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歓迎

 素晴らしい町マーニューマを後にし、再び歩き始めた。しかし、一向に次の町に着かず、彼此かれこれ3日も食わずにいた。

「お腹空いた……」

レノンの意識は朦朧もうろうとしていた。

「しかし、何故だいくらなんでもこんだけ歩いたら町ぐらい見つかるだろうに……。まぁ、最初に出たときも、3日ぐらいかかったっけな?」

一人で虚しく笑うこと30分町が見え始めた。

レノンは今までの疲労が無かったかのような勢いで町へと向かった。

「よっしゃー町だぁぁぁぁぁぁ!」


町の前に到着すると、なにか違和感のようなものを感じた。

「人が居ない?いや、気配はする……」

恐る恐る町に入った。しかし、誰も出て来はしない。取り敢えずどこかレストラン的な所に入ることにした。


少し古びたレストランだった。2階建てで独特な雰囲気を醸し出していた。

「すいませーん誰か居ますか~?」

ゆっくりとドアを開けるとそこには

「ようこそ『歓迎と祝福グラータム・スペルフィーチ』へ」

たくさんの人が居た。「ようこそ」と言ってきたのは、老人だった。

「え、えっと?」

いきなりのことでレノンは驚いていた。

「おっと、申し遅れました。私はこの町の町長フィポス・グリードと申します。気軽にフィポスとお呼びください」

「は、はぁ……」

まだ、若干戸惑っていたものの落ち着いてフィポスの話を聞いた。

「あの~何で皆さんがここに集まっているのですか?」

「それはですね、あなたが来ることをが分かったからですよ」

「え?どうして分かったんですか?」

「望遠鏡で覗いたからですよ?」

「?」

「何故?という顔をしていますね。…この町の近くに他の町が無かったのは知っていますよね?」

「え、えぇ」

「昔はこの辺りにもたくさんの町があったんですよ。しかし何年か前にこの辺りで災害があったんですよ。それは、もう本当にすごくて、災害が終わると、他の町は無くなってしまい残ったのはこの町だけになってしまったんですよ。ですが、この町だけだと、旅をしている人が辛い目にあってしまいます。そこで考えたのは、『もしも、頑張ってこの町に辿り着くことが出来たら、最高の歓迎をする』という計画でした。実際にこの町に来た人は、幸福な気持ちで町を出発して行ってますよ」

「成程、だから皆さんがここに集まっているのですか…」

部屋にいる人々を眺めた。

「そうなんです。だから、私達は今回あなたを喜ばせようと思います」

「なら、お言葉に甘えようかな?」

「はい、任せてください」

フィポスはささっと言いながら奥にレノンを案内した。

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