紙調達へ出発!
明るく光るそれを拾うと、わたしの目の前には、そのアイテム名が表示された。
レアドロップ:『真オオカミの霊魂』
らしい。
う~ん、まさかこれはっ!
なんて読むの?『しんおおかみの……れいかたまり?』いやいやいや、かたまりって『塊』って字だよね?!
ということは、『しんおおかみのれーこん』かな!
わたしってば、あったまいい!
わたしはその漢字が読め、満足し、この真オオカミの霊魂をアイテムストレージにしまい、これから進む道を決めることにした。
今のところ、このまま次の階層まで進むか、転移石を持って「第一層へ転移」って唱えるかの二つ選択肢があるけど……。どっちにしようかなぁ。
でも、ボスと戦うのは結構疲れるし、あんまり連続で戦ったりしたくないから戻ろうかなぁ?
とは言え、イベントでみんなの足引っ張ったりするのは嫌だしなぁ。
難しい!
と、わたしが転移石片手に迷っていると、ある通知が届いた。
「洞窟内なのに、電波届くんだ~。」
わたしがそんなことをつぶやきながら、その通知を見ると、それはギルドチャット内のエルちゃんからのメッセージだった。
『皆の衆~、今からわしの魔法を使うのに必要な紙を集めに第2層の森へ行くのじゃが、誰か手伝って~!』
あ、それならちょうどいいし、わたしが手伝いに行こう!
わたしはチャットにこううつ。
『5分後くらいなら、わたしいけるよ~!』
『待っとる!』
返ってくるのはや?!
あ、とにかく早く2層に行こう!
わたしは、「第一層へ転移!」と唱えた。
それと同時に、わたしは青白い光に包まれ、目を開くと、そこは第一層の中央だった。
って、約束は第二層じゃん!
わたしは転移石を持ったまま「第二層へ転移!」と唱えた。
……。
わたしが目を開くと、ちょうどエルちゃんがそこにいた。
「わっ! 近!」
わたしが驚いて後ずさりしているのを満足そうに見たエルちゃんは、
「よ~し、いくぞ~!」
と手を振り上げて歩き始めた。
そうして森へ向かう中、わたしはエルちゃんに並び歩き、疑問に思っていたことを聞く。
「そういえば、紙が魔法に必要、って言ってたけど、エルちゃんの魔法ってどんな魔法なの?」
エルちゃんは、どこから拾ってきたかよくわからない猫じゃらしを振り回しながら言う。
「わしか? わしの使える魔法は見た魔法をコピーする魔法じゃ。それしか使えん。いや、それしかいらんのじゃ。」
わたしは首をかしげる。
「それなら、なんで紙が必要なの?」
その質問に、相変わらず猫じゃらしを振り回しながらエルちゃんは胸を張って答える。
「わしの魔法は、無条件で発動するわけじゃないんじゃ。見た魔法を術式として算出し、その術式の刻まれた物から魔法を放つのがわしの魔法。つまり、術式を書き写す物が必要なんじゃ。そこでわしが選んだのが、事由に召喚できる本の魔法具なんじゃ。それを作るために紙が必要というわけじゃ。」
わたしはそれを聞き、頷く。
「なるほど、分からない!」
「わからなくても問題はないのじゃ。」
とそんな会話をしながらも進んでいると、エルちゃんが言う。
「ここじゃ、黒夜の森!ここは夜が真っ暗なんじゃ!」
あ、オークがいたとこ……。
わたしはそう思いながらも言う。
「それじゃ、いこっか!」
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