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俺たちの慈悲無き漫才ライフ  作者: 宇豪野 衆
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初めての漫才

俺たちは生徒会室に入った。生徒会室は、思っているよりも広く、一クラス分の広さがあり、机が、黒板を前にして会長、副会長、会計、書記、見習い、と五つの机が囲んである。

 すると、八重子さんはなぜか会長の席に座り、腕を膝の腕に置き、首を拳の腕に置きもたれかかるような態度をとり「さ、どうぞ」と偉そうな態度を取った。先生は副会長の席に座って始まるのを待っていた。

 ん? ちょっとまって、俺、何も聞かされていないんだけど、え? 本当に始めるのと思っていた時「すみません!!」と涼盛は手を上げた。

「何か問題でも?」八重子さんが尋ねると「ちょっとこいつ緊張してて、3分だけ時間下さい整理するんで」といった。え~いや、それはないでしょ、ここまで来てまだ整理してないなんて「はぁ~、全くこの程度の観客で緊張するなんて、大したことないわね」ほら、呆れてる。

「時間、3分で仕上げてきなさい」ええ!? 許可とれたの? 「ありがとうございます!!」

と涼盛はそう言って、俺を廊下に連れて行った。

「おい、どうするんだよ、俺、大体何にも聞かせれていねぇからわかんねえよ!!」

「そんなこともあろうかと俺はとびきりのネタ作ってきたんや、見ろ見ろ」と言って、ネタ帳台詞が一つ一つ書いてある台本を渡された。

「とりあえず、ボケが俺でツッコミが洋一な」と勝手に俺の役割を決められてしまった。

 俺は、とりあえず見てみたが「おい、これ」

「ん? なんや?」

「パクリじゃん」とパクリが一発で分かるネタをよこしてきたのでそう言ったら、涼盛は「な、

何言うとるんや、これは立派なオリジナルやぞ」と言ってきた。

「いや、どう考えてもパクリでしょ、これはMー1グランプリとったコンビの」

「そんな事より、はよ覚えようや」この野郎、俺の指摘を無視しやがった。が、ある意味、パクリのせいか覚えやすいものだったのでスラスラと流れるように俺の頭に入って来た。

「時間よ」八重子さんがそう言うと、俺らは、生徒会室に入っていく。

「はい、お願いします!!」

「では、始めなさい」の合図と共に漫才コンビのように「どうも~」と言うはずだが俺は立ち尽くして涼盛だけがそう言っていた。俺は、別に恥ずかしいと思ったからではなく、緊張したkらでも台詞を忘れてしまったわけでもない。なぜ、「どうも~」と言うことができなかったのか。それは、涼盛も気付くことになる。先生が不思議そうな顔をして言った。

「お前ら、コンビ名なんなんだ?」言われてから涼盛は気付いた。二人のコンビ名を決めていなかったことに。

「まさか、決めていない?」と八重子さんの目がどんどん鋭く暗殺者のような目になっていく。

「あ、えーと、『ソリチュード』です!!」

「はぁ!?」突然、コンビ名を発表した涼盛におれは驚きの声を上げた。

「おい、なん」

「まあまあ、ここはここは」と涼盛は俺をなだめる。

「早くは~じ~め~て~ほ~し~い~のだけれど?」しびれを切らした八重子さんが机を人差し指で叩きながら催促する。

「すみません、では仕切りなおします」はぁ、仕切り直しか、でも、このネタ、どう考えてもパクリだぞ? どうなっても知らないからな? と思いつつ俺は涼盛と共に「「どうも~『ソリチュード』です」」と漫才を始めた。


ネタ名 ピンポイントで俺やないか

                      ボケ 小山 涼盛

                      ツッコミ 宮城 洋一 

ボケ(以下『ボ』と略す)「あ~あ、なんか今日は悪いことが起きそう」

ツッコミ(以下『ツ』と略す)「どうした? 急に、何か変なもんでも食ったか?」

ボ「なんか悪いことが起きる気がするねん」

ツ「それは怖いな」

ボ「うん、お前にな」

ツ「俺!? 俺に悪いこと起きる気がするの!?」

ボ「うん」

ツ「え、なに!? どゆこと? 何で俺に悪いことが?」

ボ「それがな、今日の占いで、てんびん座が十二位で最悪死ぬかもしれないって」

ツ「はぁ!? 死ぬ!?」

ボ「うん、そうなんよ、だからお前、死ぬかもしれん」

ツ「いや、てんびん座だけでそんな死ぬなんて世界中で沢山そんな奴いるだろ? そいつらまですぬかもしれないからその占いはあてにならん」

ボ「そうか~、でもなぁ別の番組の占いではな、てんびん座で九月三十日生まれの男が死ぬかもしれんて」

ツ「ピンポイントで俺狙ってるやないか!! 俺九月三十日生まれやないか、てか、なんなん!? その占い、不吉すぎるやろ」

ボ「うん、でも別な占いではな、てんびん座九月三十日生まれの彼女がいる男が死ぬって」

ツ「じゃあ、俺じゃないな!! うん!! 俺は、このかた一回も彼女が出来たことがないからな!! 彼女いない歴=年齢!!」

ボ「うん、でも別の占いではな、てんびん座で九月三十日生まれでファンシーグッズ大好きな男が死ぬって」

ツ「ピンポイントで俺ねらってるやないか!! 俺、ファンシーグッズ大好きなんや、すみっコぐらしの抱き枕超可愛いで!!」

ボ「でも別な占いでは、てんびん座九月三十日生まれでイケメンが死ぬて」

ツ「じゃあ、俺じゃあないな!! この顔は『福山 雅治』から最も遠い顔でギネスにのるくらいやからな!! 俺やないな」

ボ「でも別な占いではてんびん座九月三十日生まれで顔がブサイクでファンシーグッズ好きで、プリキュア見てる奴が死ぬて」

ツ「ピンポイントで俺やないか!! プリキュアはあれ女の子が見るもんちゃうで、大人が見ても泣ける、いや~あれは名作アニメ」

ボ「でも別な占いでわな」

ツ「なんや、まだあるんか!?」

ボ「うん、人類全て死ぬ危険性が常に寄り添ってるって」

ツ「そんなの当たり前やないか、占い多すぎて大雑把すぎやろ、もうええわ」

「「どうも、ありがとうございました」」


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