第10話:リジェロ
ようやく今話で10話に突入です
長いようで短かった‥‥!
これからも更新続けられるように頑張ります!
俺とユイは雑談をしながら歩いていく‥‥つもりだったのだが、この街‥‥というか都市は一つの国家らしく、かなり広いため数分程で出られるような距離では無い様だ。
アイテムボックスを開いたところ、街の地図が入っていたためそのことを知ることができた。
今回はマッピングが街の地図のおかげでできたが、地図がない場合は実際にその場所を移動することでマッピングすることになるらしい。
そのため、俺達は町の中を定期的に通っている、街列車と呼ばれるものに乗ることになった。この世界のコンセプトは中世ヨーロッパのような世界観で、魔法と剣の世界のようなものかと思っていたが、少々違う様だ。
「おっちゃん、北口までどのくらいかかるの?」
「うーんそうだな‥‥今の時間は人が少ないし、乗る人がいなければ20分ほどかなぁ」
ちなみに、列車といってはいるが、速度としては原付の速度くらいなので、20分という事は街の中央から北口まで大体10km程度だという事だ。
一つの都市としては大きい様な気がするが、国家としてみるなら小さい、そんな広さとなっている。
「この街はどんなところなんだ?」
「うん?もしかして、君は稀人なのかい?」
稀人とは、この世界の住民が俺達のようなプレイヤーを呼ぶときに使う呼称だ。
元の設定としては異世界人を呼ぶ呼び方だとかなんとか、世界観を設定した担当者が言っていたそうだが、詳しいことは調べていないので分からない。
「ああ、そうなんだ。今日この世界にやってきたもんでね。何からやればいいのか分からなくて、まずは戦ってみようかなって」
「最初にやることが戦闘かい?流石、稀人はやることが違うねぇ。確か、死んでも神様の力で蘇らせてもらえるんだろ?」
「そうらしいな。まあ、勿論死ぬつもりはないよ。まあ、気楽に楽しもうと思ってね」
ちなみに今は配信中だが、ユイが一人でコメント欄のユミイトfamの人たちと話してくれている。
俺は情報収集の時間だ。
「そうかいそうかい。あ、この街がどんなところか?だったね。この街は世界で唯一の不可侵国家さ。他の国々が定めた法に従って、この国を害する行為やこの国を戦争に巻き込む行為は禁止されているんだ。そして、それを破ると契約魔法の効果に従って、破った者たちに罰が与えられることになる」
今更な気もするが、この国の名前は【リジェロ】というらしい。イタリア語で『灯火』の意だ。
もしかしたら、他の国々をまとめる礎になってほしいという意味が込められていたのかもしれない。
「まあ、勿論その破った者が国の者だった場合、その国は酷いことになるだろうね。昔小国家の一つが、それが原因で酷い目にあったという事を訊いたことがあるよ。そう言った理由でこの国は世界で一番平和な場所といっていいだろうね。勿論、魔物の脅威はあるんだけど、国の周囲には何重にも張られた魔物避けの結界があるから安心だよ」
世界で一番平和な都市か‥‥
これはイベントの伏線なのかどうなのか‥‥気になるが、今気にしても仕方がないか。
「あとは‥‥そうだね。この街は4つの区画に別れていてね、北が商業区画、東が冒険者区画、南が生産区画、西が住宅区画になっているよ。宿なんかは商業区画や冒険者区画にもあるんだけど、どちらもギルド会員証がないといけないから、どちらも取っていないなら住宅区画に安めの宿があるよ。まあ、その分特にサービスもないんだけどね」
「じゃあ、早めにギルド会員証は作った方が良いんですね‥‥説明有難うございました」
「いやいや、感謝されるような事でもないよ。いつもは一人で誰とも話さなくて暇だったんだけど、今日は君が話し相手になってくれたからね。おっと、そろそろ北口に着くから、彼女と一緒に降りる準備をしてきなさい」
おっちゃんが言った通り、北口は見えてきていたのでユイを呼びに行く。
「ユイ、そろそろ着くよ」
俺はユイに話しかける際の声に注意する。
「分かった!じゃあ、ユミイトfamの皆!もうすぐ初戦闘になるぞ!チャンネルはそのままに待っていてね!」
どこぞのTV番組の宣伝のようなことを言いながら降りる準備を始めるユイ。
そして、1分もしないうちに北口の前に到着した。
「おっちゃん、色々教えてくれて助かったよ。代金はいくらかな?」
「代金は2人で840ミルなんだけど、話し相手になってくれたから少しまけて800ミルだよ」
「お金なんて全然なかったから助かるよ。これ、代金ね」
お金の出し方は簡単で、アイテムボックスに書かれているお金の欄から使う分だけのお金を入力するだけだ。その際に、金貨や銅貨なども自動で変換してくれるようだ。かなり助かる機能といえるだろう。
「はい、丁度ね。帰りも乗るんだろう?私の列車は大体四時間後くらいにここに戻ってくるからね。他の列車も一時間おきくらいで着くだろうから、時間は考えて戻ってくるようにね」
おっちゃんは最後まで世話を焼いてくれるようで助かった。
「ああ、また機会があったら乗らせてもらうとするよ」
おっちゃんと別れ、今度こそ俺とユイは北口から外へと出た。
「第10話:リジェロ」をご覧いただき有難うございました
次話の投稿は未定ですが明日の同じ時間に投稿する予定です
続きが気になる、ユイをもっと出せ!、など思っていただけたら
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では、また次話でお会いしましょう