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47.レラーナ王女

 クライフルン王国第二王女レラーナと、彼女の所属するパーティ『深森のライチ』のメンバーは疲労困憊していた。

 ここがどこかも分からない、ただ分かっているのは、広い部屋のような空間に自分たちがいて、一体一体がそこらの迷宮の中ボスクラスに強いアンデッドの群れに囲まれてしまっているということだった。部屋の四方には扉のようなものも見えるが、そこまでの道はアンデッドたちに阻まれて思うように進むことができない。

 迷宮の探索中にイワミタイの下にあったランダム陣を発動させてしまい転送した先がここ、それからレラーナを含むパーティメンバーはほとんど不眠不休でアンデッドたちと戦っていた。


「うあああああああああああああっ!!!!!!!!!!」


 仲間の一人、ドザーグが戦っていた髑髏の剣士に肩を切られ、のたうち回る。後ろに控えていたリーダーのガルスが、慌ててドザーグの代わりにそのアンデッドを抑えにいった。


「ガルス!私が行きます、あなたのその体では……」

「黙ってな!」


 ただでさえ不意の転送だったことに加え、仲間の一人が転送前の場所に置き去りにされたこともあり、残りの五人はその力を十分発揮できずにアンデッドたちに屠られていった。今やガルスとレラーナを除くメンバーは深手を負って意識を失っているか、生死も定かではないような者たちばかりだった。ガルスも満身創痍であり、唯一まともに動けるのはレラーナだけである。


「でも仲間が傷を負っているのに私だけ――」


 そしてそれは彼女が王女であるから、パーティメンバーに必死で守られたため――


――ではない(・・・・)


「違うだろうタイマン姫!?お前をみんなが守ってるのは、お前のスキルがこの場には何よりも必要だからだ!お前が王族だからとかそんなことは一切合切関係ないことくらい、わかっているはずだと思ってたんだがな!お前が意識を失ったら、スキルの効果は三時間しか持たないんだぞ!!いいからスキルを切らさず体力を温存するんだ!!」


 リーダーのその言葉に、レラーナは唇を噛み――そしてふぅと大きく息を吐いた。仲間が次々と倒れていく中、助太刀に入ることができないもどかしさを押し殺し、空元気で笑顔を作る。


「――わかりました、あなたの言う通りですリーダー。……それはそれとして、わたしが嫌いなあだ名で呼んだの、覚えておきますからね」

「おうよ!地上に帰ったら、いくらでも文句に付き合ってやらぁ!!」

「ええ、覚悟していてくださいね!!」


 そして二人はいつ終わるとも知れない戦いに戻った。

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