占い師②
⒉占い師②
梨凛は服装や顔など、外見で当てる。そんなの普通に占いもどきをしていても当たらない。
(服は、大分高官の服だなぁ。顔は…よく見るとこいつ美形だなぁ。宦官…っぽくはないなぁ。となると
…)
「武人でしょうか?」
梨凛は、(当たれ、当たれ)と、祈っていた。
そして男はニコッと笑った。
「違います。まぁ、簡単に言うと、私は皇帝の付き人です。どうやら当てられなかったようですね。
あなたは偽者占い師のようですね。」
ムカッ
(くそっ!ムカつく!だけど、こいつ結構偉いやつだから文句が言えない。)
「で、」
(ん?)
ガシッ
男が梨凛の腕をつかんだ。
(なんだなんだ?)
「黄珠妃の侍女の梨凛だな。さぁ一緒に黄珠妃の所へ帰ろう。」
その時、梨凛はあることに気づいた。
(こいつ偉いやつってことは…違法がバレちゃったらヤバいってことだ!)
「さ、さぁ?誰ですか、その方?存じ上げませんが。」
梨凛は、意地でもそれを突き通す気だ。
(牢屋に入ったら、金が!)
「ほぅ、そうですか。」
(よしっ!納得した!)
梨凛は心の中でガッツポーズをした。
「妃の侍女ならば、違法をしても注意だけで済むのだが、そうではないとなると、即牢屋行きだなぁ。」
男はニコニコしながら言った。
(こいつ…遊んでやがる‼だが、言う通りだ。しょうがない。)
「はぁ、そうです。私は黄珠妃の侍女の梨凛です。」
男は、梨凛がそういうと、またニコッとした。
「行こうか。」
しょうがなく、梨凛は男について行った。