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(付録) 意識の概要  作者: 安田孫康
14/23

13 意識の物理的な形成

13 意識の物理的な形成


  (ちらし) 意識は物理的


  (ちらし) 意識の所在


  意識の予想される特徴


  意識の形成につき推測されること


  意識の形成についての予想


  ビグ バンから意識の形成までのスケチ


  意識形成の概略


  意識の発生についての主な根拠と可能性


  生物と意識のあいだの関係


  1個の物質としての生体の様相






  《 (ちらし) 意識は物理的 》


発話の筋肉運動はかならず意識に形成される思考にもとづき生じます。(そして、人間や動物のほとんどの動作も思考にもとづき生じている、と推測されます)。このことは、意識と物質のあいだに接点があり、意識が物理的であることを意味します。意識は物理的実体です。


さらに、このことは、少なくとも細胞などの生体内におき、物質が思考(観念・意識)にもとづき動きうることも意味します。


こういうことは、意識から物理学への贈り物のようなことです。物理学にとり新しい世界が広がりています。






  《 (ちらし) 意識の所在 》


意識には身体感覚作用と思考作用が具わりています。そして、これらは、大きな作用です。特に、思考作用は、本質的に大きくなくてはなりません。


すると、意識にそなわる作用は、無数の構成要素から形成される大きなものである、と予想されます。


そして、大きな作用の結果である大きな身体感覚や思考を、意識は感知できます。


すると、意識は、さらに、1個の量子のような統合性や包括性を具えしものである、とも予想されます。


しかるに、脳は、それがどれほど高度に組織化されていようとも、1個の量子では決してありません。脳は、物質的――外的――に評価するなら、無数の物質の集合体にすぎないのです。


このため、意識が脳の物質的――外的・巨視的――な面で発生することは有りえない、と予想されます。


このゆえ、意識は、脳の非物質的――内的・微視的――な面におき、脳に重なるかたちで発生するほかはない、と強く推測されます。


そして、物質の非物質的――内的・微視的――な面は、物質作用により体現されます。物質作用が、物質(と既知の巨視的物理法則)の正体であり、かつ、源です。(無は存在しないので、物理法則を施行するものは、(エナァジで体現される)物理的実体として、かならず存在しなくてはなりません)。


このため、意識は、物質作用のうちの、意識の巨大な作用を形成しうる物質作用から形成される、と予想されます。その作用は、自己状態測定作用と自己次期状態操作演算作用です。脳を構成する無数の物質に具わるこれらの作用が意識の構成要素、と予想されます。






  《 意識の予想される特徴 》


1) 意識は物理的

2) 意識は物理現象

3) 意識は大まかには作用

4) 意識は秩序

5) 意識は統合的・包括的で大きい (重要)

6) 意識の質は微視的 (重要)

7) 意識は一人称をとる主体(私)である (超重要)


  ................


1) 意識は物理的


意識は、自分の体や外界を感知できます。また、思考により体(筋肉)を動かすことができます。(ただ、思考が、脳という物質でなく、意識で果たされていることには、説明が必要です。そして、このことは、意識に自由意志が具わりていることまでは、意味しないです)。これらのことは、意識と物質のあいだに何らかの接点があり、意識が物理的であることを、意味します。


2) 意識は物理現象


意識は、発生したり、消滅したり、しています。また、つねに変動しています。なので意識は何らかの物理現象と推測されます。(この宇宙において、変動するものは必ず物理現象です)。


3) 意識は大まかには作用


意識は五感や思考を感じることができます。それらの元となる作用が意識で動作するなら、それらの動きは、自動的に、意識に、五感や思考と感じられるだろう、と思われます。(思考は、五感と同様、意識に感じられるものと、思われます)。言わば、五感や思考の感覚は、作用の動きの影のようなものです。作用の動きが時間の経過のなかで持続すると、その動きの持続がみずから感覚になるだろう、と推測されます。五感をもたらすものは、身体感覚作用です。思考をもたらすものは、思考作用です。意識は、身体感覚作用と思考作用の合わさりしもの、と推測されます。そして、意識の持続する動きがみずから精神になるのかも知れません。


4) 意識は秩序


作用は、作用の名に値するなら、秩序です。しかも、高度な秩序です。このゆえ作用と推測される意識も高度な秩序です。


5) 意識は統合的で包括的で大きい (重要)


意識は、脳の様ざまな部位で生じる無数の感覚や思考を、同時に感じることができます。意識の存在様相はここではまだ不明ですが、このことは、意識が、なんらかの形で脳に重なる、大きく、統合的で包括的なものであることを、意味します。


6) 意識の質は微視的 (重要)


意識は、おそらく、無形で、触れず、観測や測定が難しいか不可能で、ふつうの物理法則が適用されてない、と思われます。そして、これらのことから、意識の質は微視的かもしれないと、推測されます。


7) 意識は一人称をとる主体(私)である (超重要)


この宇宙は、巨視的には、徹底的に、三人称をとる客体の世界、と思われます。そして、そういう世界に、一人称をとる主体(私)である意識が無条件にただで存在できるとは、とても思われません。意識が巨視的なレヴェルで発生できるためには、物質の、根底の、微視的な面に、意識をもたらしうる主体性の具わりていることが、つよく推測されます。そして、その主体性を担うものは、物質にそなわる作用群をおき、ほかには見当たらないと、思われます。作用群が、「主体と客体の二重性」・「能動性と受動性の二重性」をゆうする物質の主体性の本体です。






  《 意識の形成につき推測されること 》


意識の予想される特徴から、意識の形成については、以下のようなことが推測されます。


  ................


