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嘆きの森  作者: 遠野沙子
序章
7/9

ものがたり

「そう、ものがたりです」


窓は猛烈な風に叩かれて、がたがた、ぴしぴしと軋んだ音を立てている。


「作り話でもかまいません。交代でお話をしましょう。どうせ、こんな嵐では眠れないでしょうから」


「作り話でも、本当の話でも構わないんですね?」


「ええ。何も難しいことはありませんよ。ただ・・・」


青年の口元は、指に隠れて見えない、けれど、笑うように歪められた気がした。


「ひとつだけ、決めごとをしましょう。





お も し ろ い 話 を す る こ と 。 」





雷が鳴る。

強い閃光で、青年のからだは境界が曖昧になる。

私は目がくらんだ。

さっき感じた違和感が、よみがえる。


私はまっすぐ青年を見た。


「いいわ。その提案、受けましょう」


青年は、ふふ、と笑いながら指を崩して、「そんなに堅苦しく考えることはありませんよ」と言った。


青年の細くきれいな指は、黒い髪をかきあげる。


「まずは、僕から話そう。恐ろしい魔物の、お話です」

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