笑顔
夏休みに私達は水族館に遊びに来ていた。彼が楽しめるか不安だったがどうやら楽しめているようだった。
魚が好きな私は目を輝かせて見ていた。
(う~ん。やっぱりカワイイ!)
とそう思っていると
「はしゃぎすぎて転ぶなよ。」
と彼が言った。
「大丈夫だって~」
と言葉を返すと同時に一回転した。私は慣れていない靴を履いているせいで体を大きく崩した。
(やばい!転ぶ!)
目を瞑って痛みが来ることを覚悟するが、衝撃は来なかった。
「っっと!危なかったな。大丈夫か。」
どうやら彼が助けてくれたらしい。しかし、彼の顔が近くにあって私は緊張からか頬が熱くなるのを感じる。
「う、うん。大丈夫。ありがとう。」
緊張からか、上手く言葉出なかった。お礼を言うとすぐさま彼から離れた。彼から離れても頬がまだ熱い。
「い、行こうか。」
気まずさを感じた私は先をいそいだ。
水族館を一通り見終わった私達はお土産売り場に来ていた。ぬいぐるみを見ていた私に彼は
「このペンギンのぬいぐるみ、お前に似てかわいいじゃん。」
(私に似て···かわいい!?)
「あんたにはこれがお似合いじゃない?」
と言って鮫の被り物を彼に被せ、彼の視界を奪った。
「おい、鮫が可哀想だろ。」
と彼は言って鮫を外して被り直し
「似合ってる?」
と言って笑顔を見せた。
普段はかっこいいのに笑顔はかわいい。
この顔を見る度、私は彼に恋していると感じた。