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笑えない漫談師と、縁切り寺の瓦地図

作者:乾為天女
最新エピソード掲載日:2026/03/25
 埼玉県北部の旧宿場町・羽崎市。寺町と商店街が「もう終わった場所」と言われるこの町で、市役所文化財係の会計年度任用職員・洸太は、郷土史を題材にした漫談を披露してはすべってばかりいた。七月下旬の夏の催しでも見事に場をしらけさせたその夜、清蓮寺の庫裏改修で外された古瓦の一枚が割れ、裏から手描きの地図が現れる。そこに残されていたのは、「次に切るべきは、恋ではなく、町の嘘」という奇妙な一文だった。
 商店街の洋食店「れんげ亭」の娘・未羽に引っぱられるようにして、洸太は郷土資料館の学芸員・千加子、高校地理教員の陸矢、若手弁護士の香音、信用金庫から商店街支援に出向している章光とともに、町で長く誤解されてきた「縁切り寺」の正体を追い始める。調べを進めるうちに浮かび上がってきたのは、恋人を別れさせる恐ろしい寺という噂とはまったく違う、借金や暴力、家のしがらみなど理不尽な縁から人を逃がすための場所だったかもしれないという真実だった。
 さらに、瓦窯跡、古地図、旧河道、聞き書き、そして未羽の祖母が残した食堂ノート『人間失格の恋』が一本につながり、町の過去に埋もれていた「生き直すための歴史」が姿を現していく。笑いに逃げず自分の言葉で語ることを覚えていく洸太と、店を継ぐか町を離れるかで揺れる未羽。二人が選び直すのは恋だけではない。切るべきものを切り、残すべきものを残した先にある、小さいけれど確かな幸せ
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