ボス?やばくない!?
まずい、どうしよう?
逃げ道は完全にふさがれちゃってるし、これって戦いましょうってことだよね?
わたしがあわあわしていると、ミナホが爆発の矢を打った。
的は大きいし、当然当たったけど……。
効いてない?!
「倒しに行くよ!」
その声でわたしはハッとした。
あわあわしてないで攻撃しないと!
レイとわたしは近距離で、ミナホは遠距離で戦う。
わたしとレイがボスに近づくとボスは右手に持った大剣を思い切り振り上げた。
<『未来視』発動!>
その瞬間、とんでもないものが見えた。
「すごいの来る!よけて!」
そう私が言った瞬間。
バーーーン
その大剣が振り下ろされた。
あぶなぁ~い!
振り下ろされた大剣は岩から成るこの層の地面を衝撃で広範囲にわたってえぐった。
はっ!
わたしは心配になりレイの方を見た。
するとレイは倒れていた。
HPが一気に減りすぎたんだ!
わたしがそっちに行こうとすると
「レイは私が後方に連れて行くから、ユキは攻撃を!」
とミナホが言った。
わたしはミナホの方を見てうなずき、またボスに向かって走り出した。
すると、ボスがもう一度大剣を振り下ろしてきた。
ただ大丈夫!
わたしは未来が見えるし、そんなゆっくりじゃ当たらないよ!
そのままわたしはボスの足元まで行き、足に斬りかかった。
カーーン
え?!
しかし、斬ろうとしてもこの硬い骨にわたしの剣ははじき返された。
近づいても切れないとは思ってなかったぁ!
どうしたら……。
って考えてる場合じゃない!
ボスがわたしを踏みつけようとしている。
私がそれをよけた瞬間。
ある未来が見えた。
見えても回避できない……!
その未来はすぐにやってきた。
ボスが無数の小さな剣を魔法で飛ばしてきたのだ。
わたしは未来視と持ち前の剣さばきを利用して落ちてくる剣を何とか回避する。
右!次は後ろ、いや前も……。
最後の一本!
落ちてくる剣をすべて回避したわたしはレイとミナホの方を見た。
二人はHPかろうじてあるものの、レイは倒れ、ミナホは動けなくなっている。
ミナホまで!
もうどうにも…… あっ!
わたしはあることを思いつき、-4層に来てレベルアップしてためたステータスポイントをすべて攻撃力に振った。
そしてこう叫ぶ。
「『天使』発動!」