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嘆きの森  作者: 遠野沙子
序章
6/9

物語を、はじめましょう

そこは、薄暗いけれど、広い部屋だった。

どこかの国の王様が、宴をもよおすような、長い広いテーブル。

天井は高くて、立派なシャンデリアが3つも下がっている。

壁は黒が基調で、落ち着いた装飾が施されている。

明りはたくさんの蝋燭だ。

私と青年の影が、不気味にゆらめいて映し出される。


青年と私は、テーブルの長い辺の真ん中あたりで、向かい合わせに座った。


青年の後ろには、両開きの大きな窓がある。

窓の向こうでは嵐のように、雨と風が暴れている。

森の木は激しく揺さぶられて、おばけの叫び声みたいな音を立てている。


雷が鳴った。

閃光が一瞬だけ、部屋を白く照らした。

逆光を浴びて、青年の顔は暗い孔のように見えた。


「さて」


口の前で指を組みながら、青年は言った。


「夜が明けるまでは、まだまだ長い。嵐も止む気配はありません。どうでしょう、物語でもして、時間をつぶすというのは・・・」


「物語・・・?」



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