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ブラインドソード(盲目の剣)  作者: 雛月いお
広がる輪
16/29

船長は魔の手すら釣り上るらしい

今回短いです。


「私でベルセルクは何人になったの?」


二人のゆるい漫才みたいなやり取りを楽しんでいた私だったが、ふと頭に浮かんだそこそこ重要な疑問を言葉にして二人に問いてみた。


「何人やっけ」


「なんで杏子さんが知らないのさー」


こまいことやしええやん知らんでも」


「もー。えーとユキちゃんで十一人かなー」


ギルド対抗戦に必要な人数は最低でも十二人だと先程ソラさんに教わった。私を勧誘した上でさらにもう一人必要だということになる。


「あと一人はもう決まってるの?」


「うーん.....」


少し間をおいて、ソラさんは静かに項垂れた。


私はそうであってほしかったのだ。


「あのさ」


「....んー?」


「私に提案があるんだけど」





ーーーーーーーーーー






ありのまま今起こったことを.....いや成り行きを話すとしよう。


私はソラさんを手助けするつもりで、対抗戦に必要な残り一人の空席にチアを誘ってみた。チアは私の誘いを快く受けてくれた。


そこまでは良かったのだ。


そして今私はベルセルクの拠点をチアに教え、中に入った直後である。


「何よこの可愛い子は!!愛でてあげるから止まりなさいよ!!」


「わぁぁあちょお姉さん助けてくださぁぁい!!」


チアが明るい琥珀色の髪の女性に追い掛け回されることになりました。


「あの人は?」


「あれはメアリーさんだよー」


「条件次第やとベルセルク屈指の変人言うても過言やないで」


「今は?」


「今までで一番の狂いっぷりだと思うよー」


「チア頑張ってー」


「ひぃぃ!?」


唯一の味方である私まで敵側に寝返ったことにチアは驚き戸惑いながらも屋敷の中を走り続けた。紅葉さんとやらを見るのは初めてだが、全力疾走するチアも私は今までに見たことが無かった。もう少し見ていたい気もする。


...私も悪くなったな。




ーー




「酷いですお姉さん!」


「ほんとごめんって」


メアリーさんが颯爽と現れた体格の良い男性に捕獲され、チアの逃走劇は無事に幕を閉じた。途中で裏切った私をチアは涙目で攻め立てる。


「すまない新入り、うちのバカが失礼した」


「バカとは何ですの!?」


例の体格の良い男性がチアに頭を下げた。バカと言われた紅葉さんは納得がいかないような反応をしたが、直ぐに周囲の全員から冷めた目で見つめられ、自分のしたことが普通じゃないことにようやく気付いたようだ。


「ほらお前も謝れ」


「.....失礼しましたわ」


「ったく。自己紹介がまだだったな、俺は船長だ。船に乗るのが好きなんだよ」


「僕らはキャプテンって呼んでるよー」


なるほどなるほど。

ベルセルクのメンバーは名前がよく考えられていると思う。杏子さんは京都の人らしく、餡子も杏仁豆腐も好きなので、混ぜ込んだ結果「杏子」に決まったらしい。和菓子好きなのは祖父母が和菓子屋を営んでいるからだとか。


杏子さんがその話をしている最中、ソラさんはずっと遠い眼をしていたのが印象に残っている。


「んでおマメさんよ、新入りの腕はどうなんだ?」


「安心してって言えるくらいだよー」


「おぉ!そりゃ頼もしいな!」


「待って待って、私ソラさんと一緒に戦ったことないよ?」


「マメ子が言うさかい何も心配いらんて」


「ええぇ....」


ハードルが上がってると思うのは私だけだろうか。これで私の実力が足りないとかなら困るのはあなたがたでしょうに。


この人たちはどこか落胆的というか.....。


「そうだねー、じゃあお手並み拝見っていうことで、三人ずつに分かれてクエストに行くのはどうかなー」


不安そうな私の表情から察したのか、ソラさんがありがたい提案をしてくれた。これで私がどの程度で、ベルセルクの面々がどれほど強いのか把握することが出来そうだ。


「それ賛成!うちユキ子がどう戦うんか見てみたい!」


「じゃあ私はルチアさんと一緒に行きますわ!!」


「ひぃ」


「じゃあ俺も付いていかざるを得ないな」


「げ」


「僕はユキちゃんの方だねー」





ーーーーーーー




ーーー≪高地エリア≫ーーー


降り立ったのは粘土質の土が長い時間をかけて凝固した岩の土地。渓谷にも似ているが、砂漠付近ではないため砂埃が吹き荒れるような地形ではなく、雨水が流れ落ちて出来ている滝もあった。これ以上ないくらいの晴天から降り注ぐ日光を浴びる水しぶきはかすかに虹を作っていた。


と言うことで私とソラさんと杏子さんは新ステージである「高地」に来ていた。


「うちこのステージ清々しくて好きなんよ」


「右に同じくー」


確かに森林や海岸と比べ、明らかに視覚情報が多い。このエリアのスタート地点は断崖絶壁で固定されているようで、今私たちの目の前からは恐らくブレイブソードの世界が一望できるようになっている。


手前には森林や樹海が広がり、奥には海岸や火山など、今までに行ったことのある地形やそうでない地形も見ることが出来る。


「私も好きかも」


「ここで女の子口説いたら一発やんなぁマメ子」


「いや知らないよー...」


苦笑を浮かべながらソラさんは洞窟の中へ入っていった。


「うちらも行こ。これから行くとこはもっとキレイやさかいな!」



短くてすみません。

次回は戦闘なので長くなると思います。

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