(プロローグ)平和だったあの日
更新後編集が荒れましたごめんなさい
「冬香はさー、将来の夢とかあるの?」
夕焼けに染まるアスファルトを、二人の少女は家に帰るため歩いていく。卒業式も終わり、少女たちは最後の家路を出来るだけ長く歩いていたいと思いながら。
冬香と呼ばれた少女は苦笑いを浮かべる。
「えー?..........ケーキ屋さんかな」
「もー真面目に答えてよ」
「ごめんごめん。正直言うと、まださっぱり」
冬香は内心、この質問が飛んでくることは予測できていた。しかし将来のことなどそう簡単に決めることなどできず、かといって雑に返答して良いものかと悩んだ末、結局答えは出なかった。
冗談の通じる相手で良かったと冬香は思う。
「そっか。まー無理もないか。私らまだ小学生だしね」
「そーゆー春香は夢あるの?」
冬香は仕返しとばかりに同じ質問を投げかけた。が、春香と呼ばれた少女は嬉しそうな表情を見せた。
「私?私はね、プログラマーとか、とにかくゲームに関わりたい!」
冬香は春香が自慢げに漠然とした夢を掲げたことに少し不満げになりながらも、夢が無い自分に比べてしっかりとした夢があることを羨ましく思ってしまった。
「春香ほんと好きだよねゲーム」
「生きがいと言っても過言じゃないよ」
「おー言い切っちゃったよこの人」
「双子なのにこうも違う感じに育つとはねー」
二人の少女は夕焼けに染まるアスファルトを歩く。
六年間の思い出を手にし、新たな三年間を二人で迎え、また次も、その次も。
すっとすっと二人で始まり、二人で終わる。二人にとってそれが何よりも嬉しいことだった。
それは続くと思っていた。
続くはずだった。
本作品を開いていただきありがとうございます。
本作品は自分の経験を最大限に盛って執筆したフィクションです。現実にある物事の名前が上がったり架空の物事が出たりします。
自分は機械に詳しくも人体に詳しくも無いので、VRMMOについてはそれこそファンタジー感覚で書いています。恐らく突っ込みどころ満載となってしまいますが、それでも読んでくださる神様はこれから宜しくお願いします。
更新ペースは定期ではありませんのでご了承ください。