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39.再会

「一週間ぶりくらいかなぁ、てっきり田舎に帰ったんかと思ったんやけど、まだこのあたりにおったとはな」

「フィールどうしたよ、パン屋始めるかと思ってたんだがな」

「パン屋も才能なくて諦めたんじゃないの?あははははっ」


 声のする方をいやいやながら振り向くと、そこにはかつてフィールを使い捨てたパーティリーダー、ベルルとその仲間たちがニヤニヤしながらこちらを見ていた。


「なんでここに……」

「別に今までもあんたに留守番させて王都まで出稼ぎに行っとったことはあるやろ?今日もそれや。そしたら召集かけられたさかい、こうやって準備しとるんよ」


 ベルルはそう言って、視線をバルイとエリアに移す。


「それにしても……あれほど才能ない言うたったのに、まだ冒険者なんか目指しとんのか。それもCランクパーティに入れてもろて、ま、やめてもらった見習いがどうなろうと知ったことやないけどな」


 あまりにもフィールを見下したもの言いに、フィールよりもバルイとエリアの頭に血が上り、二人は一歩フィールをかばうように前に出る。


「ああん、てめー言わせておけばさっきから随分なことだなぁおい!」

「あたしたちの仲間がこれまで随分お世話(・・・)になったみたいじゃない。ここで借りを返させてもらおうかしら」


 怒りの炎がめらめらと燃えているような二人の怒気だったが、仲間を従えているベルルにひるんだ様子はなかった。


「元気なこっちゃな。せやけど、こんなところでもめ事起こしてもそっちの立場が悪くなるだけやで。それに、たかがCランクパーティが、Sランク認定の下りたうちらに勝てるとでも思ってるん?」


 金色の番号札をひらひらと見せつけながら、ベルルは意地悪く笑ってそんな風に煽った。


「ああん!?『牛鍋のセロリ』リーダーのバルイを知らねえようだなこのトロメ野郎!!売られた喧嘩は買わなきゃ需要と供給のバランスが崩れちまうんでぇスットコドッコイ!!」


 思わず剣を抜きかからんとするバルイだったが、そこに兵士が止めにかかった。


「おい!そこで何をしているんだ!やめんかやめんか!」


 恰幅のよい兵士がそう言いながら二人の間に割って入る。


「うちらはなーんもしてへんで。そっちが勝手に突っかかってきただけや」

「あぁん!?さんざん喧嘩を売っておいて今更逃げようってのかてめぇ」

「いいから二人とも落ち着かんか!!もうじき大規模討伐任務が始まるんだから、それまでじっとしておれ!!」


 兵士の有無を言わさない態度に、二人もやや気勢をそがれる。


「ふ、まぁええわ。ほな迷宮ではくれぐれもうちらの足手まといにはならんといてな」

「なっ――このっ」

「落ち着いてバルイ。相手にしてもしょうがないよ」


 再び興奮しそうになったバルイを、フィールはなんとか抑えた。


「やれやれ、冒険者どもはどうも気性が荒くていかん。頼むから喧嘩するのは迷宮のモンスター相手だけにしてくれ」


 仲裁に入った兵士もそう言って去っていき、ようやく三人だけになった。

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