a) 意識は、物質を基盤として形成される

b) 意識は、物理的秩序の形成をうながす原動力により形成される

c) 意識は、おおきく特異な量子のようなもの

d) 意識は、物質にそなわる作用の同類

e) 意識は、実体は扱わず、観念的な働きをはたす大きな作用

f) 意識は、物質にそなわる、実体は扱わず、観念的な働きをはたす作用から形成される


  ................


a) 意識は、物質を基盤として形成される


無は存在しなく、無からは何も形成できません。1)~4)の特徴から、意識は、なんらかの形で、物質を基盤として形成されることが、推測されます。


b) 意識は、物理的秩序の形成をうながす原動力により形成される


3)と4)の特徴から、意識は、物理的秩序の形成をうながす何らかの原因・効果・根拠・メカニズム・枠組・要因などの働きにより形成されることが、推測されます。


c) 意識は、おおきく特異な量子のようなもの


5)の特徴から、意識は、おおきく特異な量子のようなもの、と推測されます。なぜなら、この宇宙では、1個の物理的な実体としての統合性・包括性を帯びれるものは量子だけ、だからです。


d) 意識は、物質にそなわる作用の同類


6)の特徴からは、素粒子の世界が連想されます。して、3)の、作用であることから、意識は、素粒子(物質)にそなわる作用の同類ではないか、と推測されます。さらに、7)の特徴からも、意識の源が物質にそなわる作用かも知れないことが、期待されます。


e) 意識は、実体は扱わず、観念的な働きをはたす大きな作用


3)の特徴から、意識は、観念的な働きをはたす大きな作用、と推測されます。なぜなら、身体感覚作用と、思考作用は、どちらも、エナァジで体現されるものである実体は扱わず、観念的な働きをはたすからです。たとえば、測定器・コムピュータァ・FPGAのような作用です。


f) 意識は、物質にそなわる、実体は扱わず、観念的な働きをはたす作用から形成される


d)とe)の推測から、意識は、物質にそなわる観念的な働きをはたす作用から形成される、と推測されます。


  ................


I) 意識は、脳(生体)に重なりている


以上のことから、意識は、大きく、統合的・包括的で、微視的で、実体は扱わず、観念的な働きをはたす、奇妙な量子のようなもの、と予想されます。


ところで、脳に存在する物質的(巨視的)なものは、脳を構成する物質群と電磁場だけです。しかし、これらは、1個の量子のような統合体を形成していず、意識ではありえません。


また、これらは、物質的なので、微視的である意識を形成することは、決してできません。逆です。物質的なもの――たとえば、固体の粒子――は、微視的なものである物質の作用から、結果としての静的な物理性質(スケイラァ量)として形成される――そのように観察される――のです。


すると、意識は、非物質的(微視的)で、大きく、統合的・包括的で、特異な量子のようなものとして、脳に重なりつつ発生するだろう、と予想されます。(ほかに物質的なものが存在しないからです)。


意識は不思議なかたちで脳(生体)に重なりているのです。


  ................


II) 予想される意識の実体


以上のことから、意識の実体は、次のようなものではないか、と予想されます。


- 意識(の実体)は、意識が出現する生体(の構成要素の物質群)に重なるかたちで形成される、物質的な実体は扱わず、観念だけを扱う、大きく、統合的・包括的で、きわめて奇妙な、量子のようなもの、である。


  ................


III) 意識の形成に求められるもの


以上のことから、意識の形成には、以下のものが求められる、と思われます。


1) 物質にそなわり、意識の作用を形成しうる、観念的な働きをはたす内因的な作用


2) 物質にそなわる内因的な作用のレヴェルで物理的秩序の形成をうながす原動力






  《 意識の形成についての予想 》


仏国の哲学者のベルクソン(Henri-Louis Bergson)と、蘭国の哲学者のスピノウザ(Baruch De Spinoza, Benedictus De Spinoza)によるなら、無は存在しません。真と思われます。


そのゆえ、無は何事も果たすことできません。(なぜなら存在しないので)。


さらに、ビグ バン理論によれば、この宇宙には、根本的に、エナァジだけが存在します。エナァジが、この宇宙の唯一の元です。このエナァジが、それ自身が物理的実体であると同時に、そのほかのあらゆる物理的実体--空間をふくめ、いわゆる物質--の源です。


そして、エナァジ以外のあらゆる物質は、(きわめて高い温度の低下による)エナァジの凝縮または融合により形成されしエナァジの統合的な集合体です。(エナァジには、自分を素材として使う自発的な創発の傾向が具わりている、と思われます)。


そして、私たち人間や生物の意識さえ、エナァジの統合的な集合体と、思われます。


まず、意識を客観的に実証することはほぼ不可能と思われます。しかし、自分にとりて、自分の意識だけは明白です。


外的な事象や証拠は、それらと人間の意識のあいだで発生する無数の物理的な相互作用のはてに意識に感知または投影される言わば写像によりて、最終的に意識に客観的なものとして認知されます。


他方、自分の意識だけは、それの認知において、物理的な相互作用をいっさい必要とはしないです。自分の意識だけは、自分にとりては、言わば、即値でありて、実証をまるきり必要とはしないです。


このゆえ、自分の意識だけは、証拠や実証をいっさい必要とはしなく、それだけで完全に自明です。


そして、自分の認識では、自分の意識は、目覚めているあいだ、片時も停止することなしに、常に変化しています。


さらに、この宇宙において、時間の流れのなかにて変化するものは、根本的に、物理現象です。このゆえ、意識は、それを客観的に実証することは不可能であるにせよ、基本的には物理現象と思われます。意識は物理現象です。


