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鬼の世、人の世  作者: 十六夜 アリス
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痛い

めちゃくちゃ痛い。

そう思いながら真冬の夜、月の光に照らされた大鳥楓と言う名の少年は床に散らばった瓦礫から出て来た、そして直様立ち上がり走り出した、背後から追ってくる黒い着物の人達から逃げる様に。町を駆け抜けて自分達に見覚えがある建物に入って行った少年を見て黒い着物の人達は追うのを諦めて引き返した。

そしてその大鳥 楓と言う名の少年は追っ手が離れて行くのを見てほっとした瞬間背後から若き武術家大鳥 梓に鉄拳を喰らわられた。

「なっ!痛いだろう、この馬鹿力が!」

「師に対して何という態度じゃ、このバカ弟子が!」

そしてもう一発、「何夜中に勝手に歩き回ってるのじゃ」

その長き黒髪を持った片目の武術家は天井から映り込んでいた白潔な月の光に照らされ黄金の目を光らせた。その身に纏った紫色の寝巻きは白い肌を更に際立でて首元には恋人からの銀のペンダントが光ってた。

「と言うか、師匠のその格好何とかならないのか?一応健全な16歳の男の前だぞ」

「五月蝿い、さっさと寝ろ」

そう言い残して彼女はムカついた様に離れて行った。

「はーい、それじゃあ俺もそろそろ寝るから、一応お休みなさいっと言って置くよ」

「愛想が無いクソガキが」


そして次の朝

ドーン

「起きろバカ弟子、何時まで寝てるんだ」

「うわー、まだ朝の5時だぞ、もう少しだけねかせ…」

「新人じゃあるまいし、会議が始まるぞ早く着替えろ」

昨晩とはまるで違う格好をした師匠こと大鳥 梓が黒と青の軍服みたいな服装で立ってた。

そして寝起きで不機嫌なのか舌を打ってた。

「はいはい、師匠は先に行っててください」

「いや、ダメだお前の事なら私が目を離した隙を狙ってサボるだろう」

さっさと制服に着替えて一緒に向かった先は窓も無いシンプルな部屋だった、そしてその部屋の真ん中には円卓と22もの椅子が並べてあった。円卓には番号が0から順に並べてあった、だがその内12人しか人が座っていなかった、そして二人は別々に別れ席に着いた。

そして1番の席に座っていた洋風の人形みたいなブロンドの少女が響く声こう言った、「幹部会議の始まりだ!」


そして朝の5時から始まった会議は夜の9時まで続いた。そして楓は幾度なく居眠りをし、幾度なく梓に起こされた。

「師匠、会議の内容を教えて下さい、聴いていなっかた」

「そう言いながら実は一番真面目に聞いていたでしょう」

「そんなこと有りませんよ、ちゃんと居眠りしてました」

「それはダメだな、後でちゃんとお仕置きをしなきゃ駄目だな」

「それは嫌だ」

「具体的に言うと新しく幹部候補が見つかったらしい」

「どういう人?」

「孤児だよ、そしてお前と"同じ"みたいだな」

「それはレアだな」

「"同じ"だからか?それとも孤児だからか?」

「どっちもだよ」

「ふん、生意気だな、そんなに気になるならお前が迎えに行け」

「え〜嫌だな、面倒くさいよ〜」

「命令だ、さっさと行け」

「はーい了解です〜でも聞いて良いか?それは師匠としてそれとも…」

「どっちもだ、クソガキが」

「それじゃあ、行ってきます〜」

走って行く背中を見つめながら梓は自分の今は亡きし婚約者の事を思い出した…

そして小さな声でボソりと言った「私を置いて行くな」


命令を受けた楓は自分の持つ小さな端末から幹部候補がいる孤児院のアドレスを呼び出した。

呼び出した地図の上には隣町の外れのところに赤い点が明滅してた、それを確認しちょっとにやけた。


神無月孤児院


少年は誰にも邪魔されたくない、人に興味が無い、興味を持たれたくない。

孤児だった自分を拾ってくれた院長には感謝している、だが孤児院には子供が沢山いる、そしてその子供たちが干渉してくる。

だから特別に院長から許可を貰い裏山で一日を過ごす。

毎日日課の様に山を登り昼飯を作って、食べて、昼寝をする、そんな毎日だった。

「此処にいるはずなんだがな?まさかあの院長俺を騙したな」

突然背後から聞こえた声にビックリし自分は起きてしまった。下を見ると軍服をだらしなく着ていた自分と同じくらいの少年がいた。



「君、もしかして自分の事を探しているのか?」

突然木の上から声が聞こえた、見上げれば真っ白な少年がいた。それを見た途端楓が笑いを漏らした。

「おまえ何それ、一人称自分なんだ。うわー引くな、古代人かよ。」

「おまえこそ何だそのだらしない姿は」

「おまえこそ真っ白な女装男」

「なっ!おまえこそ何だ迷子の子供か?」

「よくも言ったな神無月由希、俺はおまえより一歳年上の十六なんだぞ!」

それを最後に真っ白な少年が黙り込んだ。

「とりあえず何で自分の年を知っている、ここの院長にさえ教えて無かったんだぞ」

「そんな事当然だろう?制服を見れば分かるが俺は…」

「分からん」

自分なりの自己紹介を終わらせてくれなかった楓は顔を赤くしてもう一回切り出した。

「そうかそうか、分からないなら教えてやろう、俺は…」

「別に知らなくても良い」

「だから言わせろよ!」

泣きそうな楓を見て由希はしょうがなく言った。

「面倒くさいから早く終わらせろ」

「面倒くさい言うな!」

「早くと言ったはずだ」

「分かったから、俺は大鳥楓、対鬼戦闘部隊所属の中佐だ。おまえを迎えに来たぞ」

「嫌だ」

「なっ!対鬼戦闘部隊だぞ!人間の憧れだぞ!」

「それでも嫌だ」

「おまえにその選択肢は無い」

ドーン

突然後ろから爆発が起こった。

反応ができ無かった楓と違い由希は爆発が聞こえた瞬間に孤児院に向かって走り出した。

随分と休んでいました十六夜アリスです!復活しました!よろしくお願いします!

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