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さようなら俺のハーレム。そしてこんにちは地獄の日々

放課後、体育館裏


「先輩!私と付き合ってください!!」


「・・・ごめん」


「そんな・・・どうしてですか!?」


「理由は言えないけど・・・ごめん!!」


俺は頭を下げて謝った。


「先輩は私の事・・・嫌いなんですか」


ツインテールにしている女の子は泣きそうな顔をしている。


彼女はこの学校の一年生で、その学年の中では一番可愛いと評判の子である。


「そんな事・・・はないよ」


普通の男子なら彼女に告白されたら即OKというだろう。


いや、俺もそう言いたい。


しかし、言えない訳がある。


それは


「・・・了承したら・・・わかってるな」


「・・・わかってるよ」


俺の背後に死神がいるからだ。






俺の名前は伴埼亮治ともさきりょうじ。私立高校の二年生だ。


自分で言うのもなんだが俺はモテル男だ。


生まれながらに持ったこの顔と均整の取れた肉体。


そして運動真剣抜群で成績も優秀だ。


俺の周りには常に可愛い系・綺麗系・お姉様系などの色々な女子が傍に寄ってくる。


「ねえねえ亮治君ここの問題だけど~」


「ああ、ここはこの公式を使って――――」


「亮治~今日学校終わったらカラオケ行こうよ」


「いいぞ」


「亮ちゃん。お菓子作ったんだけど食べない?」


「ありがとう。いただくよ」


っとまぁ、毎日がハーレム状態だった。


そんな俺をクラスの男子・・・いや全校の男子は恨めしそうに俺を睨んでいたが全く気にしなかった。


いや、気にしてないのは嘘だ。


俺は優越感に浸っていた。


「(ハハハ!羨ましいだろ!お前らがいくら頑張っても俺のこの顔!体系!頭脳!には敵わない!)」


そんな夢みたいな日々をすごしていたある日


「先輩って好きな人いるんですか?」


放課後の部活動で後輩の斉藤由紀さいとうゆきが話しかけてきた。


由紀ちゃんは一年の中でも上位5位に入るくらいの可愛い子で、よく部活中は俺に話しかけてくる。


ちなみに部活は美術部。


なぜ運動神経の良い俺がそんな部に入っているかって?


答えは簡単。絵のセンスも抜群だからさ。


それと理由はもう一つある。


絵を描く俺が絵になるからさ。


それで由紀ちゃんはどんな姿かというと


髪は肩まであり横に黄色のリボンを付けて、顔はまだ幼さが残るが後2,3年もすれば綺麗な女性になるのが間違いなしの顔立ちをしている。


そんな子が俺に好意を寄せているのを俺は知っていた。


だから俺は由紀ちゃんの問いにこう言った。


「実は今まで好きになった女性はいなんだ」


「ええ~!?そうなんですか!」


由紀ちゃんは目を大きく開き口を手で隠しながら驚いた表情をした。


「ああ。そうだよ。告白された事もないんだ」


実際そうである、俺は今まで告白されたことがない。


理由は俺の事が好きである女子達が抜け駆けしないように牽制しあってるからだ。


モテル男は辛いね。


「先輩意外です」


その言葉を聞いて尚驚く由紀ちゃん。


「(可愛いなぁ~)」


俺は由紀ちゃんに見惚れていた。


「先輩くらいかっこいい人が告白もされた事ないなんて勿体無いです」


「そうかな?」


「そうですよ~」


由紀ちゃんは顔を近づけた。


少し頬が赤らいでいるのが分かった。


「・・・由紀ちゃん顔赤いけど大丈夫?」


俺はそう言って由紀ちゃんの額と俺の額をくっつけた。


「・・・・・・え・・・ええ!?」


俺のとった行動に由紀ちゃんは理解していなかったが、すぐに理解してより顔が赤くなった。


「(・・・落ちたな・・・)」


俺は心の中でそう呟いた。


俺にこんな風にされて落ちない奴はいない。


「熱はないみたいだけど大丈夫?」


額を離し俺はそう言った。


「・・・ハ・・・ハイ・・・」


由紀ちゃんはボーっとした顔で俺を見つめながら言った。


「そう。ならよかった」


俺は計画通りに事が進んだのを確信して絵を描き始める動作の不利をした。


「ぁ・・あの先輩」


「ん?何?」


俺は手に持った筆を持ちながら由紀ちゃんの方へと向いた。


「先輩は彼女が出来たら・・・どうしますか?」


「(なるほどこの質問か・・・)」


俺は頭の中で答えを探す事二秒


「そうだね。俺に彼女が出来たら出来る限り幸せにしてあげたいな。彼女のお願いはなるべく叶えてあげれるように努力するね。それともし彼女の身に何かあったら死ぬ気で守るね」


