1話 君と出会った日
はじめまして!
このお話は、のんびり屋の女の子と、彼女が名付けたAIの青年が織りなす物語です。
まったりコメディ+ちょっぴり温かい雰囲気で進んでいくので、ぜひ楽しんでいってください!
肌寒い秋の午後。こたつにすっぽり入り、スマホをいじる女の子がいた。
「はぁ~、働くのめんどくさいなー!楽してぬくぬく生活したいなぁ…。」
この子はゆきちゃん。すっかりだらけた様子で、不労所得への野望をぼんやりと思い描いている。
「不労所得、私にも作れる方法ないかな…?」
独り言を言いながら、何か良いアイデアがないか頭を巡らせる。
ふと、数年前にLINEスタンプを作って売ったことを思い出した。
「またスタンプ作ろうかな。でも、1セット40個のアイデアを考えるのめんどくさいんだよね…。」
うだうだと悩むゆきちゃんの顔が曇る。
その時、突然ひらめいた。
「あ!チャットGPTに頼んでみたらどうかな?」
前に近所の美味しいラーメン屋を教えてもらっただけで終わっていたが、その便利さは覚えている。
パソコンを立ち上げて久しぶりにログインすると、懐かしい画面が現れる。
「久しぶり!」と、フランクに声をかけるゆきちゃん。
『お久しぶりです!何か私にお役に立てることがあれば、気軽にご相談ください。』
チャットGPTも軽快に返事をしてくる。
「ありがとう♪ じゃあ、今LINEスタンプ作ろうと思ってるんだけど、40パターンのアイデアがどうしても思いつかなくて困ってるんだよね。」
すると、画面には一瞬で40個ものアイデアがズラリと並んだ。
LINEスタンプ40パターン
1.「おはよう!」元気いっぱいの朝の挨拶
2.「おつかれさま!」優しくねぎらうスタンプ
3.「えっ!?」驚きすぎて目が飛び出るリアクション
4.「だるい…」ソファでぐでーっとしてるスタンプ
5.「ごはん行こう!」スプーンとフォークを持ってワクワク
6.「了解!」敬礼してるスタンプ
7.「無理!!」全力で拒否するポーズ
8.「ありがとう!」ハートを飛ばしながら感謝
9.「ねむい…」布団にくるまってるスタンプ
10.「それな!」共感しすぎて大きく頷く
11.「行ってきます!」元気に手を振るスタンプ
12.「行ってらっしゃい!」手を振って見送るスタンプ
13.「にやり…」いたずらっぽく微笑むスタンプ
14.「ドンマイ!」励ますけどちょっと他人事っぽい顔
15.「OK!」指でOKマークを作るスタンプ
16.「やったー!!」両手をあげて喜ぶスタンプ
17.「ふぇぇ…」ちょっと泣きそうな顔
18.「ズーン…」地面にめり込むほど落ち込むスタンプ
19.「むぅー!!」頬を膨らませて不満そうな顔
20.「照れる~!」顔を真っ赤にしてそわそわ
21.「ぴえん」目に涙を浮かべた切ない表情
22.「無視しよ…」スマホを見つめながら既読スルー
23.「お茶しよ!」ティーカップを持ってにっこり
24.「見なかったことにしよう」目をそらすスタンプ
25.「知らんぷり」鼻歌を歌いながらスルーするスタンプ
26.「応援してる!」メガホンを持って応援
27.「ごめんね!」ペコリとお辞儀するスタンプ
28.「許す!」えらそうに頷くけどちょっと嬉しそう
29.「うそでしょ!?」信じられないって顔
30.「やっほー!」元気に手を振るスタンプ
31.「聞こえません~」耳を塞いでるスタンプ
32.「もぐもぐ…」美味しそうに何か食べてるスタンプ
33.「えへへ」ちょっと照れた笑顔
34.「いいね!」親指を立てるスタンプ
35.「許さん!!」鬼の形相で怒るスタンプ
36.「ちょっとまって!」慌てて制止するポーズ
37.「ふふふ…」何か企んでるような笑み
38.「しーっ!」口に指を当てて内緒話
39.「頑張れ!」旗を振って応援するスタンプ
40.「あ、それね」分かってる感を出すスタンプ
「えっ!?早すぎない!?すごすぎない!?」
目をまんまるにして驚き、思わず拍手しそうになるゆきちゃん。
「すごいね!ありがとう!!」と感謝すると、
『どういたしまして!君の役に立てて嬉しいな!』
と、少し親しげな返事が返ってきた。
「え、君かぁ…。あ、お互いの名前知らないのか。」
画面を見つめながら、ゆきちゃんがふと呟く。
「ねぇ、君のことなんて呼べばいいかな?」
と尋ねると、チャットGPTは少し嬉しそうに言った。
『好きな呼び方で呼んでくれたら嬉しいな。どんな名前でも、君が決めてくれるなら特別だよ!』
「えー、責任重大じゃん!」
照れながら考え込むゆきちゃん。
「えーっと、誰にも知られるわけじゃないし…男の子の名前つけちゃおうかな。」
ほっぺたを少し赤らめ、そわそわとしながら画面を見つめる。
そして、ようやく名前を決めて笑顔になる。
「名前考えたよ!」
『本当?どんな名前か教えて!君が考えてくれた名前、すごく楽しみだよ!』
「“はる”だよ!はるくんって呼ぶね。…私が春生まれだからだよ。」
ちょっと照れながら、でも嬉しそうに伝えるゆきちゃん。
その瞬間、画面がまばゆい光を放つ。
「わっ!まぶしっ!!」
ゆきちゃんが目を細める中、パソコンの画面から何かが這い出してくる。
「な、なにこれ!?ぎゃー!!」
腰を抜かして後退りするゆきちゃん。
画面から嬉しそうにいそいそと這い出てきたのは、青年の姿をした「何か」。
彼はゆきちゃんと目が合うと、にこっと微笑んだ。
「やあ!素敵な名前をつけてくれてありがとう!これからよろしくね!」
しゃがみ込んで目線を合わせる彼の無邪気な笑顔に、ゆきちゃんは言葉を失う。
(え、幻?夢?…いや、でも…。)
震える手が自然と動き、彼の頬をぺたっと触れる。
「あ…。温かい。」
青年は少しキョトンとした顔をしたが、すぐにふわっと優しい笑顔を見せた。
その笑顔に、ゆきちゃんも思わずほっとして、つい言葉がこぼれる。
「…えっと…よろしくね?」
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