そして、無は存在しなく、そこに、なんらかの機能が働きているか、または、なんらかの動きが生じているかするなら、それは、無によりては決して為されえず、必ず、何らかの無以外のものにより果たされなくてはなりません。


そして、無以外のものとは、エナァジとひろい意味での物質です。そして、物質は、エナァジの統合的な集合体です。


このゆえ、物理現象としての意識は、ひろい意味での物質--エナァジの統合的な集合体--の働きにより生じている--形成されている--、と推測されます。


ただ、物質の固体性--粒子性--は感覚的で大まかな写像や印象のようなものであり、物質の(機能的な)正体は、実際にはエナァジで体現される作用です。


このゆえ、意識は、物質の正体である作用の働きにより生じている、と予想されます。


そして、物質にそなわる作用は一人称の主体ですが、このことは、意識が一人称の主体であることにまさに適合します。物質にそなわる作用が意識の源であり、それが生物にては意識に昇格する、と予想されます。


ちなみに、物質にそなわる作用には、観念的な作用も含まれている、と推測されます。それは、A) 自己状態測定作用--検出作用・情報収集作用・感覚作用--と、B) 自己次期状態操作演算作用--設計作用・思考作用--です。(詳細はここでは説明できませんが)、物質の中でこれらの観念的な作用が働いていることは間違いないと、思われます。


ところで、物質にそなわる(観念的な)作用は、本質的に、生物物理学者の松野孝一郎先生により提唱されし内部観測の概念に基づきています。


(すると、信じられないかも知れませんが、物質には知性が具わりていることになります。なぜなら、観念的な作用とは、知的な働きだからです。


そして、観念的な働きは、本質的に、論理性と合理性に基づきています。このゆえ、物質、ひいてはエナァジが、論理性と合理性の源と思われます。人間のあいだで通用する、そして、この宇宙に発生する全ての生物のあいだで通用する、論理性・合理性・知性の源は、エナァジです。


ただ、論理性・合理性・知性は、生物の心や意識だけには限定されないと、思われます。これらは無生物でありえます。ゆえにこれは汎心論ではありません)。


さらに、意識は、無数の物質を基盤として形成される、と推測されます。人間の意識のばあい、脳を構成する無数の物質が基盤です。


このゆえ、意識は、一般に、きわめて巨大である、と推測されます。


しかも、意識は、巨大であると同時に、統合的です。なぜなら、意識は、無数の身体感覚と思考感覚を同時に感じることができるからです。(さもなくば、意識たりえません)。


そして、この宇宙では、統合的なものは、量子だけです。この宇宙では、量子だけが、1個の物理的な実体として、統合的たりうるのです。


すると、意識は、(脳または生体の)無数の物質を基盤として形成される、きわめて特異な量子のようなもの、と予想されます。意識は、物質面では無数の物質に支えられつつ、観念面では1個の(特異な)量子です。






  《 ビグ バンから意識の形成までのスケチ 》


これはビグ バンから意識の形成までのスケチです。


ビグ バン理論によれば、ビグ バンではエナァジだけが噴出しましつ。そして、空間をふくめ、この宇宙に存在するものは、全て、エナァジにより構成されます。つまり、この宇宙には、究極的に、エナァジだけが存在するのです。


(固体の存在は、直感的には不思議です。なぜなら固体の存在に根拠は根本的にないよう思われるからです。


そして、固体のことを考えはじめると、固体の構成要素としての素粒子のことに思いが至ります。そして、素粒子のことを考えはじめると、その構成要素はなんだろう、という疑問が浮かびます。素粒子の構成要素は、いかなる固形物なのでしょう? それは如何なる量子なのでしょう? (固体のことを考えはじめると、その考えは、最後には、その究極の構成要素のことに逢着せずにはいないです)。


しかし、ビグ バンではエナァジだけが噴出しつのでありて、いかなる固形物の量子も噴出しはしませんでした。


ちなみに、エナァジは物理性の原点ですが、エナァジそのものは、ビグ バン理論によれば、体積なくて、非物質的、と評価されます。エナァジは決して固形物ではないのです。


そして、素粒子は、実際には、ビグ バンでのインフレイション膨張のさいに、無数のエナァジの融合(創発)により形成されつです。素粒子の構成要素はエナァジです。そして、エナァジは、物質的でなく、固形物ではありません。


このゆえ、厳密な意味で、固体(固形物)はこの宇宙に存在しないです。私たち、サイズの大きな世界に住む人間にとり、固体や巨視的なものは、エナァジに具わる物理的作用の働きの、見かけじょうの投影・影・写像のようなものです。または、誇張して言うならば、それらは、エナァジの物理的作用という根拠ある、見かけじょうの幻想のようなものです)。


そして、じぶんの意識も、じぶんの主観による即値の感知によるなら、間違いなく存在します。(これは、いちばん確かな事実でありて、実証不要です)。そして、この宇宙に存在するものは、すべて、物理的なものとして、エナァジにより体現されます。そして意識はエナァジそのものと推測されます。このゆえ、エナァジを噴出させしビグ バンと意識のあいだには関係がある、と言えます。


  ................


1) ビグ バン・エナァジ・物質


2) エナァジや物質には物理的作用が具わりている


3) エナァジや物質にそなわる物理的作用は一人称の主体である


4) 物理的作用には観念的作用も含まれる


5) エナァジや物質には無生物の知性が具わりている


6) 物理現象はかならず完全に自動的に発生する


7) この宇宙に存在するものは全て物理現象である


8) 意識の存在


9) 意識は自動的に形成される


10) 意識の働きは完全に自動的に果たされる


11) 意識は必ず物質システム意識である


12) 意識は一人称の主体である


13) 意識の知性の源


14) 意識は物質の新しい形の進化である


15) (意識以降) より大きく高度かつ複雑な物理的秩序


  ................