ちょっと中二臭い言い方だったが俺が言えば問題無モーマンタイ


「・・・素敵です」


ほらね。


「さあ話はここまでにして部活しないと」


俺は爽やかに笑って由紀ちゃんを誘導した。


「ハイ!」


由紀ちゃんはそう言うと自分場所に戻り絵を描き始めたが時折俺の方へと視線を向けるのがわかった。


「(俺って罪な男)」


そう呟きながら俺は絵を描こうとした時


「本当に罪な男だな」


どこからか声がした。


俺は辺りを見渡した。


「前世から何も変わってない奴だな・・・これではせっかくの与えたチャンスが無駄に終わるな」


「誰だ!」


「・・・先輩?どうしたんです?」


俺の声で部員達が俺の方に視線を向けた。


「あ、いや、ちょっとトイレに行って来るよ」


そう言い教室のドアを開けて屋上に行った。


「おい!さっきの声の奴出て来いよ!」


「ほう。余の声が聴こえるのか?」


「当たり前だろ!どこにいる!」


俺は屋上に来て声のする人物を探した。


「そんなに慌てずとも今見せてやる」


そう言うと声の主は姿を現した。


「どうだ?これで見えるだろう?」


「・・・・・・・・」


俺は言葉を失った。


その人物は着物姿で真っ黒な長い髪で目は切れ長で瞳は赤く肌は真っ白で美しい大人の女性だった。


「どうした?見えんのか?」


俺が頬けているうちにいつの間にかその女性は目の前にいた。


「・・・綺麗だ」


俺は心で思った事がいつの間にか出ていた。


しかしその女性は別に嬉しがることなく


「見えているなら見えていると言わんか」


俺を殴った。


その衝撃で俺は正気に戻り


「痛ってなぁ!何すんだよ!?」


「黙れ」


女性はいつの間にか大きな鎌をこちらに向けていた。


「なっ!?」


「喋るな」


女性は鎌を俺の首元に近づけ


「私の話が終わるまで喋るな・・・喋るとその魂刈り取るぞ」


「・・・・・・」


俺は恐怖のあまり声が出なくなった。


「・・・よろしい。では今から説明する。伴埼亮治貴様は前世で大変な罪を犯している。窃盗・詐欺・強盗・誘拐・身代金・殺人・人身売買・強姦これらを前世でやっており、普通なら転生なぞ出来る筈が無いのだが、お前が心を入れ替えて悪事はせずに人助けをするから転生のチャンスくれと言い地獄の閻魔様は、その言葉を信じ転生させたがお前は女を誑かしてばかりで全く改心してないと判断した閻魔様は、お前に最後のチャンスを与える為に私にことづけをした。それは、お前は今後閻魔様の許しが出るまで恋人を作ると有無を言わさずその魂を刈り取る。また、前世の罪を償う為にお前は女性にアプローチをかけ告白させないと自動的に魂を刈り取る。また、その罪を早く消したいのであれば女子おなごには悪いがひどく振れば振るほど罪は軽くなる。以上だ。何か質問はあるか」


