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嘆きの森  作者: 遠野沙子
物語の章
9/9

幕間

「――――――おしまい」




青年は、そういうと、ふーっとため息をついた。


私はたずねた。


「旅人は、どうして食べられてしまったの?」


青年は笑った。


「彼は罪を犯したから、森に魅入られてしまったんですよ。怪物は罪人を喰らって、その数だけ首を増やしていくのです」


館の主人は、そう言うと、テーブルの上をじっと見つめた。


「どうして、怪物は生まれたのかしら・・・」


「なにもないところからは、なにも生まれない。しかし、怪物は森から生まれた、と思うのがそもそも間違っているのかもしれないね」


いつのまにか、目の前の男の表情は、どこか悩ましげな色を帯びている。

私は、窓の外を見た。まだ嵐は止まない。


さて、と青年は言った。


「マリア、次は貴女の番です」


私は名前で呼ばれてどきりとした。

なにか胃の奥にひっかかるような、胸が苦しくなるような気持ちがした。


「ミスタ・オースティン」


「ウィリアムで結構ですよ」


私は深呼吸をした。


「それでは、ウィリアム・・・、私のお話は、ある一人の少女の半生にいたしましょう」

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