第1の試練
灼熱の大地を歩めていると3つの扉が立っていた。
それぞれの扉には左から「勇気の試練」「勝利の試練」「情熱の試練」と書かれていた。
一つずつ確かめていると勇気の試練と勝利の試練の扉は開かなかった。
これは多分…試練を一つクリアしないと次の試練にいけないということだな。
俺は情熱の試練の扉を開け、中に入った。
中に入ると同じ灼熱の大地が広がっていた。
情熱って何だ…?どんな試練なんだ…?
先から「助けて...」と聞こえてきた。
俺は声のする方向に向かうと人々が苦しんで地面に這いつくばっていた。
なんだか苦しそうな顔をしていた。
近寄ると苦しんでいた人々は姿を変えて、炎の化け物に変わった。
その炎の化け物はとっても熱かった。
こんなに熱い炎風…今まで浴びたことなんてない。
炎の化け物は一つになり、大きな炎の化け物になった。
「お前が新しいルーベル王か…ひ弱そうな奴だ。」
またあの歴代王で口が悪い王にそっくりな口調だ。
俺は剣を構えた。
「炎の魔人に適うと思っているのか?まあ私を倒さないと王になるための力が手に入らんがな。」
炎の魔人は更に力を強めた。
「俺は王として試練に勝たないといけない。俺は歴代王に比べたら弱い…でも俺は力を手に入れて変わるんだ!」
すると俺の中にあるルビーの力が俺に力を与えだし、持っていた剣は姿を変えルビーの装飾をあしらえた赤く輝くレイピアに変わっていた。
何か凄く燃え上がる力が身体から湧いてくる...。
それにこの剣...どうしてレイピアに?
とりあえず俺はレイピアを持ち、そのまま炎の魔人に向かっていった。
炎粉で露出している肌がジリジリと火傷をしていく…それでも俺はコイツを倒さないと…。
「さあこれは耐えれるかな?ひ弱な王よ!」
炎の魔人は大きな炎弾を赤兎に向けて飛ばしてきた。
これはヤバイ...と受身を取っていたら、身体が勝手に動きレイピアで炎弾を貫いた。
これまさか…学校の同級生カンナを倒した時に出たルビーの力か!?
「ほぉ…やるではないか…。ならこれはどうだ!」
炎の魔人は炎を赤兎に向かって吐き続けた。
さすがにこれは向こうの力が強すぎる…。
するとルビーの力が働き出し、身体が勝手に飛び上がり吐き出し続ける炎の上に乗り、魔人の胸にあるルビーの宝石に向かって突進した。
炎の魔人は動きを察して、赤兎を大きな手で振り払った。赤兎は炎の海に飲み込まれた。
あっ…これ死ぬわ…。
ひたすら落ちていく自分に自信を失っていた。
「駄目だ...君はルビーの力に選ばれたんだ。死なせはしない!」
誰…?周りを見るが誰も居なかった。
まさか俺の中にあるルビーの力か?
するとルビーの力は再び力を湧き上がらせた。
レイピアは再び地上に向かって、赤兎を地上に上がらせた。
「ゲホッゲホッ……。」
身体は一切火傷をおっていなかった。
「まだ生きておったか?かなり弱いやつだと思っておったのに。」
すると炎の魔人は炎弾を何発も赤兎に向かって繰り出してきた。
俺はスイッチが入ったのか炎弾を全て切り裂いた。
「負ける訳には…いかないんだ!!」
赤兎の目はまるでルビーのように赤く輝きだし、炎の魔人に向かって反撃を開始した。
自分に敵対する者は許さない…許しはしない!
悪者を許さない情熱が赤兎には湧いていた。
炎の魔人から繰り出される炎の攻撃はもう彼には何一つ効かなかった。
「何ッ……!!」
「これで……終わりだッ!!」
俺はレイピアで炎の魔人の胸にあるルビーを砕いた。
炎の魔人は叫びながら、溶岩のように溶けていった。
俺もそれに飲み込まれるように地面に倒れた。
息が苦しい...それに身体が悲鳴を上げるほど熱くて痛い…。
溶岩は周りの火の海に流れていった。
炎の魔人がいた跡にはルビーのイヤリングが落ちていた。
俺はゆっくり這いつくばりながら、そのイヤリングを手にした。
「これは…?」
「これはルーベル王が持つルビーの力の神器の一種。先程のあなた様の悪に立ち向かう情熱…あなたはこれを持つのにふさわしいと認められたのです。」
「俺に話しかけているのは…俺の中にあるルビーの力か?」
「あなた様を助けるために力を通して動いています。」
やっぱりお前だったのか…なんとなくそうだろうなと思っていたけど。
すると先程の試練扉が現れた。
「さあ行こう…次の試練へ。」
「少しだけ…休ませてくれ。いきなり力を使ったから疲れたんだ。」
俺は真っ赤に燃える空を見つめながら、ゆっくり目を閉じた。




