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旅立ち

 天使と悪魔のハーフとしてレノンは生まれた――――――

この世界は天使と悪魔なんて共に住むことなどできなかった。



「この町とも到頭とうとうお別れか・・・」

レノンは椅子に座りながら自分の家を見回していた。

「……行くか!」

その言葉と同時に力強く立ち上がり玄関の扉を開けて外に出た。

すると、目の前には町の人々が家の目に立っていた。町の人の目は悲しそうでもあり寂しそうな目だった。

レノン自身この光景に驚いていた。何故なら町の人にこの町を出て行くということを誰にも言っていなかったからだ。

「え、えっと…皆どうしたの?」

無論そんなのは聞くまでもなかった。

「レノン君の見送りじゃよ」

一人の老人が言った。

心底疑問に思ったことを町の人に聞いてみた。

「どうして分かったの?」

「レノンの顔を見れば直に分かる。昔から隠し事をすると必ず顔に出てしまっているんじゃ」

自分では全くそのことに気付いていなかったので、とても恥かしがっていた。

頬をぽりぽりと掻きながら自分がこの町を出て行くことを言った。

「俺この町を出るよ!この町を守るためにも!」

「そうか…」

町の皆はやはり寂しそうな顔をしていた。

「本当はな、やっぱりレノン君には行ってほしくないんじゃよ。この町はレノン君を軸としていると言っても過言ではない」

「ありがとう、おじさん……でも、俺は……」

「分かっておる。行かなければならないんじゃろ?」

無言で頷いた。

「決めるのはワシらじゃないレノン君じゃ」

「………」

「正直な話な、わしらが一番心配しておることはこの町『インシピアナンス』に二度と戻ってこないんじゃないかということじゃ」

レノンは口角を上げにっこりとした表情で

「大丈夫です!僕は必ずまたここに戻ってきます!約束します!」

町の人に笑顔が戻り始めた。

「そうか。ならばワシらもここは笑顔で見送らなければな」

「はい!ありがとうございます!」

この町に悲しみはいらない。笑顔だけで充分だ、と思った。

そのためにもこれから起きる戦争を絶対に止めなければならない。

この気持ちのベクトルが強くなっていった。

 

 町の人全員と別れを告げた後、レノンは『インシピアナンス』を出た。


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