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28.再び町の外へ

 王都まで行くことを決めた三人だったが、王都まではこのガダチャの町から数日はかかる。フィールたちは噂が広がり切らないうちに急いで必要な物資を買い集めると、町の門までやってきた。


「おお、あんたらか!ドラゴンの報告はありがとうな!」


 門番詰所にいたのは、今日もガイヒコと数名の門番だった。どうやら例の噂はここまではまだ届いていないらしく、何も聞かれない。


「なんだなんだ、ドラゴンっつーのは?」

「バルイ、昨日説明したのに酔っぱらって忘れちゃったの?エリアと出会ったときにドラゴンに襲われたんだ」

「あーそういやそんなことも言ってた、っけな……」


 ポリポリと頬を掻くバルイ。エリアはガイヒコと話を進めようとする。


「ちょっとまた別の町に行きたい用事があるんだけど……」

「あいよ、じゃあこの通行証に必要事項を書いてくれ。もう慣れてるとは思うがな」


 ガイヒコに渡された紙に三人はペンを走らせる。文字の書けない者はいなかったので、門番たちに助けを求めることはなかった。


「オーケー、書類としてはこれで問題ない。ただな――」


 三人分の書類をまとめたガイヒコは少し顔を曇らせた。


「例のドラゴンがやはり気になる。ここ十年、この近くの街道でドラゴンなんて聞いたこともなかった。何かよくないことが起こってるかもしれん。まだ調査中だが、今後もドラゴンが現れるなんてことだって、ないとは言えないかも……」


 ガイヒコがそう言うと、エリアの顔が引きつったのがフィールにはわかった。先の戦いのときの狼狽ぶりから考えても、彼女がドラゴンに強い恐怖を持っていることは疑いようがない。


「エリア、どうする?一旦出るのは取りやめにしてもらう?」

「い、いえそうは言っても、まだあのドラゴンだけなんでしょう?フィールもいるわけだし、大丈夫よ。どのみち、ずっと同じ町に閉じこもっているわけにもいかないでしょうし」

「うーん、でも……」

 

 ドラゴンと出会ったときのエリアの様子を思い出して、フィールは少し心配になった。あのときよりも今の方がフィールのスキルも強化されているとはいえ、何が起こるかはわかったものではない。


「なんだ、あんたらもやっぱりドラゴンは怖いのか。それなら、もう少し時間が経てば行商の連中が出発するから、一緒に連れて行ってもらったらどうだ?モンスターや盗賊が出るような、もっと危険な土地も旅している連中だ、危険対応は万全なはずだぜ」


 困っている三人に、ガイヒコがそんなことを教えてくれた。


「それは、なかなかいい話に聞こえるけど……見ず知らずのあたしたちを一緒に護衛して、その人たちにメリットなんてあるのかしら」

「金を払えばいいじゃないか。交渉次第だが、受け入れてくれる可能性は高いと思うぞ。だって、結構持ってるんだろう?」


 そう言ってガイヒコは片目をつぶった。


「あのドラゴンの死骸を見に行った部下が驚いてたよ。あんなにきれいに、金になる部位だけ持っていかれたドラゴンの死骸は、そうそう見たことがないってな」

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