初めの町
この世界には大まかに4つの世界に別れている。
一つは一般の人が住む『ポアープロ』
二つは悪魔が住む『オブスクールマ』
三つは天使が住む『ルーカス』
実際に知られているのはこの3つの世界だ。
だが、世の中に4つ目の世界が存在していると言われている。
その四つ目は悪魔と天使の間が調和されている楽園――――――――
レノンが育った町を出て3日後やっと最初の町が見え始めた。
町の入り口には『コンティネラ』という表札があった。
レノンが町の中に入ると目にした光景はとても、みすぼらしかった。
緑は無く木も枯れてしまっていた。
「一体、そういうことだ……」
困惑していると、前方から二人の人影が見えた。
レノンは近くの家の影に身を潜めた。
二人の風貌は背が高い男性でいかにも高そうな鎧を身に着けていた。
二人の男はいまにも崩れそうな家の中に入った行った。
家の中からは声が聞こえていてが内容までは聞こえなかった。
足音を立てず、その家の傍により聞き耳を立てた。
「速く金を払えよ!」
中からドスの効いた声がした。
「そんな!この前大金を払ったばかりじゃないですか!」
今度は弱弱しい女性の声が聞こえた。
「王の命令だ。それとも何か?王に逆らおうってのか?あぁ?」
「しかし、そんなお金を払うお金はもうこれっぽっちもありません!」
「そうか……ならば命で払ってもらおうか!」
男は鞘に収めていた刀を抜き女性に切りかかろうとした。
「キャーーーーーーー!」
女性の悲鳴と共にレノンは家の中に入って行った。
「流石にやりすぎだろ」
レノンの顔は怒りで満ちていた。
「なんだ?てめぇ?」
「その人から離れてさっさと出てけ!」
「は~~~。邪魔しないでくれるかガキ。こっちは仕事中なんだよ」
「今、やろうとしていることがか?」
人差し指で男が持っている刀を指した。
「あぁ、そうだ。これも王の命令だ。それともなにか、お前は王に逆らおうってのか?」
「お前が刀を振り下ろすってならな!」
「くっくっく……。ハッハッハハハハーーーー!」
男は高らかに笑った。
「てめぇみたいなガキが何を偉そうに!だったら、反逆者!てめぇは死刑だ!」
男はレノンの首めがけて刀を振り下ろした。
レノンは素早くしゃがみ込み男の足元目掛けて蹴った。男はバランスを崩しそのまま床に倒れた。
レノンは透かさず次の攻撃態勢に移った。
拳を硬く握り締め男の腹目掛けて殴った。
「ゴホッ!」
男はそのまま気を失った。
「てめぇはどうすんだ!」
レノンの矛先はもう一人の男の方に向いた。
「ひっ!ひえぇぇぇぇぇぇぇ」
男は気絶した男性を担ぎ、一目散に逃げて行った。
レノンはいつもの調子に戻ると体を女性の方へ向けた。
「出来ればこの町のことを詳しく聞かせていただけませんか?」
「は、はい……」
女性は唖然としていた。