なんか俺のステータスがおかしい!?
まずは食料調達だ。
肉…火がないから無理。
魚…どうやって取ろう?
果物…結局これが無難だな。
もし魔物がいたらすぐ逃げる。
今の俺のステータスでは、勝ち目はあまりないだろう。
ゴブリン? とかそんなんで精一杯だと思う。
つまり、こんな森さっさと出ないとな。
というかなんで森なんだよ?
どっかの町のすぐそばでいいのに……
俺はどうにもできない文句を言いながら、しばらく食料を探した。
◇◇◇◇◇
ーーーここは、終焉の森。
国によっては別の言い方もある。
曰く絶望の森だとか……
曰く最期の森だとか……
何故、そんな呼び方をされるのか?
簡単に言えばここの魔物が強すぎるのだ。
強い、ではなく強すぎるのだ。
ゲームでいう裏ボス並みの強さでは、ここの森ではただの雑魚、引き立て役にしか過ぎない。
最低レベルでもおよそ100……終焉の森に住む 森ゴブリン。
では最高レベルは?
それはこの森の主……
ーーーーー
名前 スエンドタート
Level Unknown
能力
HP Unknown
MP Unknown
ATX Unknown
AGl Unknown
DEF Unknown
INT Unknown
LUK 150500000
BP Unknown
スキル Unknown
ユニークスキル Unknown
ーーーーー
化け物だ。
強すぎるものなんてレベルじゃない。
勝てるはずがない。
勝とうとする考えが間違っている。
……しかし、この化け物も所詮は生物。
スエンドタートには寿命がきていた……
見えないHPを見るとしたら、それは
0,00000000000000000000000000000000000000000000000000000000001
と言ったところだろう。
残り僅かすぎるHP……石ころ1つぶつけられればそれで死んでしまうほどの体力。
ーーー何の因果か、運悪く何処からか石ころが飛んできて、スエンドタートは死んだ。
◇◇◇◇◇ー少し前ー
う〜ん…果物…果物……
「ーーーおっ? あれいいんじゃないか?」
木の上に、美味しそうな見た目は桃があった。
問題はどうやって取るかだが……
登る? 生憎だが木登りなど1度もない。
それにこの木はツルツルだしな。
じゃあ揺らそうか?
いや、この大きさは……と思っていたら1つ落ちてきた。
「……ま、まあいいか。
運が良かったってことで。
……それで、取れたはいいけどこれ、本当に食べれるのか?
毒とかないよな?」
ーーーうん、食べよう。
ムシャ
「……♪
なかなか美味しいなぁ。
もうちょっと取っておこう。」
この後何個か取って、また食べているうちに何気なくステータスを見ると、
「……BPが増えている?
0だったよな? 今では200だよ。」
どういう事?
別にレベルは上がってないし……ま、いいか。
ところでこのBPってなんだろう?
不思議に思ってチョコチョコ触ると
ポンッ
と、説明みたいなものが出た。
なんて便利な……
BPは、説明によるとレベルが上がると増え、能力やスキルに振り分けられるという。
ただし能力はレベルが上がると、BPを使わなくても個人差にもよるが一定分大きくなるという。
ーーー早速振り分けよう。
「何にしようかな……」
ATXに全振りした。
面白そうだったからだ。
「うーん……実感がわかない。
この石でも投げてみようかな?」
近くにあった石を思いっきり投げる。
ビッオッッ
「おおー!
見えなくなったぞ……俺すげー。」
今なら木を粉砕出来るかもしれないと、
少し興奮していると体に違和感があった。
「くっ!?」
体が重くなるような……全身をくまなく触られてるような……変な感じだ。
「一体何が……ステータスを見てみよう。」
すると、とんでも無い事になっていた。
「全部……Unknown!?
いや、スキルとユニークスキルは変わってないが……
それにしたってとおかしいだろう!?
Unknownってさっき高すぎて分からないって推測したやつだろ?
なんでこんな事になっているんだよ……
これBP使えるならスキルに振り分けるしかないだろ……」
でもどうして……ま、運がいいからか。
気にしても仕方がないよな。
よし、さっきの続きで木を殴ってみよう!
どのくらいの強さか判断しないとな。
……そして俺は木を殴った。
途中で、痛そうだから軽く殴ろうとしたのが幸いだった。
〜〜〜〜〜
この日、終焉の森が半壊した。
〜〜〜〜〜
その早すぎた力は、一瞬遅れて世界へと伝わった。
まず、耳元で花火が鳴ったかのような錯覚に陥り、目の前は砂煙などで視界が見えなくなる。
「ゴホッゴホッ、やべえどれだけっーーー」
言葉が出ないとはこのことだ。
地平線の彼方まで、木々が吹っ飛ばされている。
「……UnknownはWhat極まりない。」
自分でもよく分からん言葉が出た。
……じゃなくて、これシャレにならん!
街に入るとか夢のまた夢だ。
俺はすぐさまスキルに何かないか調べる。
「くそっ、多すぎる…何か、何かないのか!
……あった!! 」
【強者の余裕 Level10】 自由に能力を下げることができる。
俺はこれを使い、自分の能力を全て5万程度に下げる。
「これでひとまずは大丈夫だろう。
それじゃあゆっくり他のスキルを取っていこう。」
別に全部取ることもできると思うが、それじゃあ面白くない。
力を使えると使いこなせるは違う、って誰かが言ってた気がする。
………そしてこうなった。
ーーーーー
【思考加速Level10】
【思考分割Level10】
【空歩Level10】
【全魔法適性Level10】
【隠密Level10】
【鑑定Level10】
【投擲Level10】
【剣術Level10】
【体術Level10】
【気配察知Level10】
【危険察知Level10】
【魔力感知Level10】
【威圧Level10】
【隠蔽Level10】
【暗視Level10】
【遠視Level10】
【解体Level10】
【アイテムボックスLevel10】
【状態異常無効Level10】
【異世界言語Level10】
ーーーーー
欲張りすぎたか?
いや、異世界を甘く見たらダメだ。
危険がいっぱいかもしれないんだぞ!!
……もういいや。
そろそろ眠くなってきたので【危険察知Level10】と【気配察知Level10】を使ったまま寝ようと思う。
ま、運が良かったら魔物なんて出ないと思うけど。
ーーースキルLevelーーー
Level1…初心者
Level2…中級者
Level3…中級者
Level4…達人
Level5…努力な達人
Level6…天才な達人
Level7…化け物?
Level8…化け物!
Level9…神?
Level10…神!