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宝石の力を持つ者  作者:
ルビーの力を持つ者
5/13

友との別れ

「さあ帰ろ!赤兎。」


ああ…今日はどっと疲れた。

さっさと帰ろ…。


「赤兎くん、今から先生と来てくれるかな?」


げっ…呼び止められた…。

なんか凄い嫌な予感がする。


「は…はい…。」


「じゃあ俺は先に帰ってるよ!また後でね、赤兎!」


焔…、置いてかないでくれ…。

普通は待っててくれるもんじゃないのか…。


「とりあえず赤兎くん、先生と一緒に来てくれる?」


「はい…。」


俺は観念して、先生と向かった。

きっとルーベル王のことだろうな…。

向かった先は理事長室だった。

先生は「失礼します。」と中に入るとリュビと理事長がいた。


「じゃあ赤兎くんと二人だけにして頂けますか?理事長さん。」


「は…はい!さあ赤兎くん、こちらへどうぞ。」


あれ?いつも威張り散らしている理事長がかなり弱い立場になっていた。

理事長と先生は部屋から退室した。


「さて赤兎くん、今日一日君を見させてもらったよ。」


そりゃ感じてましたよ…グサグサ突き刺さる視線が。


「君は夢を見たんだろ?あの歴代ルーベル王が眠るルビーの部屋に向かう夢。君がルビーの力を手に入れる夢を。」


「はい…。」


「あの部屋で君は王に選ばれたということだ。特に体育の授業のサーブルでのフェンシング、君はルビーの力で強い相手をねじ伏せた。あれはとても素晴らしかったよ、君は受け継いでもおかしくはない存在だと確信したよ。」


ヤバい...これは逃げられない。


「私はいますぐにでも君をルーベル王の屋敷にお迎えしたいと思っている。王なき今、民達は新王となる君を待っている。歴代王を支えてきたこのリュビがあなたの支えとなります。」


リュビは俺に手を差し出してきた。

リュビの手を取れば、王となり、俺の自由は無くなってしまう。

唯一の友達だった焔とも離れ離れになる。

たとえ彼がルーベル王の騎士になったとしても、焔と近くで会える可能性が低くなる。

せめてさよならを言いたい。


「もし今ここで貴方の手を取れば、俺はこのままルーベル王の屋敷に向かうことになるのですよね?」


「今あなたが私の手を取れば、すぐに屋敷へお連れします。」


やっぱりそうだよな…。

ダメ元で聞いてみるしかないか。


「その前に…唯一の友人に別れを言いたいのです。」


「友人…ですか?構いませんよ、お呼びしましょうか?」


「はい。」


あれ?意外とすんなりと…。

俺は焔の名前を伝え、彼を連れてきてもらった。


「失礼します…!リュ…リュビ様!お会いできて光栄です!」


焔はリュビを見るなりに興奮していた。


「君が焔くんかね?彼がお話があるらしいよ。」


「赤兎…!?」


するとリュビに夢中になっていた焔は俺を見るなりに驚いた。

おいおい俺の事を見てなかったのかよ…。


「じゃあ私は退室するから、ゆっくりと話してくれたまえ。」


リュビ様は俺ら二人を残して、部屋を退室した。


「改まって話って?」


焔は俺の目の前に座った。


「俺…、実はルビーの力を手に入れて王となったんだ。」


「なんとなく気づいてたよ…。フェンシングでいきなり赤兎の顔がいきなり変わったし、リュビ様はずっと君を見ているし…。でも良かったじゃん、赤兎が王になるなんて俺は嬉しいよ。だって俺は唯一の王の友人でしょ?それに俺は卒業したら、赤兎に仕えるわけだし…また会えるじゃんか?」


「焔…、いいのか?俺が王になっても?」


「必ず俺は君の傍にいけるように努力する…。だから待ってな!俺たち友達だろ!」


焔は俺の手を握ってきた。

俺は本当にこいつが友人で良かった…。


「赤兎…いや新ルーベル王、即位おめでとうございます。」


焔は俺に膝まづいて頭を垂れた。

俺は焔の顔を上げさせた。


「お前を待ってる…私の唯一の友。」


俺は焔を強く抱き締めた。


「まさか君がこんなことをしてくれるなんて思っていなかったよ。」


「友達はこうするのが普通だろ?」


俺は君を待っているよ、焔。

君が騎士として最高位になって、来てくれることを祈っているよ。


焔は「またな…赤兎。」と言って、部屋から退室した。

彼と入れ違いでリュビが入ってきた。


「さて赤兎さん…いや新たなルーベル王よ、我々と参りましょう。」


俺はリュビから差し出された手を受け取った。

今から俺はこのルビーンのルーベル王だ…。

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