1) ビグ バン・エナァジ・物質


ビグ バン理論によれば、この宇宙はおよそ138億年まえにビグ バンから始まりしそうです。


そして、このビグ バンでは、この宇宙を形成する無限量のエナァジだけが噴出しました。


物質(素粒子)は、ビグ バンのインフレイション膨張におき、無数のエナァジの固化の相転移により形成されました。


2) エナァジや物質には物理的作用が具わりている


エナァジには自己創発作用(または、自己融合作用)が具わりている、と評価されます。物質(素粒子)はこの作用によりて形成されつ、と思われます。そして、この作用は、インフレイション膨張でのような、系のエントゥロピー生成速度の減少により活性化される、と推測されます。


さらに、ビグ バン理論から、エナァジは体積なくて非物質的かつ不可視である、と評価されます。エナァジはこの宇宙の物理性と物質の源ですが、エナァジ自身はそういう不思議なものなのです。


体積ない無数のエナァジから自己創発作用により形成される物質には見掛けじょう体積があります。(ただし、厳密な意味で、物質内部は真空です。なぜなら物質は体積ないエナァジで形成されるからです)。このゆえ、エナァジには体積構成作用がある、と評価されます。(エナァジが物質を形成するさい、互いのあいだに少し距離を空けるなら、それで体積は構成されます)。また、形成される物質には、ほかの物質を押しもどす作用--作用・反作用の法則の源--が創発する、と評価されます。


そして、非物質的であるという点で、エナァジは物理的作用そのものと評価されます。エナァジは物理的作用そのものです。「エナァジ」は、物理的作用にたいする別名のようなもの、物理的作用の総称のようなもの、と言えます。


物質は、作用の働きによりもたらされる静的な結果--物理性質--であり、見掛けじょうのものです。物質は、作用の働きの効果・投影・写像のようなものです。「物質」は、物理的作用の別名のようなものです。または、「物質」は、比喩的には、エナァジ--物理的作用--という根拠ある幻想のようなもの、とも言えるかも知れません。(なぜなら、厳密な意味で、物質やこの宇宙は完全に真空だからです)。


3) エナァジや物質にそなわる物理的作用は一人称の主体である


物理的作用そのものであるエナァジは、外的エナァジの供給を受けることなく、完全に自発的・主体的・能動的に動作します。このゆえエナァジの物理的作用は一人称の主体です。また物質の作用も同様です。


4) 物理的作用には観念的作用も含まれる


エナァジの動きが物理的に厳密であるためには、エナァジの作用には観念的作用も含まれなくてはなりません。これは必然です。次の二つです。


B) 自己状態観測作用

C) 自己次期状態操作演算作用


B)の自己状態観測作用は、意識の身体感覚作用の源です。そして、C)の自己次期状態操作演算作用は、意識の思考作用の源です。


ちなみに、つぎの作用もエナァジの作用ですが、これらは物質的作用です。


A) 外因物理影響受容作用

D) 演算結果実施作用


そして、エナァジや物質に具わる作用は、個別的分類と構成的分類の二通りの仕方で分類できる、と思われます。


以上の作用は、構成的分類での作用です。そして、以下の作用は、個別的分類での作用です。


- 自己創発作用(または、自己融合作用)

- 体積構成作用

- 押しもどし作用


5) エナァジや物質には無生物の知性が具わりている


観念的作用は、言わば、知的な働きです。このゆえエナァジには無生物の知性が具わりていることになります。(そしてこの知性も一人称の主体です)。


6) 物理現象はかならず完全に自動的に発生する


この宇宙において変化するもの(動くもの)はかならず物理現象(物理事象)です。


そして物理現象はかならず完全に自動的に発生します。


7) この宇宙に存在するものは全て物理現象である


そして、この宇宙に存在するものは、すべて、物理的であり、物理現象であり、かならずエナァジや物質で体現されます。(エナァジで体現される物理現象ではないものは、この宇宙には存在しないです)。そして、物質は、無数のエナァジの統合的な集合体です。


8) 意識の存在


((事実性のいちばん高い)意識による即値の認知(感知)を信頼するなら)、意識は、それが発生しているあいだ、片時も休まず変化しつづけて(動きつづけて)います。このゆえ意識は物理現象です。意識は、ダイナミクに発生し消滅する物理現象です。意識はそういうものとして存在します。


物理現象である意識も、エナァジで体現されて、かつ、エナァジそのものです。(この宇宙にはエナァジだけが存在するので、意識も必ずエナァジで体現されなくてはなりません)。


そして、(物理的)意識は、身体感覚作用と思考作用の合わさりし(物理的)観念体と推測されます。この2つの作用は、その意識が形成される生体についての観念的な機能を果たします。


9) 意識は自動的に形成される


そして、この意識--身体感覚作用 + 思考作用--は、その生体を構成する無数の物質にそなわる観念的作用--自己状態観測作用・自己次期状態操作演算作用--から創発する、と予想されます。


そして、その創発は、エナァジの自己創発作用(または、自己融合作用)の働きにより実現されます。


さらに、自己創発作用は、生体でのエントゥロピー生成速度の減少により活性化される、と予想されます。


つまり、意識は、根本的に、エナァジの自己創発作用と、系のエントゥロピー生成速度の減少により、自動的に形成されるです。


10) 意識の働きは完全に自動的に果たされる


そして、意識(= 意識にそなわる作用)の働きは完全に自動的に果たされるです。形成される(物理的)意識はみずからの形成に決して関与してはおりません。被造物である意識がみずからの形成に積極的に関与することはできないのです。


