【閑話】王不在中のリュビ
一方ルビーン国では赤兎が鏡の中に入ってから1週間が経とうとしていた。
リュビは不在の赤兎に代わり政務をこなしていた。
政務以外の時間は鏡の間に戻り、赤兎がいつでも帰ってこれるように朝から晩まで寝ずに待っていた。
「…今回は帰られるのが遅い。きっと手を焼いていらっしゃるんでしょうね。」
私は鏡を見つめると顔が痩せこけ、疲れた顔が映っていた。
早く無事な姿を見せてください…王よ。
「…くっ…。」
さすがに毎日寝ずにほとんど食べ物を口にしていなかったせいか立ちくらみがして、私は冷たい床に倒れてしまった。今までこんなこと…なかったのに。
私はそのまま静かに目を閉じた。
再び目を覚ますと自室にいた。
誰が私を運んできてくれたのだろうか。
部屋をコンコンとノックする音が聞こえた。
「リュビ様、メラー騎士団長のメラーです。入っても宜しいですか?」
「ああ構わないよ。」
メラー、ルビーン国のペガサス騎士団のリーダーだ。
空飛ぶペガサスに跨り、優雅に戦う様が美しいと言われている。
「昨日運んだのは君かい?」
「私は男性を持ち上げられる体力はありませんのでうちの男に運ばせました。医師によると睡眠不足と栄養管理を怠っていたのが原因だとか言ってましたよ。この栄養剤をちゃんと飲むように。2,3日はきちんと休暇を取るようにと。」
メラーはサイドテーブルに置かれた栄養剤を見せた。
そうか…確かに鏡に映っていた私は…。
「王はまだご帰還されておりませんのでご安心を。では私は訓練に戻ります。料理長にリュビ様が目覚めたので栄養ある食事を頼むと言っておきます。失礼します。」
メラーはそのまま部屋を退室した。
早く元気になって、王の帰還に向けて体調を戻さないと…。
数十分後、料理長が私に栄養ある食事を持ってきた。
久しぶりにちゃんとご飯を食べた…とても美味しいな。
私はきちんと休暇を取り、鏡の間に行き王の帰還を待ち続けた。




