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僕は

 僕の前にはデストーンがいる。僕はこいつのことを殺戮者にした。こいつは、この先何百年も語り継がれる恐怖の代名詞なるだろう。ただ、僕の国ではこいつは英雄だ。僕の夢は、達成するために膨大な時間と犠牲がいる。だから僕は僕という存在を種族ごと歪めた。そして・・・※※達も歪めてしまった。

 そして、僕の夢は世界の【在り方・ルール・常識】を変えることでもある。いいや、歪めるといった方が正しいのかもしれない。だって・・・・僕の力は※※※(ちから)、だから。


 まだ僕は止まらない。

 僕は何も変えていないのだから。


 「デストーン。お前たちグリムリーパーは今後千年以上危険な種族とされて忌避されるかもしれない。ただ、デストーン。ありがとう。お前のおかげで僕の夢にグッと近づけた。僕が生きている内はグリムリーパーは絶対に守る」

 「魔王様、ありがとうございます。そして、ロア様。あなたの行く末を私に見せていただきたい。私はあなたの生き方に惚れ込んでいますので」

 「ありがとう。デストーン爺…」

 (爺。お前は僕に甘い)

 「最後までついて・・来いよ」

 「御意」

 そう言って僕は四天王デストーンを下がらせた。


 ここ、イード帝国の隣国であるサイゼリカ王国ではイード帝国が一夜にして滅びたことが話題になっていた。決して明るいニュースでは無かったのは確かであった。 

 


 サイゼリカ王国の王宮にて。

 「デル・イード、本当にイード帝国は落ちたのだな。それは分かった、だが、何故イード帝国の皇子のお前が生きている?」

 「私は情報を伝達させるために生き残らせられたのでしょう」

 余はそんなことに何の意味があるのか分からなかった。本当の理由は違うのだろう。だが、聞いても余は納得いかないだろう。だから、聞かないことにした。

 「お前は敵国であるサイゼリカ王国に亡命して怖くないのか?」

 「そんなことを言っている場合ではありません。私情に流されていれば、近い内に魔物に支配される時代が来るでしょう。この国より大きい我が祖国が落ちたのですから」

 余は、デル・イードと名乗る15歳の少年に酷なこと言った。

 「ああ。悪かった。だがデルよ、お前の祖国を落とした魔物に私たち王国は勝てんよ。どうしろと?」

 デルは余の方を見て、真剣な声で話始めた。

 「ドル神殿に神託の聖女を要請しましょう。それしか方法はありません」

 ドル神殿は昔から国の政治には中立的な組織だ。

 それには理由がある。

 ドル神殿は人が介入することが不可能な組織だからであり、神様と唯一つながっている場所でもあるからだ。神様は政治に興味がない。神様は国に興味がない。


 「余は意味がないと思うぞ。神様は世界への干渉を嫌っている。だが、王国の危機でもある。余は重い腰を上げることにする」

 余はデル・イードのことを人間として信じることにした。余がデルに言葉で伝えるとデルは泣きながら「ありがとうございます」と言っていた。どうやら、このデルという少年はデストーンの姿を見たそうだ。この情報は余にとって何よりも価値があるものとなるだろう。余は腐っても王だから。

 余は、ドル神殿にきた。このドル神殿では、神様の不快に思うことを一切してはならない。神様が黒と言ったらどんな聖者でも悪魔や犯罪者になる。

 「ここからは聖女様がおります。部屋にはサイゼリカ国王様だけお入りください」

 「わかった」

 余は神殿の使者に言われた通りに中に入ると部屋の白さに驚かされた。奥に顔を白布で隠した女性がいた。

 「私の名前はリラといいます。ドル神教の聖女です。話は神殿の方から伺っております。何からお聞きなさいますか?」

 「聖女リラ様。失礼を承知でお聞きしますが、なぜ今回余たちを政治に中立的な神殿の方々が話を聞いてくださったのですか?」

 「簡単なことです。神様が許可されました。だからでございます」

 余の質問に対して聖女様は当然のことですみたいな感じで答えた。余は神殿のスタンスがなんとなく理解し始めた気がした。余はもう一つ質問することした。

 「神様は今回の救援要請を受け入れて下さるのですか?」

 「神様には、今回の事件は全くの想定外だそうなのです。ですから、受け入れるそうです。ただ、今のまま神殿を協力させたところで意味は無いと言っていました。だから・・・神様は神殿に聖なる武器七つと大いなる者の召喚の許可してくださいました」

 七つの聖なる武器は神聖武器という。神殿の切り札である。つまり神様は事態はかなり深刻だと言っていることになる。そして・・・

 「余は、文献でしか聞いたことがありませんが、大いなる者とは、文献に載っているような者の召喚ですか?」

 「そうです。人間族の最後の切り札であり、触れることの許されていない禁忌です。文献にどこまでの情報が在ったかは知りませんが、神様が言うにはこれを使うことは出来ればしたくなかったそうです。理由は伺えませんでしたが」

 「聖女様ありがとうございます」

 余は、そう言って聖女様の部屋を出て行った。




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