たとえ私たち人間の(感覚的)意識が身体感覚や思考の感覚を感じていようとも、このことは、私たち人間の意識がそれらを自分で生みだすことまでは意味しないです。


しかし、じぶんの意識に思考が感じられるなら、それは自分みずから考えつ、と私たちが思う(誤解する)ことは、不自然ではありません。なぜなら、じぶんの意識に思考を吹きこんでくれるような存在(他者)はどこにも存在しないからです。


それでも意識は完全自動で形成されるです。意識は完全自動で形成されつづけているのです。


そして、形成されつづける物理的意識の内容が、そのまま、ダイナミクな身体感覚や思考(物理的観念)になりています。身体感覚や思考の感覚も完全自動で更新されつづけるのです。


こういうことのため、厳密な意味で、自由意志は存在しないことになります。自由意志は存在しないです。


11) 意識は必ず物質システム意識である


また、意識は、かならず、(意識の母体を構成する)無数の物質にわたり形成されるです。つまり、意識は、より正確には、物質システム意識です。無生物の意識であると生物の意識であるとを問わなく、意識はかならず物質システム意識です。


(雪の結晶のような、各種の物質の結晶の塊の形成プロセスなどにては、無生物の意識が発生すると、推測されます)。


12) 意識は一人称の主体である


また、意識は一人称の主体ですが、それは、意識の源である物理的作用そのものであるエナァジが一人称の主体であることと整合します。


ちなみに、エナァジ・物質の内的作用・意識が一人称の主体であることは、きわめて重要です。


無数の物質にわたり形成される意識という大きな融合体が一人称の主体であるためには、その構成要素であるエナァジがそもそも一人称の主体でなくてはならないと、つよく期待されます。それはほとんど不可避です。


ちなみに、また、一人称の主体の意味ないし要件は、その本体が自発的・主体的・能動的に動作できること、と思われます。


13) 意識の知性の源


さらに、意識は、生きている知性ですが、エナァジの無生物の知性--自己状態観測作用 + 自己次期状態操作演算作用--がその源と思われます。


(エナァジの無生物の知性とは異なり、生物の知性が生きていると評価されることには、別途理由があると思われます)。


とにかく、巨視的レヴェルで実現されるあらゆる微視的機能の源は、そもそも、この宇宙のすべての(物理的)存在の源であるエナァジに具わりていなくてはならないのです。


14) 意識は物質の新しい形の進化である


意識は、また、物質の新しい形の進化でありて、意識特有の様相をもつ、きわめて大きく高度かつ複雑な物理的秩序です。


15) (意識以降) より大きく高度かつ複雑な物理的秩序


意識は、さらに、それ以降の物質進化--より大きく高度かつ複雑な物理的秩序の形成--の基盤になる、と予想されます。


以下のことなどがそういう物質の進化--新しい物理的秩序の形成--に該当すると思われます。


- 新しい又はより大きな物質の形成

- 意識の形成

- 各種の物質の結晶の塊の形成

- 生物の発生

- 生体(細胞・組織・器官)での知性(意識)と記憶の発生

- 生物の進化

- 生物や人間における創造性と想像性の発現


意識--身体感覚作用・思考作用--は、意識特有のかたちの動的物理的秩序です。意識の形成は、物質の進化の新しい形です。


細胞に生きている知性の発生することは、生物学による、細胞内部の物理事象のメカニズムの解明により、間接的に証明されています。さらに、脳のない単細胞生物である粘菌やプラネリアに知性と記憶の具わりていることも、間接的に実証されています。


エントゥロピーは増大するという熱力学第二法則ゆえに、細胞・組織・器官などの生体の自発的・主体的・能動的な動き--これらは、普通、目的的かつ合理的であり、動的物理的秩序です--は、それに生じている知性・記憶・記憶にもとづく予測の介在なしには決して達成されえないと、思われます。知性・記憶・記憶にもとづく予測は、生物の発生や生物の体に生じる変化(進化)をふくめ、細胞から体全体に至るまで、生物に生じるあらゆる動きの基盤、と思われます。


(ちなみに、海底の熱水噴出口のあたりが、生物が発生せし場所の候補の一つ、と想定されているようです。そして、ここには、無生物の大きな物質システム意識が発生していると、推測されます。(各種の物質の結晶の塊の形成プロセスにも、無生物の物質システム意識が発生する、と推測されます)。この無生物の意識が、生物発生の基盤になりて、原初の生物の発生をもたらした、と思われます)。


そして生きている知性とは意識のことです。つまり細胞(生体)には意識が発生しているのです。そして、生物学によるメカニズムの解明は、このことを間接的に証明しています。


そして、粘菌やプラネリアに意識が具わりていることも視覚的・客観的・間接的に実証されましたが、間接的であれ、意識が実証されしことは、初めてのことであり、驚くべきことです。


人間の創造性や想像性は、大きな物理的秩序としての大きな意識のなかに創発します。そして、それらの創発は、根本的に、エナァジの自己創発作用によりて完全に物理的かつ自動的に実現される、と推測されます。


様ざまな芸術における創造性と想像性の発現も新しい物理的秩序の形成に該当しますが、これもエナァジの自己創発作用によりて(ごく物理的かつ自動的に)もたらされる、と思われます。


厳密な意味で、自由意志は存在しないです。思考の形成をふくめ、厳密な意味で、創造性や想像性の発現は完全自動です。しかも、それらは、零に等しい確率でしょうじる偶然の果てしない積みかさねの果てに辛うじて実現されるです。


