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いい加減、私を選びなさい!  作者: ラブコメに憧れた作者 愛楽(あいらく)
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幼馴染、朝日空。

陸人(りくと)は異常なほどまでに危機感を募らせていた。

それは隣に座る、朝日(あさひ)の存在だった。


陸人がそこまで危機感を募らせる理由を知るには過去を(さかのぼ)る必要がある。



初めて、陸人が朝日と出会ったのは、小学校1年生の夏になる頃だった。

その頃の陸人は人付き合いは嫌いではなかった。むしろ、人が周りにいる事が当たり前だった。

そんな陸人とは反対に朝日は人付き合いが苦手だった。人が周りにいない事が当たり前だった。

ある日、陸人は朝日が1人でいる事に気づいた。


「1人でなにしてるの?」


「…」ふい。朝日は顔を背けた。


「ねえねえ?なにしてるの?」


「絵本読んでるから邪魔しないで」


回り込んで見てくる陸人に朝日は、嫌々答えていた。


「なんで?みんなで遊んだ方が楽しいよ!」


「みんな?みんなって?」


「んー。みんなっていうのは友達のことだよ!」


「…私、友達いない」


「なら、僕が最初の友達だ!!」


「え…?いいの?わたしでも?」


「もちろん!というより普通に話せるじゃん!僕の友達とも仲良くしようよ!」


「わたし、人が多いところは…いや」


「そっか…。分かった!それじゃあ僕で慣れよう!今日からずっと一緒にいるからね!」


「っ!?うん!」


友達が沢山いる方が楽しいと考える陸人にとって、友達がいないということは考えられなかった。だから、朝日に早く友達を沢山作って欲しかった。陸人はそんな思いだった。

だから、そこから一緒に登下校をするようになった。友達として。

そんな陸人は朝日にとっては唯一、学校で甘えられる存在になった。


四年生になった時ぐらいだろうか。

朝日は(いま)だに友達と言えるのは陸人だけだった。

陸人は朝日の相手をしながらも、友達と言える存在はまだ多くいた。

しかし、ある時から年頃の男女が登下校すると、子供は茶化してしまうものなのだ。あるいは無意識の嫉妬か。


「また、あの2人ラブラブしてる!」


誰かが言ったその言葉を発端に2人の関係はイジられるようになった。

すると、陸人の周りにいた友達も茶化すようになった。

カッとなった陸人は朝日を守るため手を上げた。

こういうと、綺麗に聞こえるが、実際は殴ったのだ。子供の容赦ない言葉に、怒りかあるいは恥ずかしさを感じながら衝動的に。

そう、陸人は自身の周りにいた友達を殴ってしまった。

そうすると、陸人も周りからも友達と言える存在はいなくなった。正確に言うと朝日はいるが。

それからというもの、陸人の相手をしてくれるのは朝日だけだった。

そんな朝日は陸人だけを相手にしていた。

その関係をなんと表現するのかは知らない。

あえて言うなら共存、だろうか?小学生には重い言葉だが。

その中で2人は名前で呼ぶようになり、朝日は一層、陸人に甘えるようになった。

そうした関係が小学校の卒業まで続いたのだった。


陸人が男子校、朝日が女子校へと入学し、そんな2人の関係は終わったかのように思われた。



陸人は朝日、彼女の甘えてくる姿しか知らなかった。

だから、この目の前にいる朝日は間違いなく猫を被っていると分かったのだ。

しかも、昔はとても距離が近かった。今の姿で来られたら男子高校生の欲望に陸人の理性はやられるだろう。

そういった危機感が陸人にはあったのだった。

耐えてくれ陸人。

続き書けるまで。

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