鈴木麻衣は不意打ちで混乱中!
鈴木麻衣、人生最大のピンチです。
何で長瀬がこんなところにいるの!今部活の時間だよね?そうだよね?長瀬はバスケ部所属の筈…!この私が長瀬の情報を忘れるわけがないのに。だって今日の朝だって疲れたーって言いながら輝かんばかりの笑顔をお披露目してるんだよ?(首をつたう汗とかが妙に色っぽいんだよね!)(な、なんか変態みたい…!)朝連してる証拠でしょ。だからやっぱり長瀬は部活してるわけで。日直の仕事してる私のトコに来るわけが…。あっ!あっ!いや、私のトコに来たわけじゃないよね!あはは!(うわーん頭ん中ごちゃごちゃだ!)とっとにかく長瀬は今部活の時間で、教室にいるような人ではない、ということ、だよ、ね?じゃあじゃあなんでいるの!や、迷惑とか嫌だとかいうわけじゃなくてむしろ嬉しいんだけ、ど…(ぎゃー恥ずかしい!)心の準備ってものが必要なんだと思うんだよね!今すっごく心臓ばくばくしてるんだけどもー…っ!
「、鈴木?」
「っ! えっ、ぁあ、な 長瀬っ?」
ちょ、うまく声出なかったー!泣きそうかも…(ぐすん)ていうか長瀬が私に話しかけてきたよ!?嬉しい嬉しい嬉しい!ああああでもちゃんと返事できなかったよー!変な奴って思われたらどうしよう。声裏返らなかったよね私。そこはまぁ褒めるべきかな!や、も、会話続けなきゃ会話!どうしようどうしようどうしようどうしよう本当にどうすればいいのーっ!誰か、誰でもいいから助けて…!
「何してんの…ってああ、日誌か。」
「うっうんそうっ!私きょっ今日が日直だから、さ!」
笑 っ た よ !
ああもう格好良いなぁ!本当に!惚れた弱み?いやこれは弱みとは言わないかな!今日日直でよかったー!(幸せー!)でも盛大にどもったよ私!ああバカだな私!どうしよう!これ絶対顔赤いよ。というかちゃんと笑えてるかな。…引き攣ってる気がするぅ…(ヘコむねぇ)もうどうしようどうしよう!長瀬ー早くどっか行ってー!いや、やっぱり、行かなくても、いやでも、でもでも、ううん。あっ!あっ!日誌だってわかったって事は、日直だって普通にわかるよね?何言ってるの私は!ああもう助けてー!どうすればいいの!
「そっか」
ああ、今なら私、死んでもいいかも…。
輝いてるよ長瀬。私にそんな笑顔見せてもいいの?勿体無くないですか。頭が余計に真っ白になった気がする。もうどうすればいいかわかんないー…!あ、長瀬は忘れ物したから来たのか。(私のトコに来たとかそんなの全然なくて)数学の教科書…。そういえば宿題の期限明日だよね。そりゃ忘れちゃ駄目だ。…って!じっと見てたら戸惑うよね!変態みたいだよね!わーもうどうしよう!ていうかていうか何この沈黙はー!ちょ、ちょっと気まずいよね!私だけかな!私だけだったらいいのにな!何か、何か喋らなきゃ…!えーとえーと、うーんと、えーと、あー、えーっと…!
「…じゃ、日直の仕事面倒だけど頑張れな」
「へっ!?あっ!ぅうん…」
…格好良かったなぁ…。じゃなくてー!もっとまともな返事できないの私は!もー大馬鹿者め!せめて、せめてありがとうってお礼をさぁ…!いや、長瀬もって4文字だけでも…あーありがとうも4文字だ。(5文字です)んーん!せめて!せーめーてうんって返事したかったよ!
はぁ…何やってんだろ私。
おろおろする女の子は可愛いなぁと(私も生物学上は女なのに)思います。