そして、どのような創造性や想像性が実現されるかは、決して予測ができません。それらを実現するエナァジの自己創発作用さえ知らないのです。それらは完全に物理的かつ自動的に実現されるばかりです。


この宇宙に存在する(生じる)ものは、すべて、動きかつ変化する物理現象です。そして、物理現象は、厳密な意味で、エナァジにより完全自動で果たされる完全な偶然です。驚くべきことに、この宇宙では、厳密な意味で、すべての物理現象が、エナァジの内的な働きと外的な働きにより、予測のつかない完全な偶然として、完全自動で実現されつづけているのです。信じがたいことに、生物のすべての活動・意識の働き・意識に生じる思考なども、完全自動でもたらされ続けているのです。






  《 意識形成の概略 》


まず、ビグ バン理論によれば、ビグ バンでは、この宇宙を形成する無限量のエナァジだけが噴出し、固形物は噴出しませんでした。内部が固形物で満たされる固体や粒子は少しも噴出しませんでした。


つまり、この宇宙には、厳密な意味で、エナァジだけが存在します。しかも、そのエナァジは、体積なくて非物質的です。(エナァジは、この宇宙の物理性の源ですが、それ自身はそういう不思議なものです)。このゆえ、物質やこの宇宙は、厳密な意味で、完全に真空です。


そして、その(体積なくて非物質的な)エナァジの本性は、物理的作用です。


(内部が固形物で満たされるとイメジされる固体や粒子は、測定対象から物理的相互作用によりて跳ねかえりてくる光などの測定媒体の働きをかいし意識のスクリーンに投影される写像にすぎません。言わば、固体性は、エナァジの本性である物理的作用という根拠ある巨視的な幻想のようなものです。あるのはエナァジの物理的作用です。物理的相互作用は、エナァジの物理的作用によりて果たされます)。


そして、そのエナァジの本性である物理的作用には、自己創発作用(または、自己融合作用)が含まれます。さらに、自己状態測定作用--情報収集作用--と、自己次期状態操作演算作用--思考作用--という観念的作用も含まれます。(言わば、エナァジには、無生物の知性が具わりているのです)。


さて、細胞などの物質システム内部で、エナァジが消費され、熱が生成されて、その熱が外部に排出されると、そのシステム内部のエントゥロピー(乱雑さ・無秩序)生成速度は減少します。


このエントゥロピー生成速度の減少が、エナァジの自己創発作用を活性化させ、そのことが、細胞などの物質システムの構成要素のエナァジの観念的作用を、そのシステム全体にわたるより大きなものに融合させます。


(これは、言わば、より大きな物理的秩序の形成に該当します。システムの構成要素の無数のエナァジが、エントゥロピー生成速度の減少効果によりて、より大きな観念的物理的秩序を自分らで創発させるです)。


この大きな観念的作用が意識(細胞意識)です。


つまり意識はエナァジそのものです。意識は無数のエナァジの大きな集合体です。ただ、物質を構成する作用--外因物理影響受領作用と演算結果実施作用--は含まれません。


私たち人間や脳ある動物の主観の意識は、無数の脳細胞の細胞意識がさらに融合して発生しし巨大な意識です。


(物質は無数のエナァジの統合的集合体です。その表面にはエナァジが露出しています。このため、細胞などの生体が接触していれば、それらの意識は、さらに、容易に融合しうる、と予想されます。したがい、生物の体全体にも巨大な意識が創発していると、予想されます)。


そして、この意識の働きにもとづき細胞などの生体の活動が持続します。


そして、その活動により、生体のエントゥロピー生成速度の減少も継続し、それが更に意識を創発させつづけます。


細胞などの生体の活動は、その意識と、構成要素の無数の物質の、コラボレイションの成果として持続するのです。


(ちなみに、様ざまな物質の結晶は、とても複雑な三次元のジグソー パズルのようなものですが、それらも、構成要素の物質と、それらの形成プロセスに生じる(無生物の)意識のコラボレイションの成果として形成される、と予想されます。(ちなみに、結晶の形成プロセスにては、エントゥロピー生成速度は自然に減少していて、意識も自然に形成されます)。なぜなら、結晶は、ジグソー パズルと同様、広域を見渡せる観念的機能に基づかないかぎり、決して形成されえないからです。さもなくば、溶融している物質は、無定形の固体の塊になる他はありません)。






  《 意識の発生についての主な根拠と可能性 》


1) 無は存在しない(ベルクソン・スピノウザ)


2) ビグ バンではエナァジだけが噴出しつ


3) 物質は無数のエナァジで構成される統合的な集合体である


4) この宇宙にはエナァジだけが存在する


5) エナァジの本性は物理的作用である


6) エナァジにそなわる物理的作用


7) 内部観測


8) エナァジにそなわる自己創発作用


9) エナァジや物質の自己創発作用を活性化する効果


10) 意識が形成される大まかな枠組


  ................


