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僕は祖国を手に入れた

 僕は今10年前に失った故郷を手に入れた。僕はこれを足掛かりとして動き出す。世界が奪うルールを作ったのなら僕は奪えないルールを作ることにした。だから僕は手始めに人間をこの世界から一人も残さず消すことにした。僕は人を生かしているといずれ奪い合いが生じることを知っている。だから殺す。そして、僕はもうその為に必要な種を仕込んだ。僕からは誰一人逃げられない。


 僕の目の前には四天王と配下の魔物達が勢揃いしている。僕は今サイゼリカ王国に一番近い村にいる。

 「魔物達よ、僕は今から人間をこの世界から消すことにした。僕は人間にとっての悪魔に成り下がるだろう。そして世界そのものを変えてしまう。それでもお前たちはついてこれるか?」

 「私たち四天王は、いや、魔物達は皆、魔王様に最初からついていくつもりです」

 「そーか、なら今からこの国の者全ては僕の兵士だ。今からこの世界に対して宣戦布告をする。四天王デストーンが仕込んだ種が世界を揺るがすだろう」

 僕はデストーンの方を見る。デストーンはいつでも出来ますと言わんばかりに僕に視線を向けてきた。

 「デストーン、やれ」

 「御意」

 僕が命令するとデストーンは魔法陣を展開して、膨大な魔力を流し始めた。横には他の四天王たちもいて魔力流している。今デストーンが使おうとしている魔法は、古の大戦で悪魔族が神に向けて使ったとされている禁忌魔法だ。簡単に言うと指定した範囲を全て消す魔法だ。本当に塵も残らずに消す魔法だ。だから魔物の一部の種族は魔族と呼ばれ人間界では忌避されるようになった。


 デストーンはこの魔法をある人間に仕込んだ。その人間には探知魔法も仕込んでいる。だから、その人間がいる現在地がデストーンには手に取るようにわかる。今そいつは世界の(ことわり)を創った神が住む土地ドル神殿にいる。

 

 この魔法の一番恐ろしいところは遠隔で起動可能なことだ。

 つまり僕は神を巻き込んで殺すつもりだ。

 神はプラスの魔力質の極致にいる存在だろう。だが、僕はマイナスの魔力質の極致にいる存在だ。だから、僕なら理論上殺せる。


 僕も魔力を流し始めた。魔法陣は黒く染まり、ギュインと音を立てている。真っ黒に染まるころ魔法は発動した!

 

 私の名前はデル・イード。今、サイゼリカ王国の陛下と共にドル神殿に来ている。ドル神殿には神様がいるそうだ。聖女様しか見ることが出来ない。その為、聖女様の言葉は神様の言葉と言ってもいい。


 私が来賓室でくつろいでいるとドル神殿の壁が突然赤く発光した。

 どんどん光は強まって光は神殿全域を包み始めた


 神殿の偉い人たちが慌てる声が聞こえる。何をしていいか分からずにいるとサイゼリカ国王が来た。

 「おい、デル。余は聖女様に何が起きているか聞いてくる。何もせず待っておれ」

 「分かりました」

 私がそういうとサイゼリカ国王は聖女様の部屋に走った。


 しばらくすると神殿の方から驚きの声が聞こえてきた。私がじっとしていると声が聞こえる。

 「ドル神様、いま神殿では何が起きているのでしょうか?」

 「後で話す。今はそこにいる若者が危ない」

 聞き間違いだろうか?私は今、神様の声を聴いたことになる。そう思っていると聖女様が一人の大男を連れて入ってきた。僕は顔を見る前にすぐ頭を下げた。この大男こそ、世界の父、ドル神だから。

 「若者よ、お主を中心に儂は魔法をかける」

 神様がそう言いながら魔法陣を展開し始めた。魔力はあまりの白さに神々しかった。そして赤い光と衝突した。


 光の衝突が終わり目を開けると、サイゼリカの方角を見て神様は激怒していた。

 「この魔法でも、神を殺すには威力が足りなかったか。やり切れんな」

 僕らの魔法は神を殺すことが出来なかった。それどころか一人消すことが出来なかった。神は正真正銘の化け物だな。

 「魔王様。しかしながらこれは想定の範囲内です。本来の目的は達成してます」

 四天王ウラドが僕に言った。僕の目的は神の寝床に喧嘩を売りに行くことだから一応達成はしている。

 「そうだな。今殺せなくても時が来たら殺せるはずだ。それまで僕達は準備することにしよう」

 「「「「御意!」」」」

 こうして僕らは本格的に世界の敵になったのであった。

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