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いい加減、私を選びなさい!  作者: ラブコメに憧れた作者 愛楽(あいらく)
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教室に戻ると…。

正直、ゲームしてて時間がないんです…

陸人と空が教室に戻ると、陸人は視線を感じた。

やはりこうなるのか。陸人はそう思う。

教室にいるクラスメイトの大半が陸人と空を交互に見るように見ていた。そんな中の一つは海の視線だった。その視線は冗談のようにだが睨むように陸人を見ていた。

空と陸人。海はその関係を知っているのだが、他のクラスメイトはなにも知らない。そんな2人が昼休み一緒に帰ってきたのだ。朝日空(あさひそら)は転校してきたばかりの少女。それだけでも注目を集めるのに十分だというのに、優れた容姿もある。そんな彼女は陸人と言う男子生徒といたのだ。そうすると年頃の高校生が邪推(じゃすい)するのも無理はないだろう。

クラスメイトがヒソヒソと話をしているのが陸人は分かる。分かるのだが内容は聞こえない。

だけど、多分俺と空のことだよな…。

陸人はそう考えていた。

どうしたもんかと陸人は隣にいる空にチラリと視線を移す。

彼女は自分に向けられた視線など関係ない。そんな態度で悠々と自分の席へと向かっていった。

そんな彼女の姿を見て陸人は苦笑しながら着いて行く。


「なんか余裕だな。空」


陸人は窓際の自分の席に座りながら言う。


「まあ、そうね。いつものことだもの」


さも当然のように澄ました顔で言う空。昼休みの陸人と2人きりのだらしなさを感じさせない、言い方をかえると少し冷たい声で言う。

小学校の頃はもっと素直だったんだけどな。色々あったんだろう。陸人は思う。


「そうなのか。…大変だったな」


「大変…ね。そうなのよ。まあ、それもこれから楽になりそうね?」


空が陸人の目を見ながら言う。表情はいつものようだが、目の奥が笑っているように陸人は感じた。

陸人は気にした風もなく言う。


「ああ。そうだといいな」


「ええ」


陸人と空。2人の昼休みはそうして終わった。

小学校とは違うが、それでも空との関係は変わっていない。陸人はそう感じた昼休みだった。



「ねえ?陸人くん?」


「海?どうしたんだ。」


放課後、陸人は海に呼び止められる。

空は、用事があるから先に帰ってて。そう陸人に伝えていた。なので陸人は帰ろうとしていたのだが、そこを海に呼び止められたのだ。


「今日、朝日さんは…?」


周りを気にするように聞く海。どうやら空がいないのを気にしているようだった。


「空か?それなら先に帰っててって言われたけど?」


「そうなの?なんでだろう?」


不思議そうに海が言う。だが、そう言われても先に帰っててとしか陸人は言われていない。


「分からないな。何か用事でもあると思うんだけど。」


「そっか…」


「海?何か空に用事か?」


「ううん。違うんだけど。……また明日ね!陸人くん!」


顔が少し赤くなって考えたそぶりを見せた海。


「?またな、海」


陸人は疑問に思いながらも海と別れる。



帰宅している生徒が帰る中、陸人は下駄箱に着く。

するとふと空のローファーが目に入る。

ん?まだ学校にいるのか。少し探してみるか。陸人は空が何をしているのか気になっていたのだ。

部活をしていない陸人が基本的に放課後を歩くことはない。

クラス委員で残った時はあるのだがこうして目的もなく歩くことはないのだ。そんな放課後を新鮮に感じながら空を探し始めた陸人。


陸人が探し始めて意外とすぐに空の声が聞こえた。一階の渡り廊下を歩いている時だ。校舎の裏辺りから聞こえてきた。


「はぁ、もう分かったわよ…。」


「よっしゃ!それじゃまた!」


露骨に嫌そうな空と嬉しそうな聞き慣れない男の声。

少しすると校舎裏から嬉しそうな顔の男子生徒が渡り廊下に出てきた。チラリと陸人を一瞥すると校舎へと入っていく。

まあ、しばらくするとと今度は空が出てきた。げんなりという顔だ。陸人を見ると驚いた顔になる空。


「りっくん!?いたの!?」


次は意外と早いかも

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