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城内へ

 女性の家から出て徒歩5分で女性の言う城が見え始めた。しかしその城は城と言うよりも塔に見えた。その城の高さはおよそ50mほどだった。

レノンはまずどうやって中に入るか考えた。しかしものの数秒で考えが決まった。

「真正面から行くか」

そう呟くとその城に向かって行った。

城の前には警備兵が2人いた。

「あの~すいませ~ん」

レノンはその警備兵に向かって声を掛けた。その警備兵に王に会わせてもらえないか聞くつもりだったのだ。

「ん?何だ貴様は……!?」

突如一人の警備兵は驚いた表情をした。そしてすぐさまふところに入れてあった一枚の紙を取り出した。

「お、おい…」

もう一人の警備兵を呼んだ。レノンはわけが分からずそのまま呆然と立っていた。

二人の警備兵がその紙を見た後、今度はレノンに見せてきた。

「貴様は王に反逆した者だな!」

その紙には『WANTED』と書かれた紙に俺の顔が載っていた。

「(そうか、あの騒動で俺はこの城内で指名手配者になってしまったわけだ。……しかし何故だ?何故いつのまにか俺の顔写真が撮られているんだ?)」

そんなことを考えていると警備兵の一人が無線機を使い連絡し始めた。

「こちらコロン例の反逆者を発見した。直ちに始末します」

「(始末って……これじゃぁ話を聞いてくれそうもないな)」

二人の警備兵はレノンへと突っ込んできた。

「死ねぇ!反逆者!」

レノンは攻撃を仕掛けてきた二人の警備兵の攻撃をかわし二人の背後に一瞬にして回り首目掛けて手刀しゅとうを繰り出した。二人はゆっくりと地面に倒れこんだ。

「悪いな、気絶していてくれ」

城に入ると数十人もの警備兵が居た。思わず「お出迎えご苦労さん」と言ってしまいそうになった。

「やはり来たな反逆者!」

「…悪いけどここは通らせてもらうよ」

レノンは右の手の平を上に挙げた。

「『静寂の時ドルミエット!』」

手の平から水色の粉状の物が部屋一面に撒かれた。すると次から次へと警備兵が倒れていきいびきをかき始めた。

「暫くここで寝ていてね」

警備兵を踏まないように次の部屋へと向かった。


中に入ると高級感漂う部屋だった。

中には大柄な男が一人王座の前に立っていた。

「流石だな。まさかここまで辿り着くとは思わなかった。しかも、誰一人殺さずにな」

レノンは疑問に思っていた。何故一人も殺さず来たかを知っているのか。

「フフフ、何故分かるんだって顔をしてるな。良いだろう、教えてやる」

レノンの表情を読み取った男は語り始めた。

「この国にはミクロサイズの監視カメラがあり、カメラが読み取った情報を通じて国の様々な所が分かるのだ」

「成る程、だから俺の顔も分かっていたのか」

「そういうことだ」

レノンは本題を切り出した。

「俺は王に会いたい」

「会ってどうするつもりだ?」

「話をする。もうこんなことは止めろってな」

「そうか……ならば帰るのだな。そんなくだらん話をさせるはずがないだろう?」

「確かにな、だけどそれじゃぁここまで来た意味がない、意地でも会って話してみせる」

「フ、ここまで来た褒美をやろう」

「褒美?」

「王に会わせてやる」

「どういう風の吹き回しだ?」

「勘違いするな。冥土の土産に会わせてやると言っているだけだ」

「あぁ、そうですか」

男は立っていた場所から横に移った。王座に人が座っていた。しかし、それが王だとは思えなかった。何故なら、

「こ、子供!?」

王座に座っていたのは小さな子供だった。

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