒に研鑽しあえる友達や競いあうことの出来るライバルだったのだ。


「‥‥ああ、そうだな」


 俺はその一言を絞り出し、それと同時にユイは歩みを止めた。


「ここだよ」

「宿屋か?」

「うん。じゃあ、入ろうか」


 そう言うとユイはドアを開け中へと入っていった。


「いらっしゃい。泊りかい?」

「2人、一部屋でお願いします」

「おいユイ。流石に一部屋は…」

「ログアウトするだけでしょ。それに、お金はまだ全然足りていないんだから節約できるところでしていかないとでしょ?設定で過度な接触は無理なようになっているから大丈夫よ」

「ユイがそう言うならまあいいか‥‥」


 どうせユイはこういう時に言った事を曲げてはくれないので気にしないことにした。


 そして、店番をしていたおばちゃんに部屋の番号の付いた鍵を渡され、場所だけ教えて貰い移動した。


「じゃあ、ログアウトしようか」

「そうだな。じゃあ、また後で」

「うん。また後でね」


 俺とユイはそう言うとメニューを開き、ログアウトした。


「第16話:仲間」をご覧いただき有難うございました

次話の投稿は明日の同じ時間に投稿する予定です


続きが気になる、など思っていただけたら

ブクマ登録いいねや☆の方をつけてくださると励みになりますのでよろしくお願いします


では、また次話でお会いしましょう

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