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世間知らずな錬金術師  作者: 白井木蓮
王都帰還編

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8.久しぶりにマリンに会います

 遅いですね。

 もう夕方だというのに。

 学校ってこんな時間までありましたっけ?


「ただいま~」


 あっ!

 帰ってきました!


「えっ!? なにこのいい匂い!」


 ふふっ、店のほうまで匂いがしてるようですね。


「ねぇ、なに作ってるの!?」


 マリンが走って作業部屋を通り抜けてキッチンまで来ました。


「えっ!? えぇっ!? お姉ちゃん!?」


 ようやく気付いてもらえました。


「お帰りなさい。久しぶりですね、マリン」


「わぁ~! お姉ちゃんが帰ってきたぁ!」


 マリンも師匠と同じように抱きついてきました。

 ふふっ、可愛いですね。

 少し背も伸びましたか?


「ただいま。お腹空いてますか? ご飯にしましょう」


「そうだ! これなんの匂いなの!? ナポリタンじゃないよね!?」


 マリン……もうナポリタンは食べなくてもいいんです。

 いや、好きなら食べてもいいんですけどね。

 でも私はララちゃんが作るナポリタンしか食べれないですけど……。


「これはハンバーグというものです。それにご飯とお味噌汁もありますからね。冷めないうちに食べましょう」


「え……いいの? 師匠は?」


「師匠は急用で四日間ほどお出かけすることになったんです。さっき出ていきました」


「え……なんでお姉ちゃんと入れ替わりなの? 三人で食べたかったよ……」


 やっぱり可愛すぎます。

 ララちゃんも可愛いですけどマリンよりしっかりしすぎてますからね。

 ララちゃんはマリンより年下なんですけどね……。

 あのダンジョンは色々とおかしいんです。


「師匠はさっきお腹いっぱい食べたから大丈夫です。それにまだいっぱいありますからね」


「ホント? なら食べる! 見るからに美味しそうだもん! 鞄置いて手洗ってくるね!」


 なんだか切なくなってきました。

 本当はもっと色んなもの食べたかったんですね。

 私と師匠が食に興味がなかったばかりに……。


「お待たせ! いただきます!」


 ……どうですか?


「なにこれ!? 中からチーズが出てきたよ! ……美味しい~~~!」


 ですよね。

 これを美味しいって言わない人は人じゃありません。

 魔物さんたちはこの熱いのが苦手なようですけど。


 それにしてもマリンはお箸も上手に使いますね。

 今まで使ったことほとんどないはずなんですけど。

 学校でみんなが使ってるのを見て覚えたんでしょうね。


「何回食べてもこのハンバーグは美味しいんです。ほかにも美味しいものいっぱいありますからね。明日から順番に食べていきましょう」


「ホント!? わ~い! 毎日夕食が楽しみだね!」


 ……マリン、今までツラい思いをさせてごめんなさい。


「朝食と昼のお弁当はどうします? クロワッサンとチーズ蒸しパン以外のものを私が作りましょうか?」


「えっ!? 朝と昼も別メニューがあるの!? もしかしてお姉ちゃん料理修行の旅に出てたの!?」


 料理修行の旅ときましたか。

 でもそう言っても決して過言ではないですよね。

 私の料理レパートリーもかなり増えました。

 ララちゃんのおかげです。

 でもどれもララちゃんの味には到底およびませんけどね。


「しばらくは凄腕の料理人さんが作ったものがありますけど、なくなったら私がそれをマネして作ります。それと私はちゃんと錬金の修行をしてきましたからね」


「そうなんだ! ……ホントにこのハンバーグ美味しいね! 魔力もちゃんと入ってるし!」


「え……」


 マリンには食べ物に入ってる魔力がわかるんですか……。

 いや、私もさっき師匠に言われてからそういう目で見るとわかるんですけどね。

 でもマリンは普段から意識して食べてたってことですよね?

 この子、もしかして凄い才能を秘めてるんじゃないでしょうか……。

 いや、今でもマリンの魔力は凄いんですけどね。


 というか今後もダンジョン産の食材を使うしかなくなったじゃないですか……。

 八百屋さんやお肉屋さんの品物はここにも届くのでしょうか?

 薬草を頼めるくらいですから大丈夫そうですけど。


 でもそんなことをするより直接ダンジョンから持ってきてもらったほうが早いですよね。

 次ピピちゃんが遊びに来たときに頼んでみましょうか。

 それまでにピピちゃん用の袋を作っておきましょう。


「ところでお姉ちゃん、ずっと帰ってこないでどこでなにしてたの? 私と師匠が心配してたってことわかってるよね?」


「え……はい。連絡しないでごめんなさい」


 それは本当に反省してるんです。

 それなのに大樹のダンジョンにいるのが楽しかったなんてマリンにはとても言えません……。

 きっと前より店番や師匠のお手伝いもしてくれてたでしょうからね。


「わかってるならいいんだけどさ。まさか男のところに転がり込んでたとかじゃないよね?」


 ……ララちゃんもいましたし途中からユウナちゃんもいたからそれは違いますよね?


「それはないです。ちゃんとした錬金修行の旅です。この袋が成果の一つです」


「ふ~ん。ちょっと見ていい?」


 マリンも袋に興味があるようです。

 というかマリンにこの袋のことがわかるんでしょうか?


「ふむふむ。中身は異空間か。あっ! 食べ物がいっぱい! このパンみたいなのなに!? 果物もいっぱい! ん? もしかして中に状態保存かかってる? 凄いもの作ったね~お姉ちゃん」


 あまり凄いと思ってなさそうなのは気のせいですか……。

 師匠は驚いてくれたんですけど……。


「マリン? もしかしてこの袋作れたりします?」


「それは無理だよ。原理はわかってもどうやって構築していくかがわからないもん。それに内部のこんなふざけた魔力量お姉ちゃんにしかできないよ」


 いや、原理がすぐわかるだけでも凄いんですが……。

 マリンの魔力量はまだまだこれから増えますしね。


「この袋の簡易版を大量生産して少し安めに売り出したら一生遊んで暮らせそうだね」


 マリンが悪いこと考えてます!

 錬金術師はお金に目がくらんだらダメなんです!


「冗談だよ。ねぇ、やっぱりお姉ちゃん料理修行の旅に出てたんじゃないの? 袋の中、料理や食材ばかりだよ……」


 袋に入ってるものを見たらそうとしか思えないですよね……。

 明日の朝食はサンドイッチにしましょうか。


「それにちょっと太ったでしょ?」


 ……気にしてたことを言われてしまいました。

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