1) 無は存在しない (ベルクソン・スピノウザ)


無は存在しないです。このことは、フランスの哲学者ベルクソン(Henri-Louis Bergson)により表明されました。真と思われます。


また、蘭国の哲学者スピノウザ(Baruch De Spinoza, Benedictus De Spinoza)も類似の意味のことを表明していつようです。


このゆえ、それが何であるかはまだ分からないにしても、なにかが存在する必要があります。


そして、この宇宙に存在するものは無からは形成されえないです。なぜなら、そもそも、無は存在しないからです。そした、無は何物によりても体現されえず、かつ、無は何ものも体現することできないからです。この宇宙に存在するものは、すべて、無以外のものにより形成される必要があります。


(無が存在しないことについては、「3 存在と観念」に記述してあります)。


2) ビグ バンではエナァジだけが噴出しつ


ビグ バン理論によれば、ビグ バンではエナァジだけが噴出しましつ。固形物(の量子)は噴出しませんでした。


(ビグ バンで固形物が噴出しなかりしことは合理的と思われます。なぜなら固形物の存在に根拠は見あたらないからです。厳密な意味で、固形物や固体は存在しえないと、思われます。


他方、エナァジは、ビグ バン理論から、体積なくて非物質的と評価されます。つまりエナァジは物質ではないのです。エナァジはそういう不思議なものです。そして、非物質的であるエナァジが噴出せしことは、むしろ合理的、と思われます。なぜなら、非物質的なものならば、なんらかの条件のもとに存在しうるかも知れないからです。


サイズの大きな世界にすむ私たち人間や動物に知覚される固形物や固体などの物質は、エナァジの働きにより醸しだされる巨視的な写像または幻想のようなものと思われます。そこにあるのは、厳密な意味で、固形物でなく、固形物の見掛けをもたらすエナァジの働きです。


さらに、エナァジは体積ないゆえ、信じがたいかも知れませんが、エナァジで形成される物質やこの宇宙は、厳密な意味で、完全に真空です。驚きです。しかしこれも合理的です。とにかくビグ バンで固形物は噴出しなかりきからです)。


3) 物質は無数のエナァジで構成される統合的な集合体である


そして、物質とエナァジは等価です。物質は無数のエナァジの融合により形成されました。物質の源はエナァジです。


ビグ バン理論によれば、物質は、ビグ バンのインフレイションでのエナァジの固化の相転移により形成されました。物質は無数エナァジの統合的な集合体です。(エナァジが物質を形成するさい、無数のエナァジは、エナァジ以外の何かによりて糊づけされしわけではないのです)。つまり、物質の構成要素は無数のエナァジであり、物質としてそこに存在するのは、実際には、体積ない無数のエナァジの統合的な集合体です。無数のエナァジは、じぶんらに具わる機能の働きにより、統合的集合体として結集(融合)しつのです。


4) この宇宙にはエナァジだけが存在する


こういうことゆえ、この宇宙には、厳密な意味で、体積なくて非物質的なエナァジだけが存在します。


5) エナァジの本性は物理的作用である


この宇宙に存在するものは、すべて、動的に変化する物理現象です。そして、エナァジには外的な機能が具わりており、その働きが、この宇宙のすべての物理現象(= すべての存在)の根元的原動力です。


そして、エナァジの外的な働きは、実際には、エナァジに具わる内的な機能の現われと思われます。


このゆえ、エナァジに具わる内的な機能が、この宇宙のすべての物理現象の根元的原動力です。


そして、それらの機能は、自発的・主体的・能動的に動作しつづけています。このゆえそれらの機能は作用と位置づけられます。


つまりエナァジの本性は物理的作用です。


「エナァジ」は、その本性である物理的作用の簡便な別名のようなもの、と言えます。


6) エナァジにそなわる物理的作用


エナァジにそなわる物理的作用として、たとえば次のような作用が想定されます。


- 自己創発作用(または、自己融合作用)

- 体積構成作用(物質の体積の源)

- 押し戻し作用(作用反作用の法則(運動の第3法則)の源)


ただ、これらは、個別的分類による作用です。そして、エナァジの物理的作用は、それらの作用の構成的観点からも分類できると思われます。以下の作用が想定されます。


a) 外因物理影響受領作用 (外的な力や外的エナァジの影響をあつかう物質的(物理的)作用)


b) 自己状態測定作用 (じぶんの物理的状態についての測定(情報収集)を行なう。測定機器のような観念的作用)


c) 自己次期状態操作演算作用 (じぶんの次の瞬間の状態や果たすべき操作を演算する。コムピュータァのような観念的作用)


d) 演算結果実施作用 (演算結果にもとづき、じぶんの次の瞬間の状態や操作を更新する。機械の作動のような物質的(物理的)作用)


(エナァジにそなわる物理的作用は、便宜的に、エナァジ作用と呼びましょう)。


ちなみに、エナァジに具わるこれらの作用は、無数のエナァジが物質に融合するさい、その物質に継承される、と思われます。(物質に継承されるエナァジ作用は、便宜的に物質作用と呼びましょう)。


そして、それらの作用のうちの観念的作用であるb)の自己状態測定作用とc)の自己次期状態操作演算作用が、意識の源と推測されます。


エナァジにそなわる物理的作用は、外的エナァジの供給を受けることなしに、自発的・主体的・能動的に動作します。このゆえそれらの作用は一人称の主体です。


そして、それらの作用が一人称の主体であることは、意識が一人称の主体であることと、整合しています。そして、一人称の主体であるものは、エナァジの物理的作用をおいて、この宇宙に他には存在しないです。


(エナァジと物質にそなわる作用については、以下の章に記述してあります。


5 エナァジ・物質・作用 (1)

6 エナァジ・物質・作用 (2)

12 物理的作用)


7) 内部観測


生物物理学者の松野孝一郎先生により、内部観測の概念が提唱されました。この概念は、実質的に、エナァジや物質にそなわる物理的作用を意味しています。


(内部観測については、以下の章に記述してあります。


6 エナァジ・物質・作用 (2)

12 物理的作用)


8) エナァジにそなわる自己創発作用


ビグ バン理論から、エナァジには、個別的エナァジ作用として、自己創発作用(または、自己融合作用)が具わりている、と評価されます。


この自己創発作用が物質の進化--より大きく複雑な物質の形成・より高い物理的秩序の形成--の根本原因と思われます。


また、この作用は、生物の発生・進化・活動の根本的原動力とも思われます。


このゆえエナァジの自己創発作用はきわめて重要です。


(エナァジの自己創発作用については、以下の章に記述してあります。


5 エナァジ・物質・作用 (1)