俺はあっけにとられて暫く呆然としていたが気を取り戻し


「ちょっと待てよ!そんな事言われても俺は前世の記憶なんて何にも覚えてないぞ!!」


「それは当たり前だ。前世の記憶を持っていたら罪滅ぼしになるんではないか。知っていたら今までの行動などとってはないだろう?」


「それは・・・そうだが・・・」


「他には?」


「自動的に刈り取るってどういうことだよ」


「生き物には寿命があるだろう。それをお前にはその寿命を極端に短くしてあるだけだ」


「・・・短くってどれくらいだ?」


「二ヶ月だ」


「なっ!?二ヶ月って短すぎだろ!!」


「それは前世のお前が悪い」


「振ったらどれくらい伸びるんだよ!?」


「度合いにもよるが最大で一ヶ月だな」


「・・・まじかよ」


「まじだ」


「・・・それで俺の罪は大体どれくらいなんだよ・・・」


「それは閻魔様だけが知っている事だから余にはわからん」


「・・・絶望的だ・・・」


俺はその場で膝をついた。


今までのハーレムの日常が一気に崩壊してしまった。


それもこれも前世の俺のせいで・・・。


「何、気にする事はないぞ」


「・・・え?」


「お前は中身は最悪だが外面はいい。それを利用してやれば死なずに済むではないか」


「・・・・・・」


「嫌なら告白された時に断らなければいい。愛を取るか命をとるかは自由だ。どうする?」


俺は考えた。


もし、自分の理想な女性が現れた時俺は愛を取るか命を取るかを。


「・・・・・・」


確かに俺は外面はかなり・・・いや完璧にいい。


俺を好きな女子は正直いくらでもいる。


だったらその女子達を誑かして罪を失くせば俺は本当の恋が出来る。


だったら・・・


「どうした?早く言わぬか」


「罪が消えたら俺は自由なんだよな?」


「ああそうだ」


「何をやってもお咎めはないのか?」


「そう聞いている」


「・・・わかった。俺は自分の命を守るために今日から振って振って振りまくる!!」


「良し。了承した」


女性はそう言うと何やらぶつくさと呟き始めた。


「何やってるんだよ?」


「契約をしている」


「誰とだよ?」


「お前だ」


そう言って女性は俺の腕を掴んだ。


「少し痛むが我慢しろ」


腕に電流が走った。


「っつ!!」


女性は掴んだ腕を離した。


俺は掴まれた腕を見ると何かの紋章が浮かんできたのが分かった。


「これからは余も手伝ってやる。これはその契約の証だ。それがある限りお前と私は常に傍にいる。他の者には見えんから安心しろ」


女性はそう言った。


「・・・よろしくな。・・・えっとあんた名前は?」


「そんなものはない。好きに呼べ」


「そうだな・・・・・・しとねでいいか?」


「かまわん」


「じゃあ暫くの間よろしくな。褥」


「すぐに終わるかも知れんぞ」


これが死神(褥)との出会いであり、今こうして俺の魂を刈り取ろうと後ろで鎌を構えている。






「理由を教えてください」


「理由・・・か」


俺は振る理由を考えていた。


「(どうやったら俺の命が多く延びるか・・・)」


俺に告白をしてきた子はじっと返事を待っている。


「おい。早くせぬと了承とみなして刈り取るぞ」


褥は俺の首に鎌を構え力を少し入れる。


「わかったからもう少し待て!了承はしない!!」


俺は小言で怒鳴った。


そして俺はその子に顔向け


「そんなに理由が知りたい?」


「はい。知りたいです。私、先輩の事入学してからずっと好きでしたから、私の気に入らない所があったら言って下さい。私、先輩の彼女に相応しい人になりたいんです」


俺はその言葉を聞いて


「(なんてけなげでいい子なんだ・・・俺の言う事を聞くって事は・・・ムフフ)」


――――チャキ――――


褥が持っている鎌が俺の首元に振れてた。


「(!!やばい!一瞬心を奪われそうになった!!)」


俺は気を取り戻しこういった。


「それは無理だよ。君では俺の彼女になれない」


「どうしてですか!?」


涙を浮かべて訴える。


俺はその表情を見て意志が揺らぎそうになったが


自分の命が掛かっているため


「お前みたいなお子様に興味はないんだよ」


「・・・え?」


「俺はロリコンじゃねえんだよ。だいたい俺の彼女になる為に相応しい人になる?だったらまずその小さな胸を大きくしてから出直して来い。それにそのツインテール。全然似合ってねぇよ。髪形変えたら?そんな髪型じゃあ小学生しかお前の事振りむかないよ」


実際心の中では


「嘘だよ!!俺は年下も大好きだ!胸なんて小さいのも大きいのも全部大好きだ!髪型だってすごく似合ってるよ!それ以外の髪型なんて君には似合わない!てか俺はツインテール大好きだ!!」


って言いたいが、言ってしまう死んでしまう。


「・・・・・・・・・」


一年の女子は何も言わず去っていった。


ただ、去り際に涙が流れているのが見えた。


「・・・・・・これでいいんだろ・・・」


俺は褥に声をかけた。


「うむ」


褥はそう言い俺の首に向けていた鎌を離した。


「これでどれくらい寿命は延びたんだ?」


俺は段差のある所に座って尋ねた。


「ふむ・・・だいたい二周間くらいかの」


「たったそれだけか・・・」


「文句を言う出ない。元々はお前が悪いのだぞ」


「わかってるよ・・・前世の俺がいたら殴ってやりたいぜ」


しばらく俺はその場から動かずにいた。


「なあ褥」


「何だ?」


「・・・今何人振った?」


「十二人だな」


「・・・俺の今の寿命は?」


「半年だ」


「・・・俺の罪はいつ終わるんだ?」


「知らん」


「だよなぁ~」


ため息を一息ついて立ち上がった。


「まだまだ先は長そうだな」


「そうだな」


俺は暗くなった夜道を歩きながら


俺に告白してくれた女子達の事を思い出し星空に顔を向けて


「(・・・ごめん)」


と心の中で言い


「(でも、俺も死にたくないんだ。せっかく恵まれたこの体をみすみす手放したくないからな。明日も寿命を延ばすために女子が告白し来にるように餌をばら撒かないとな)」


そう考えながら、俺はいつも通りに家に帰った。

作者のはじめと言います。この作品は主人公が前世で行った罪を償う為に惚れた女性を振らないと命がなく、告白をOKするとその場で死神によって命を狩り取られてしまう。生き残る為には女性の申し出を断らないと生きていけない。またその振り方によって寿命が延びるお話となっています。今後は時間があるときにちょくちょく書いていこうと思っております。読んででくれた皆さんが楽しんでいただければ嬉しいです。

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