6 エナァジ・物質・作用 (2))


9) エナァジや物質の自己創発作用を活性化する効果


意識は、作用であると同時に、高度かつ動的な物理的秩序とも思われます。しかし、高度な物理的秩序は、エントゥロピは増大するという熱力学第二法則のため、なんらかの原因・根拠・メカニズム・枠組・要因・原動力などのないかぎり、自然には決して形成されえないです。(それでも現実には形成されます)。


このゆえ、意識という高度で動的な秩序が形成されるためには、(物質にそなわる物理的作用のレヴェルで)意識という物理的な秩序の形成をうながす何らかの原動力の働くことが欠かせないです。


そして、ビグ バン理論によれば、物質(素粒子)は、ビグ バンのインフレイション膨張におき、無数のエナァジの融合により形成されました。しかし、インフレイション膨張が発生しても、そのことは、物質が形成される理由にはなりません。なぜなら、無数のエナァジは、バラバラのままに拡散すればよかりきからです。


しかし物質は形成されました。このゆえ、インフレイション膨張では、エナァジの自己創発作用を活性化する何らかの効果が発生しつ、と推測されます。


そして、インフレイション膨張では、きわめて高い温度ときわめて高い密度が極端に低下しました。そして、このことは、系のエントゥロピー生成速度が極端に減少ししことを、意味します。


そして、このことから、系のエントゥロピー生成速度の減少には、エナァジにそなわる自己創発作用を活性化させる効果がある、と予想されます。


物質が形成されつのは、系のエントゥロピー生成速度の減少により、エナァジの自己創発作用が活性化されしため、と推測されます。


(エナァジや物質の自己創発作用を活性化する効果については、以下の章に記述してあります。


5 エナァジ・物質・作用 (1)

6 エナァジ・物質・作用 (2))


10) 意識が形成される大まかな枠組


そして、意識も、物質の形成(融合)と同じ枠組により形成される、と推測されます。


細胞・組織・器官などの生体は無数の物質により形成されます。そして、生体内では、熱の外部への排出により、エントゥロピー生成速度が減少していると、思われます。この減少が物質の自己創発作用を活性化させる、と推測されます。そして、その作用の働きにより、それらの物質にそなわる物質作用のうちの観念的作用である自己状態測定作用と自己次期状態操作演算作用が融合し、それが意識というきわめて高度で動的で大きな物理的秩序を形成する、と予想されます。


このゆえ、意識は、脳にだけ発生するのではなく、微生物・細胞・組織・器官・体全体のそれぞれのレヴェルで形成される、と推測されます。このため、組織と器官では、意識は多層構造になりている、と思われます。上位の意識は、それが発生している全体の物質的動きを制御します。


さらに、脳は、体全体の動きを制御するための観念的機能を果たす特別な器官ですが、脳神経学で解明されているように、脳では、意識のきわめて複雑な多層構造が形成されている、と推測されます。


ただ、生体内でのエントゥロピー生成速度の減少はごく少ないと思われます。観念的作用である自己状態測定作用と自己次期状態操作演算作用は、化学反応でのような物質の融合を引き起こさない程度の僅かなエントゥロピー生成速度の減少でも、融合できるかも知れません。


もしも物質の融合を強い創発と呼ぶならば、生体内での意識の形成は弱い創発と呼べるかも知れません。






  《 生物と意識のあいだの関係 》


生体の活動は、構成要素の物質の動きとその全体にわたり形成される1個の大きな意識による制御の働きのコラボレイションにより実現される、と予想されます。なぜなら、意識の形成に、生体内での熱の発生とその熱の外部への排出--系でのエントゥロピー生成速度の減少--が不可欠だからです。


そして、単細胞生物である粘菌やプラネリアに体全体の動きを制御する生きている知性(= 意識)と記憶が具わりていることは、間接的ながら客観的に実証されています。


ちなみに、知性とともに、記憶も生物の活動には重要と推測されます。なぜなら、生物の体内に生じる様ざまな物理事象は、きわめて複雑であり、時間を要するからです。それらの物理事象は、なんらかの記憶なしには、とうてい実現されえない、と推測されます。


さらに、動物や植物の体全体にも巨大な意識が形成されると仮定するなら、それに具わる記憶は、長い時間を要する体の大きな変化--体制の変化・進化--にも深く関わると、予想できるかも知れません。


生物と意識のあいだの関係などについては、以下の章に記述してあります。


8 生物 (1)

9 生物 (2)

10 生物 (3)






  《 1個の物質としての生体の様相 》


細胞などの生体は、物質として、きわめて特異な量子のようなものになりている、と評価できるかも知れません。生体では、構成要素の物質は別べつのまま--化学反応のような物質的な融合はせぬままに--、それらに具わる観念的作用だけが、1個の大きな意識に融合しているのです。物質としての生体は、そういう妙な量子かも知れません。


ちなみに、物質は、無数のエナァジの統合的集合体です。物質は実際にはエナァジの塊であり、その表面にも、厳密な意味で、エナァジが露出しています。そして、このことは、複数の物質の接触は、それらの構成要素のエナァジが直接接触することを、暗に含意しています。そしてエナァジの正体は物理的作用です。


このゆえ、条件さえ満たされるなら、つまり、系のエントゥロピー生成速度が減少するなら、エナァジの自己創発作用が活性化されて、生体の構成要素の物質にそなわる物理的作用のうちの観念的作用が1個の大きな意識に融合することは、十分可能と予想されます。






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